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採択活動一覧

大舩真言展「中空」

活動情報

活動ファンド 助成認定制度
申請時期 2019年 第3回
活動地域 大阪府
活動ジャンル 美術
活動者名 大舩真言展「中空」実行委員会
活動名 大舩真言展「中空」
活動名(ふりがな) おおふねまことてん ちゅうくう
実施時期 2019年 7月 1日 ~ 2019年 12月 31日
会場 実施場所:浄土宗應典院
所在地 :大阪市天王寺区下寺町1-1-27

活動完了報告

應典院の円形本堂、高さ6mの天井に、岩絵具と麻紙による直径2.7mの平面作品void τ(ヴォイド・タウ)が懸けられた。劇場機構を備える本堂は暗転して高演色LED展示照明機材(企業より協賛提供)を使用。それらの環境条件が作品の持つ視覚的可能性を最大限に引き出すとともに、空間自体が親和的な集中を呼び起こす力を持っており、作品は一点にもかかわらず観客は作品と向き合う長い鑑賞時間を過ごしていた。内的な気分のある本堂展示に呼応して、ロビーギャラリーでは大窓が向き合う生玉神社の社叢と大蓮寺墓地を借景に取り込む、インスタレーション展示がなされた。古代、上町台地と大阪湾の波打ち際であった会場所在地の土地の特性、つまり過去と現在の境、寺と墓地という生と死の境への眼差しを内包し、それらと観客をつなぐ場を志向した作品で、コンテンポラリー・ダンサー(國本文平)が作品の一部として存在。観客と変わらず黙って座っていたり、静かに動いていたり、人間の思惟や視線の影のように居て、過去と未来、生死、彼我の境はあっても断絶せず水平につながっていく作品の世界観を、観客とともに往還する存在として考案されていた。会期中会場にて、従来寺院が地域で果たしていた、教育・福祉・芸術を提供する機能をもつ場として應典院を再建し、現代社会に関わる仏教の最前線を歩んで来た住職秋田光彦師と大舩真言の対談が行われ、展覧会表題「中空」と仏教的世界観のこと、芸術と日本の風土や文化の特質との関わり、パリで公開された際の文化的相克から得られた気づきなどが縦横に語られた。そして、文化や宗教の相違があってもそこを行き来することで、精神的に通底していく芸術の可能性が再確認された。
本展実行委員会委員長、小林 瑠音(神戸大学国際文化学研究推進センター学術研究員)による展覧会レヴュー:
https://www.outenin.com/article/article-15336/
同じく対談抄録:
https://www.outenin.com/article/article-15346/
展示期間:
2019年10月23日(水)~28日(月)午前10時~午後7時
入場者数:300人

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