参加アーティストや観客、連携団体、実習生、ボランティアサポーターなど、国内外から多様な人々との『縁』が生まれた豊岡演劇祭2025は、今後の更なる広がりを期待して閉幕した。
豊岡演劇祭2025は、これまで積み重ねてきた豊岡演劇祭の広がりを感じるとともに、新たな取組みが地域の魅力向上、また、来場者だけでなく市民が演劇祭を身近に感じることが出来るよう、舞台芸術に触れる機会をより多く創出出来た演劇祭となったことを実感した。
例年同様、選手入場の際には、各チームが舞台袖からステージへ入場し、ウォーキング後にランウェイ横の階段を降りる進行を予定しておりました。しかしながら、重厚な衣装を着用した生徒が階段を使用する演出について、「見ていて危険を感じる」との意見が寄せられたことから、事務局としても生徒の安全確保を最優先に考え、動線管理の見直しを行いました。また、各チームによるステージおよびランウェイでのウォーキングでは、それぞれの衣装コンセプトに合わせたパフォーマンスが披露され、審査員や観客の皆様に対し、作品の魅力を十分にPRできていたと感じております。
舞台正面には200インチの大型スクリーンを設置し、映像を大画面で投影したことで、臨場感のある舞台演出を実現することができました。さらに、最終審査会終了後には出場者交流会を開催し、審査員から衣装に関するアドバイスを熱心に聞く姿が見られたほか、出場者同士が交流を深める様子も見受けられました。
5度目の開催となった本事業では、毎年継続しての開催となる公共施設・商業施設での大規模な無料展示に取り組むとともに、事業初年度(2021年)より実施している国際公募プログラム「Space Sharing Program」も開催。国内ほかアジア、南米、ヨーロッパ等、今年のフェスティバルは多様な国籍を持つ作家から出展いただくことができた。また、各プログラムを通じ開催地域に住む皆様や来場者の皆様に様々な表現を体験いただく機会に繋げることができ、今後の継続開催に向けて繋がりも作れたと考えている。
事業運営の面に関しては、毎年の課題となる有料プログラムでの事業収益確保を図るなか、フェスティバルの認知向上のため無料展示、無料ワークショップの開催を行い、プログラム全体での収益、動員増とのバランスを図った。
5年目の開催を終え、事業を継続してゆく中で、フェスティバル全体のクオリティの向上と関係各所の満足度(充足度)及び貢献度が今後も比例してゆくよう、来場者・参加者、地域企業、開催施設やエリアの行政区にとっても有益な事業として提示できるよう努めてゆきたいと考えている。
活動を通じて、震災後の地域においては、単なる復旧作業だけではなく、地域を再編集していく視点が重要だと感じている。震災の影響で人口減少が加速する中で、人と人との関係性をつくっていくことが重要であると強く実感した。芸術祭を通じて生まれていたつながりが、被災後においても支援や協働の基盤として機能し、アーティストや外部の支援者が地域と関わり続ける大きな力となった。一方で、地域に立ち寄れる場所や、宿泊できる場所が極端に減少し、それらの再構築や担い手の確保など、長期的に向き合うべき課題も明らかとなった。現地での活動を重ねるなかで、外部からの支援が一時的なものではなく、継続的な関係として根付くことの重要性を再認識した。今後はアーティスト・イン・レジデンスなどの仕組みを活用しながら、アートを通じた復興の可能性をさらに発展させ、持続的な地域再生に寄与していきたい。
活動をしてみて
本事業を実施者として担う中で、海外公演を成立させるための準備や調整の重要性を強く実感した。特に現地とのコミュニケーションや運営体制の構築においては、事前の想定を超える対応が求められ、柔軟な判断力と連携の重要性を学ぶ機会となった。
また、実施者として作品を海外に届ける責任を意識することで、表現や企画の在り方を改めて見直す契機ともなった。今回の経験を通じて得た知見や課題を今後の活動に活かし、より持続的かつ発展的な国際的活動へとつなげていきたい。
本事業においては、クラウドファンディングおよび企業メセナ協議会を通じた寄付募集の双方を実施したが、助成認定制度経路での利用申込みはなかった。