今年度もご支援くださった企業があり、大変感謝しております。
昨年度から利用させていただいているホテル東急ハーベストさんに今年もお世話になり、受講生およびスタッフが快適に過ごすことができました。
例年と比べて全体的に来場者数が多く、受講生たちの安全面を考慮して警備体制を整える必要があった点がこれまでとの大きな相違点でした。具体的にはホール内での録画、録音、撮影禁止の呼びかけを徹底したり、昼食時は受講生たちの楽器や荷物を施錠できる部屋で一括管理できるようにしたりと、スタッフ側で細やかに呼びかけをおこないました。結果として、特に大きなトラブル等なく5日間を終えることができました。
講師の先生方は真剣に受講生たちに教えてくださり、それに応えるべく受講生も毎日一生懸命練習しており、5日間を通して心身共に受講生たちの成長を見させていただきました。最終日の交流会では「みんなと演奏できる日々が楽しかったから、終わっちゃうのがさみしい」と涙する受講生もおり、時間をかけて準備してきた甲斐があったなあと嬉しい気持ちになりました。また来年度も円滑に進行できるよう、準備を重ねたい所存です。
「音楽教室」に参加した三宅中学校の生徒たちからは感想文が寄せられた。以下のような内容であった。
・「コントラバスのピッツィカートが印象的でした。(中略)『もう一度聞きたいな。』と思う程、元気をもらいました。」(1年生)
・「演奏しているときの迫力と奏でている時が美しくびっくりしました。」(1年生)
・「どの曲も聞いていてステキでした」(1年生)
・「演奏を聞いていて、都民交響楽団のみなさんが楽しく楽器を弾いたり指揮をしたりしていて、私たちまで楽しく、とても特別な時間となりました。」(2年生)
・「音楽教室で音楽を聴いた時、心にすごく響きました。」(2年生)
・「私が特に印象に残った曲は『ワルツィング・キャット』です。バイオリンで猫の鳴き声を表現していて、とてもかわいらしい曲でした。」(3年生)
児童・生徒たちは普段なじみのないクラシック音楽やオーケストラの実演の魅力を存分に感じ、非常に感動し、オーケストラへの興味を持ってもらうことができたと考える。
一般向けコンサートに来場した観客からのアンケート結果は、以下のような内容であった。
・「参加してみて50人くらいの大勢の方の迫力ある演奏でびっくりしました。本島ではこのような機会めったにありません。わざわざ遠い三宅まで、本島(原文ママ)にありがとうございました。」(90歳代)
・「三宅島に居ながらにしてすばらしい都民交響楽団の演奏が聴かれて夢みたいな気持ちでした。大変嬉しかったです。又、是非お願いします。」(80歳代)
・「指揮者の中城さんが、とても楽しそうに指揮をされていて、大変元気をいただきました。解説のおかげで45分の新世界がとても短く感じられ、楽しめました。第4楽章の迫力!!とても聴きごたえがありました。ありがとうございました。(午前中は愚息が式体験をさせていただきありがとうございました。なまいきな感想を申したようですが…(笑)大変嬉しそうに帰ってきました。指揮棒家宝にします!!」(注:「音楽教室」における指揮者体験者に対して、記念品として指揮棒を贈呈)
こうした反応を見る限り、普段オーケストラの生演奏を聴く機会がない三宅島の島民の方に実演のすばらしさを味わってもらう目的は達成されたと考える。
今年も皆様にご協力いただき、無事セミナーを開催する事ができました。これも、地元企業個人の協賛や、企業メセナ協議会などの協力があっての事です。今年の新しい企画は、防府市と隣町の周南市との共同企画オーケストラフェスティバル、ベートーベン交響曲第9番歓喜の歌です。広く山口県下から150名の音楽愛好家が集まりました。今後、このセミナーを続ける事の重要性を感じました。台湾との文化交流も規模が大きくなり、将来が楽しみです。これからも頑張っていきたいと思います。いまだに企業メセナ協議会への認知度が低いのですが、これからもメセナ活動について呼びかけていきたいと思います。皆様に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
一般財団法人PEACE DAYからNPO法人PEACE DAYと名称は変更しましたが、従来通りに、世界平和デーである9月21日に、多くの参加者や協力者のおかげで無事にPEACE DAYイベントを開催&終了することができました。企業メセナ協議会を通しての寄附はありませんでしたが、今後も活動を継続していきます。
活動をしてみて
2022~2023年にかけて事務局の人員体制が大きく変わり、グラントプログラム事業は計画通りに進められましたが、イベント事業のイベントプログラムでは当初の計画のプログラムを統合して実施したり、広報活動では一部の計画の実施を見送りしたりすることとなりました。
グラントプログラム事業では、2023年度は8件のグランティを支援し、助成総額は177,000米ドルに達しました。この8件の助成は、7件の個人フェローシップと1件の団体助成で構成されており、うち5件は日本から米国へ渡航する個人を支援するもので、残り3件はアジア地域内の渡航を支援するものでした。中でも、初めて香港・中国での6か月間のフェローシップや、久しぶりに音楽分野からのグランティを支援出来たことは、ACCの支援の可能性を広げるものとなったと思います。
グランティの渡航終了後には、「グランティ活動報告会」を開催し、事務局スタッフの他、財団理事、選考当時の審査員、次回以降渡航予定のグランティを招き、報告者に画像などを見せていただきながら、渡航中の活動内容や体験、ご意見などを伺い、質疑応答を行いました。特に、第3回目のニューヨークへ滞在したグランティの報告会では、次にニューヨークへ渡航するグランティたちが多く集まり、情報交換を行う良い場となりました。
イベント事業においてのハイライトは、ACC日本財団設立以来初めてとなるグランティの同窓会となる「ACCアルムナイ・イベント」を開催したことです。当日は44名のアルムナイと、ACCの活動を支えてくださるファウンディングメンバーの皆様や財団役員にお集まりいただき、賑やかで華やかな交流の会となりました。日本からのグラントを得たACCアルムナイである蔡國強さん(1995年)も、国立新美術館での個展開催のために来日の中参加されるなど、1963年から2023年までのグランティが一堂に会する素晴らしい機会となりました。
昨年より課題としていた、グランティへのサポートやアルムナイエンゲージメントについては、新しいプログラム・オフィサーの着任により、大きく改善しました。広報活動については、メールニュースのコンスタントな配信や、ウェブサイトの更新やSNSへの投稿の頻度を増やすなどデジタル媒体に重きを置き、紙媒体としての「ACC通信」の発行は見送ることとしました。また「ACCグランティインタビュー」はスケジュール面で実施できませんでした。