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活動者の声

「311ドキュメンタリーフィルムアーカイブ」プロジェクト2016~3.11映像記録のこれまで、これから

活動期間2016年 6月 14日 ~ 2017年 3月 31日

活動をしてみて

震災記録映画の蒐集活動について、呼びかけを日々地道に行い、この1年で登録作品が100本に近づいてきたことは大変喜ばしい成果であると考えています。また、当アーカイブ事業で課題となっていた登録作品『DUBHOUSE 物質試行52』の上映用35ミリフィルムプリントの収蔵・保存について、プリントを新たに作成し当ライブラリーでの永年保存が可能となったことは、今年度の当事業の大きな成果の一つでした。11月の上映・ディスカッションイベントは、映画を含む芸術全体が震災復興に果たす役割を改めて考える機会となりました。ゲストより、震災の経験を伝えていく上で、芸術作品は見る者の知覚・記憶に深く結びつく表現や語りを持たなければならないというお話が出ましたが、金曜上映会での2回の震災特集上映でも、それぞれ映画のテーマやスタイルは異なるものの、感情や記憶をゆさぶる詩の力が、共通して作品の核となっていました。作中の詩の朗読で涙を流す観客の方もおられ、芸術そのものの持つ力と意味を再認識することができました。今後もこうした素晴らしい映像作品を集め、上映し、語り合う機会を持ち続けたいと考えています。
 アーカイブ事業はまだ未登録作品が200本以上残っており、制作年の若い作品の中には同意が難しいものも多く、ある程度時間を置きながら今後も継続して声かけを行なっていきたいと考えています。上映素材の保存事業においては、ビデオ・デジタル素材は現在Blu-rayでの保存が主流ですが、技術革新のスピードが速くいつまでこのディスクメディアが社会に流通しているか先行きが不透明です。そのため今後どのメディアが最も保存に適しているか継続的に情報を集め検討し、またその入手予算を確保しながら、保存用映像の適切な移設を行なっていく必要があります。
 同様のアーカイブ活動を行なっているせんだいメディアテークや国立国会図書館など他関連機関とさらに情報交換し連携を深めながら、映像を見て震災、来るべき大災害などについて話し合うことのできる場、映像記録を確実に史料として残していける場を永続的に確保していくことが当事業の使命であると改めて感じました。

「311ドキュメンタリーフィルムアーカイブ」プロジェクト2016~3.11映像記録のこれまで、これから

活動期間2016年 10月 10日 ~ 2017年 3月 31日

活動をしてみて

東日本大震災から丸6年が経とうとしている現在、被災県以外で震災関連の記事や映像が流れるのは毎年ほぼ3月だけになっています。近年熊本や鳥取での大きな地震もあり誰もが大災害の被災者になる可能性があると広く認識されているとはいえ、日々社会の中で3.11の記憶は薄らいでいるように感じられます。その中でどれくらいの方が私たちの上映企画やアーカイブ事業に関心を寄せてくださるか不安でしたが、今年度も多くの方々が上映会に参加下さいました。やはり記録映像が喚起する力、特に記憶の呼び戻しやその継承に果たす役割は大きいと実感しています。また調査を続ける中で、数は減ったとはいえいまだ関連の記録映画・ドキュメンタリーが各地で作られ続けていること、また被災地で長期にわたり粘り強く記録し続けている作家がいるという事実にも触れ、心強く感じました。今後はやはりこうした作品群の存在を広く知っていただき、上映機会をいかに高めていけるか、またこれらの作品を完全な形でいかに将来に残していけるかを、それぞれの回路で地道に考えていく必要があることを強く実感しています。今年度ご支援いただいた助成元の皆様のお力添えのもと、同様のアーカイブ活動を行なっているせんだいメディアテークや国立国会図書館など他関連機関とさらに情報交換し連携を深めながら、映像を見て震災、来るべき大災害などについて話し合うことのできる場、映像記録を確実に史料として残していける場を永続的に確保していくことが当事業の使命であると改めて感じました。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2017 震災特集プログラム「ともにある Cinema with Us 2017」

活動期間2017年 7月 1日 ~ 2017年 10月 19日

活動をしてみて

今回の「ともにある2017」では、テレビドキュメンタリーの製作現場や、海外の映像アーカイブの取り組み紹介といった、これまでより視野の広いプログラムを組むことができた。これは本プログラムのコーディネーターである小川直人氏、藤岡朝子氏お二人が日頃の活動の中で培った知見と人脈の賜物であり、また、このSOMPOアート・ファンドによる多額の助成があって初めて実現したプログラムである。心から感謝申し上げたい。
 本プログラムはこの先も継続することを目指しているが、各所からのご支援を得ながら、何とか今回のような質の高い上映・ディスカッションプログラムを維持し、震災復興における映像の果たす役割を最大限開拓していきたい。当映画祭の使命の一つに、ドキュメンタリー映画を通して世界のさまざまな苦境にある人々の姿を参加者と共有することにあるが、大震災という歴史的惨事を語り伝えるために、忘却に抗う機会を作り、新たな映画製作を支援する仕組みを、引き続き地道に考えていきたいと考えている。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2017 震災特集プログラム「ともにある Cinema with Us 2017」

