「音楽と AI」という国境を越えるテーマが世界中からの関心を呼び、国際交流の場として機能し、また、テクノロジー・クリエイティブ・エンターテインメントを繋ぐもので、参加者のモチベーションを高めるものとなりました。
メインパートナー・チャレンジパートナー・コミュニティパートナーが連携し、技術支援・設備・交流機会を提供。参加者が安心して創作に集中できる環境が整備されました。
そして何より、奈良の玉蔵院の環境が、集中とリラックスを両立させ、また護摩などを経験したことによりクリエイティビティを刺激しました。
参加者・チームの成果ですが、アイデア創出数、プロトタイプ数ともに予定を上回り、音楽生成・音響分析・AIアシストの各分野で、多様なアプローチが生まれました。
チーム間・参加者間のネットワーキングが活発で、ハッカソン終了後も協業継続の意向が複数聞かれています。
参加者アンケートでは「非常に満足」という回答が高率を占め、「次回もぜひ参加したい」「テーマ・運営ともに優れていた」との声が多数寄せられました。
パートナー企業・主催側からも「想定以上の成果・反響を得た」「次回開催や継続プログラム化を検討したい」との声が出ています。
【課題】
• 大変魅力的なロケーションでしたが、ネット環境に問題が発生し、スター・リンクなどの用意の必要性を感じました。
• ハッカソン後のフォローアップ・継続支援プログラムがまだ十分に整備されておらず、成果のブラッシュアップ機会をさらに強化する必要を感じます。
• 日本でのハッカソンの知名度がまだ低く、日本国内での協賛金の取得が叶わなかったのが残念でした。(物品でのご協賛はいただきました。明和電機さま他)オーストリアでの助成金獲得を達成しました。
全く予算がないところからのスタートでしたので、予算が確保できるかが一番心配でした。
コンサートを成功させたい気持ちが強かったので予算が集まらなくてもなんとかしようと思う気持ちで準備しました。思いのほか助成金がいただけて、備品などの経費も予想外の出費はあったものの計画通りに出来たと思います。企業メセナ協議会の皆さんが丁寧に対応してくださったおかげであまり不安はなく活動ができ本当に感謝しております。
コンサート当日は事前に運営の係などで打ち合わせしたため、進行は比較的スムーズに時間通りに進みました。同じ敷地内の別施設にてイベントが開催されていたため少し離れた場所に臨時駐車場を用意してあることを事前に周知させていただき対応し別イベントからの来場者があったのは有り難かったがたくさんある駐車場が埋まってしまい、観客からのアンケートにも「他のイベントと重なり駐車場が満車のため車が停められなくてコンサートに遅れてしまった」「駐車場大変でした」との声が挙げられイベントが重ならないようにするのが難しいと感じました。
「音楽教室」に参加した三宅中学校の生徒たちからは感想文が寄せられた。以下のような内容であった。
・「コントラバスのピッツィカートが印象的でした。(中略)『もう一度聞きたいな。』と思う程、元気をもらいました。」(1年生)
・「演奏しているときの迫力と奏でている時が美しくびっくりしました。」(1年生)
・「どの曲も聞いていてステキでした」(1年生)
・「演奏を聞いていて、都民交響楽団のみなさんが楽しく楽器を弾いたり指揮をしたりしていて、私たちまで楽しく、とても特別な時間となりました。」(2年生)
・「音楽教室で音楽を聴いた時、心にすごく響きました。」(2年生)
・「私が特に印象に残った曲は『ワルツィング・キャット』です。バイオリンで猫の鳴き声を表現していて、とてもかわいらしい曲でした。」(3年生)
児童・生徒たちは普段なじみのないクラシック音楽やオーケストラの実演の魅力を存分に感じ、非常に感動し、オーケストラへの興味を持ってもらうことができたと考える。
一般向けコンサートに来場した観客からのアンケート結果は、以下のような内容であった。
