「日本工芸週間」の必要性については、2017年の300人の工芸有識者を集めた会議で発案・提言があり、2021年に文化庁主催のオンラインシンポジウムでその必要性が再確認され、漆芸家で重要無形文化財保持者の室瀬和美氏が呼びかけ人となり、2022年に有志団体とはじまった「日本工芸週間」。
2022年は、「日本博」の助成により、まずは情報連携を可能にするため、工芸とその周辺の専門的情報を網羅可能なリンク集生成サイトwatoji.jpのシステム開発の初動コストを得つつ、国際シンポジウムをオンラインにて行ったが、助成要件を満たすため、開催費用がかえって必要以上に高くなってしまった。
本申請は、その経験を踏まえ、民間の有志の支援を得て、助成がなくとも発展可能な体制づくりを目指したもので、このおかげにて2023年と2024年の実施が可能となり大変感謝している。求める費用確保までは遠く届かず、小規模な実施に留まりはしたが、行政自治体・産業界大手の共感や、強力なプロボノ支援を多く得ることができ、継続・発展可能性を育むことはできた。
今後も、この事業が民間に浸透し開催目的を果たすため「世界から日本の隅々で行われている素晴らしいイベントを探せる・工芸の欲しい情報が見つかる・魅力が伝わる情報集約」と「共通課題解決に向けた、行動変容を促す中核イベントの実施」を継続しながら、毎秋を「共通課題解決の契機」としてゆく。
なお、2024年の計画については、能登の震災発災により、大きく変更した。漆芸の専門技術者が重層的に産地を構成する輪島塗が破壊的な被害を受けたことで高まった(かつての自然災害では無かった)文化復興支援の手立てについて、発災後、各々が行った手探りのアクションや、被災経験からの学びについての情報共有ができた。
「今後自然災害が起きたときに、人・もの・カネを投じて復興支援を行う産官学民が情報集約・連携することでスピード良くアクションできる可能性」と、「有事の際、伝統産業従事者の実態が自治体でも把握できないため、自宅電話以外の連絡網づくりと実態把握が常時から重要であること」「倒壊した木造民家群には文化財的&観光的な価値があり、再活用の可能性をさぐる意味が高い」等の重要な意見が交わされた。
様々な企業、法人等に、本活動への寄付を打診したものの、結果としては1件のみの寄付となった。一方で、企業メセナ協議会を通じて寄付を集めることにより寄付金控除の対象となることから、低額ながら個人の寄付を集めることができた。
現在の東京における小劇場演劇では、単体の劇団がメセナを活用することへの認知度や活用事例が少ない傾向にある。文化庁や自治体等の助成金に依存する現在の状況から、よりアーティストや作品が自立し、社会の中での存在意義を確立するためには、民間企業や法人、個人による寄付が積極的に活用されていくことが、今後の課題としてあると感じた。
五稜郭公園一橋広場および函館市芸術ホールを会場とした市民創作函館野外劇 第36回公演「星の城、明日に輝け」を,2021年より新型コロナ感染防止対策として五稜郭公園夜公演より五稜郭公園昼公演及び観客密集を避ける為、函館市芸術ホール(700座席)で実施してきたがお客様アンケートの結果、年配者の昼観劇・冷房が効いた芸術ホール観劇・観光で五稜郭に来られた観光客の観劇なども有り昼公演を中心に今後も実施していきたい。今年も児童養護施設・児童自立支援施設などの子ども達にも観劇による歴史学習の場として提供し又、小・中・高校生や大学生に対してはボランティア活動参画の場として函館野外劇を提供出来た。
障がい者の反応はとてもよく、生の音楽を聴き、間近に楽器を見て、会場の雰囲気を体で感じている様子がよくわかった。それぞれの受け取り方で音楽を楽しみ、感じたことを表現していた。体を揺らす、手拍子を打つ、リズムをとる、踊る、弾く真似をする、じっと見つめる、楽器をのぞき込む、涙を流す、大声で歌う飛び跳ねる等様々でその反応は素直で直接的だった。
すべての公演で保護者、職員の方々から高評価をいただいた。保護者や職員の方にとっても新たな発見が多くあったようだ。日常生活で生の音楽を聴く機会(コンサート等)を持つことは難しい。途中で騒がないか、大声を出さないか、まわりに迷惑をかけないか、会場までたどり着けるか等不安材料が沢山あるからだ。生の音楽を聴いてどんな反応があるのか、保護者や職員の方にとっても新たな発見が沢山さんあったようだ。日常生活で色々なジャンルの音楽を聴くきっかけになるのと思う。
コンサートは時間を厳守し、休憩時間をとる予定にしていたが、出入り自由にしたことで特別に休憩を設ける必要がないことが分かった。 プログラムは、リラックスできるよう静かな曲で落ち着いて始まるようにし、アップテンポの曲、リズミカルな曲、季節にあった曲、皆が知っている曲などを盛り込みながら、終演に向かってクールダウンできるように配慮した。一部ポピュラーも取り入れて飽きないように考慮した。通常の方法でのコミュニケーションが難しい障がい者が生の音楽に接することにより五感を体得し、刺激を得てコミュニケーションできて障がい者のWell Beingにつながることが最大の成果であった。
活動をしてみて
殆どの観客から絶賛の感想をいたただき、演奏者も全員が感動・感激を述べ、目的の日韓国交正常化60周年記念親善チェロコンサートの趣旨を十分に全うできました。
さらに韓国以外のベトナム・タイからの参加者もあり、アジアのチェリスト間での友好に大いに寄与しました。
謝金をお支払して演奏に参加してくださるプロチェリストの方々は演奏後に感想など殆ど述べられませんが、本コンサート終了後は多くのプロチェリストの方々から「参加してよかった」、「久々に演奏していて自分自身が感動した」と言うような感想を頂きました。
また、アマチュア参加者からはそれら以上にほぼ全員の参加者から「感動しました」、「参加してよかった」、「次があれば是非とも参加したい」といった肯定的な感想で溢れました。
収支は赤字となりましたが、観客・奏者、これだけ多くの人々に感動していただき、喜びを与えたことで、主催者冥利に尽き、悔いのないコンサートとさせていただくことが出来ました。