長年の開催により、地域にアート圏を構築してきている。子ども世代に関しては、乳幼児の施設にて0歳から3歳児向けのワークショップを開催し、保護者とともに乳幼児の人型トロールの作品を制作した。小学校では数年授業の一環としてのワークショップ、鑑賞授業を実施している。学校が制作現場として開放されており、小学生がアーティストの制作過程を日常生活の中で見ることができ、また、アーティストとの交流が可能となっている。アートの考え方による物事の捉え方を学び、ワークショップでは実作を通した自己表現の場を提供することができた。ここ数年は、これらを体験して育ち、建築系や美術系の大学に進学した子供たちが、戻ってきて参加するケースが多く見受けられる。今年も大学院生(夜明けのトリ)がずっとトロールに出るために頑張ってきたとトロールに参加、見事なコンテンポラリーダンスを披露した。また地域の町内会の回覧板で企画案内を回すといった協力を得られ、普段アートに関心がなかった高齢者も多く来場し、週末の音楽の芸術性や楽しさを感じてもらうことができた。
国際的な面としては、今年は、メキシコからのロックバンドが参加した。西荻のライブハウスでの参加を希望し、自らの応募で参加につながった。SNS等で国際的な参加者が増える可能性も感じられた。
また、風や周辺の空気の変化に応じてAI生成が風の詩を作り出す作品「KARRAGE INC」、東京の自然に住まう動物のシルエットを模した「動物の扉」、西荻ことビルにてフェイク映画祭など、現代アートとしても質の高い企画が並び、アートファンの要望にも応えた形となった。
(1)達成できたこと
コロナ禍以降、2回目の大阪城ホール開催となり、前述のように学校単位での参加が増えたことが大きな点です。昨年の課題でも挙げていたように、コロナ禍で激減した学校単位での参加をどのようにして増やしていくのか、という点がありました。この点を、大阪府教育委員会の協力のもと、多くの小中学校に参加の案内をさせて頂き、今回の形となりました。参加された学校や子ども達からも、感動の声がたくさん聞かれました。
(2)現状の課題
学校単位の参加校をもう少し増加させたいという点です。「踊りが好きな子」「得意な子」ばかりが集まって踊るのと、学校単位で、上手も下手もなく、全員が力を合わせて取り組む、というのは大きく異なります。どちらも大切ではありますが、特に後者が私たちの大きな目的の一つにありますので、引き続き、教育委員会と連携をし、学校へのアプローチを実施してまいります。
(3)今後の改善点
昨年よりも、全体の参加チーム数は減少しました。コロナ禍の影響で学校単位での参加が途絶えたということも大きな原因としてありますが、昨年初めて参加された複数のチームが継続して参加されなかったことも挙げられます。目的や理念として、学校園の子ども達の参加を増やすことも大切ですが、祭りとして、華やかさ、賑やかさなども意識的に盛り上げ、参加するだけでなく、見ているだけでも楽しめるような祭りづくりを行っていくことも改善点だと感じています。
(4)自己評価
今年も、多くのご協力者の皆様より、資金面、ボランティア面のお力添えをいただきました。25年にわたって、私たちのような小さなNPOが大阪城ホールという大きなホールで活動を継続できたことは、やはり「踊りを通した青少年健全育成」という理念を大切にしてきたからだと強く感じています。次年度以降も、引き続き、理念を大切に活動してまいります。
(5)「社会創造アーツファンド」採択によるメリット
毎回書かせていただいておりますが、今回も、特に企業にとっては、損金扱いにできるこの仕組みを使わせて頂くことが多く、心から感謝しています。そして、採択を頂けていることによって、活動の「社会的信用」にも大きくつながっています。
「若く才能ある声楽家の方々に、名古屋から世界に羽ばたく機会を提供したい」という思いで開催したコンクールでしたが、第1回にも関わらず40名以上の応募があり、当コンクールの意義を理解いただけたと感じたと共に、参加者の方からの期待度の高さを感じました。