・「参加してみて50人くらいの大勢の方の迫力ある演奏でびっくりしました。本島ではこのような機会めったにありません。わざわざ遠い三宅まで、本島(原文ママ)にありがとうございました。」(90歳代)
・「三宅島に居ながらにしてすばらしい都民交響楽団の演奏が聴かれて夢みたいな気持ちでした。大変嬉しかったです。又、是非お願いします。」(80歳代)
・「指揮者の中城さんが、とても楽しそうに指揮をされていて、大変元気をいただきました。解説のおかげで45分の新世界がとても短く感じられ、楽しめました。第4楽章の迫力!!とても聴きごたえがありました。ありがとうございました。(午前中は愚息が式体験をさせていただきありがとうございました。なまいきな感想を申したようですが…(笑)大変嬉しそうに帰ってきました。指揮棒家宝にします!!」(注:「音楽教室」における指揮者体験者に対して、記念品として指揮棒を贈呈)
こうした反応を見る限り、普段オーケストラの生演奏を聴く機会がない三宅島の島民の方に実演のすばらしさを味わってもらう目的は達成されたと考える。
2022年9月より当財団の名を冠したホール、HalleRundeで公演を重ねております。
近隣地域からより地元の住民へのホールの認知もすすみ新しいお客さんも順調に増えてきています。
当面の目標である、毎回のコンサートの有料入場者100名を目指して現状約72名ですがさらに魅力的な公演をつづけていきたいと考えています。
寄附に関しては、内諾者含めて寄附を集めることが出来ず、寄附の集め方も考えねばならないと痛感しております。
活動をしてみて
<活動してみた所感>
ことさらドラマチックな物語を創作するのではなく、率直にこの作品に取り組んだことで、終演後、観客の方々からそれぞれの能登への思いをお聞かせいただけたのではないかと感じた。
当初の計画よりも能登を頻繁に訪れることができ、そこで目にした風景、出会った方々からお聞かせいただいたお話などが作品作りの過程で一人ひとりの表現の拠り所となったことが、好評につながった様に感じる。
今回の活動に対し、ご意見・感想をたくさんいただいた中でも能登で被災された方から終演後に「ありがとう」と言っていただいた事。また、県外からの観客からは「自身の地区ではもう能登の話題は全く聞かれなくなった。少し自分も働き掛けようと思う」と言っていただけたことなどは、今公演の成果といえるのではないかと考える。
頻繁に現地を訪ね、公費解体が徐々に進み更地が増えていることを踏まえ、舞台空間を作り込まない、何も置かない判断をしたことにより、観客に「今の能登」を想起してもらえたと考える。
<反省点>
企画当初の観客動員数を下回ってしまった。さらに多くの動員を目指し、さらに広報活動などに尽力しなければならないと感じている。
活動目的としては、震災の影響を受けなかった被災者以外の人々に、「この震災のことを忘れないで能登に心を寄せてもらいたい」との思いから、今回の作品を制作したが、被災し、今は金沢市や近隣市町村で生活されている方々をご招待し、率直な感想、ご意見などを聞かせていただければ、なお良かったのではと感じた。
<今後の展望>
被災地の復旧・復興はやがて2年を経ようとしている今もまだ道半ばですが、片付け作業で入るボランティアの数は減っていると聞いています。また、人口流出も増加しています。一日も早く穏やかな元の暮らしが取り戻せ、外から多くの人が訪れ、元の賑わいが戻ってくることを願い、来年度以降もこの活動を継続し、その上で経済的な問題がクリアできるなら、県外公演も視野に入れて活動したいと考えている。
<制度を利用した感想>
今回の作品において結果的には、照明、音響の外部借り入れ機材は殆どなく、また舞台上を更地と見立てたことなどにより、申請当初の制作費見積もりを下回った支出額となったが、事業を採択していただけたこと、決定してすぐに入金いただけたことにより、活動するにあたり経済的な不安が減り、作品づくりに向き合うことができた。
今後も募集があれば、是非、応募したい。