活動期間2017年 7月 17日 ~ 2018年 3月 30日

活動をしてみて

映画祭での新作の震災記録映画の上映は今回6本となり、前回(2015年)前々回(2013年)に比べ数としては少ないが、被災家族の思い、動物との暮らし、コミュニティの再生、震災に対する芸術家の思いなど、多様なテーマをもつ完成度の高い作品を上映し、国内の関心の高い観客や、世界各国から来ていた映画配給・興行関係者に紹介することができた。その結果、これらのうちの数本が、2018年3〜4月にドイツやベルギーなどで上映された。質疑応答とディスカッションプログラムでもそれぞれ活発な意見交換がなされ、招聘した6名の監督は映画祭後、揃って「映画祭に参加し観客から作品の内容について多くのフィードバックを得られたことで、今後の製作の刺激になった」という感想を寄せてくれた。作る側、見る側双方に多くの収穫をもたらすプログラムとすることができた。
また今回のプログラムでは特に、これまで検討しながら様々な理由で果たせなかった二つのテーマについてのディスカッションプログラムを組むことができた。一つは震災に関するテレビドキュメンタリーの製作現場とその今後の展望についてのディスカッションである。映画よりも身近な日常にあるテレビ映像の影響力の大きさはこれまでも多方面で指摘され、当映画祭でも早々に取り上げるべきテーマとなっていた。日々現場で様々な制約と闘いながら視聴者に向けて映像を発信しているテレビ業界の作り手を招き、そのお話を聞くことで、テレビと映画の根本的な違いやそれぞれの限界、地方局の現場の実際を知り、また世にあふれる映像を視聴者としてどう見ていくべきか、といった諸問題について、具体的な問題として参加者と共有することができた。
 もう一つは、海外の映像アーカイブとの連携プログラムの実現である。国際映画祭のプログラムの一つとして開催し続けて来たこの「ともにある」だが、これまでは上映もディスカッションもほぼ国内の事象にのみ視点が留まっていた。今回は「映像アーカイブと教育」をキーワードに、大規模災厄の実態と人々の経験について、それを知らない若い世代に伝えるためにさまざまな工夫を行なっているカンボジアでの取り組みを紹介し、そこから学ぶプログラムとなった。特にスマートフォンアプリ導入の事例など、デジタル文化が普及した現代の社会状況に即した、より具体的な記録映像の保存・活用のための工夫や映画製作支援の方法を、会場の参加者とともに知ることができた。
またこのフィルムアーカイブ企画に関連して行なった2018年3月の特別上映会「震災と『地域映画』の未来」では、古い8ミリホームムービーを発掘し、その上映を通して住民同士で地域の記憶を守り、共有する三好大輔監督の「地域映画」の試みを紹介した。当日は21歳の被災地出身の学生から地元の70代まで、幅広い層の22名の観客が参加した。昔の映像や音声を見聞きし、その内容についての記憶を辿り、その詳細を若い世代とともに語り合うという、シンプルだが非常に濃密な経験が、地域の伝統文化・歴史を受け継いでいく上で重要な、世代間をつなぐ結節点の働きをすることを、三好監督のお話と作品を通して知ることができた。

飛生芸術祭2020「僕らは同じ夢をみる」

活動期間2020年 9月 5日 ~ 2020年 9月 22日

活動をしてみて

本年は新型コロナウイルスの影響があり、これまでで一番準備が難しい会となった。
アーティストが町内に滞在し、リサーチを繰り返しながら創作を行う企画が多いため、取材ができないこと(人と会えないこと)でギリギリまで作品内容を固めることができなかった。

会場に関しても当初予定していた会場が使用できなくなったり、オンラインでの実施を余儀なくされたが、運営側・アーティスト・地域住民・会場側が創意工夫を重ねて実現までこぎつけることができたのは大きな収穫であった。

町内で展開された「街の朝」は定員を3分の1まで減少し、客席を1m間隔で配置。
羊をめぐる冒険は定員7名という、ある意味ではとても贅沢な上演となった。

主催側にとっては困難の連続であり、来場者にとってもリスクが生じる芸術祭となったが、では中止にすれば良かったかというとそんなことはなく、数値では測れない効果を随所で感じることができた。
2018年の北海道の台風・地震・ブラックアウトの時もそうであったが、困難な時期だからこそ心に余裕をもつことが大切であり、アートによって地域住民や来場者がひとときの安らぎを得ることができたことは、とても大切なことであったと今は思える。

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