オペラの本場であるイタリアで活躍されている一流の審査員に講評をもらえるという点も、参加者から大変好評でした。
第1回ということもあり、本選の進行にあたって多くの改善点が見つかりました。控え室にもタイムテーブルを貼る、出場者入れ替えの時間も含めてタイムスケジュールを組む、自由に声出しできる場を設ける、公式ピアニストの導線に無理がないよう審査順を決めるなど、次回開催の際に活かしたいと思います。
ご協賛をいただきました企業様、個人様は税制上の優遇が得られるということで、全ての方が企業メセナ協議会様を通じてのご協賛となりました。ありがとうございました。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」では、サントゥッツァの心情を歌った場面や、サントゥッツァとトゥリッドゥとの激しい二重唱が皆様に感動を与え、最後の「トゥリッドゥが死んだ!」の叫び声で、ルチアとサントゥッツァの悲壮感が舞台にたちこめ、心に響く舞台となりました。またソリストと共に総勢60名の合唱が美しく清らかなメロディーを奏で、更に壮大かつ迫力をもって舞台に響きわたる音楽をお届け出来たと感じております。
「道化師」では幕前のトニオ役による口上に加え、悲劇とコメディの対比等興味深くご覧頂けたと思います。トニオが座長の妻をしつこく口説いたり、逢引きを見たカニオがネッダを激しく問い詰めたり、カニオが芝居と現実の区別がつかなくなり絶叫したり、最後はカニオがネッダの胸を刺し、客席から駆け寄ったシルヴィオも刺してしまうなど、感情が溢れる出る舞台となりました。
ご来場者の方々からは、「魂を揺さぶる歌声で感動しました。」「感動して涙が出ました。」「迫力満点。圧巻の演技。」「迫真の演技素晴らしかったです。」「愛憎劇、母への思慕が物語として極端に感じられ、イタリア人の気質を色々と想像しました。」「今まで見た中で一番泣いたパリアッチョ。ヴェリズモオペラは面白いと感じられた舞台でした。」「人間性溢れる物語で圧倒されました。」等々のお声を頂きました。
今回は舞台装置のみの公演で、悲劇(カヴァレリア・ルスティカーナ)とコメディ(道化師)という変化をつけたことで写実オペラをよりお楽しみ頂けた思います。
児童合唱・児童助演の子供達は今回の経験を通し音楽の楽しさをより一層感じた様で、公演が終わるのを残念がってました。
今回、若い世代にオペラに興味を持って頂きたいと考え、大阪・兵庫・奈良で音楽を学んでいる高校生を招きました。今後も引き続き範囲も広げて高校生を招待して行くことで、オペラや他の音楽に興味を持って頂き、文化芸術の普及に繋げて参りたいと考えます。
活動をしてみて
能登の祭りや文化、歴史を次世代へつなぐことを復興の足掛かりとし、文化、芸能、音楽などのイベントを企画実施していくことで、次世代を担うこどもたちが故郷に誇りを持ち、能登の未来を切り開く一助となることを目的として、音楽家・映像作家などと協力して実施した。
全国的なネットワークを構築し、ファシリテーターを募り、募金箱を全国各地に設置するとともに、ご寄付を募り資金を調達し、七尾市教育委員会と連携して市内2中学校にてトーク&コンサートを開催し、うち一校に情操教育に活用してもらうための募金を贈呈した。
ビデオメッセージから、演者と能登とのかかわり・印象、そして能登半島地震により被災後の遺産(文化・伝統)を伺い、自分達の生活している場を見直し、受け継いでほしいとの応援メッセージがあり、支えられていることを実感できた。
基調講演では、音楽が持つ力を借りれば、①音楽で気分を盛り上げることができ、②音楽で体を癒し、③音楽で気持ちを落ち着かすことができ、身近な音楽の力を知ることができた。
コンサートでは、能登のふるさと・祭りの映像(歌詞付)を制作して大型スクリーンをバックに、能登の自然や人柄を歌い、演奏とのコラボレーションが実現させ、能登の自然を生かし、人々のやさしさと支えあうことの大切さを伝える機会を設けることができた。
能登半島地震で被災した人々の気持ちに寄り添う思いで制作した復興支援ソング「能登の翼」で、被災者の気持ちに寄り添い励ます活動を今後も広めていきたい。