<1.あしプロ練習会について>
6月の練習会に東京新聞「かながわ未来人」取材 https://www.tokyo-np.co.jp/article/334025
10月にテレビ朝日「未来につなぐエール」取材 https://www.tv-asahi.co.jp/mirai_yell/backnumber/0083/
これまで継続してきたことが外部からも見えるようになってきたようで、この2件の取材により、活動が広がり、練習会参加者や舞台への観客が増えた。
知的障害のある20~30代の若者たちは、支援から離れた場所でアートを通じた自己実現に挑戦することで、身の回りの荷物の整理整頓ができるようになったり、ほとんど喋らなかった方が毎回歌を発表したり、言葉の出にくかった方がSNSに書き込みをするようになるなど、積み重ねた体験によって成長している。「支援高校の修学旅行を最後に、友達との旅行はしたことがなかった」「予定の変更が苦手な子が、台風での延泊をむしろ喜んで乗り越えられた」「彼女が歌うのを両親も初めて聴きました」「言葉の出にくかった子が、あんなに積極的に一番に発表の手を上げるなんて胸熱」ご家族より。
大阪から毎月2名がオンライン参加するほか、体験券の発行により、グループホームで暮らす40代の方、中学生、支援高校生の参加もあり、参加層がじわじわ広がっている。初めて行ってみた交流会では、知らない人が苦手な方も、環境を整えることで安心して発表を行えて、応援者と交流できた。参加者にとってとても大切な活動場所となっている。
<2.アウトリーチについて>
アウトリーチはあしプロメッセンジャーが出演者としてのキャリアを積む機会となっている。福祉施設イベントではあしプロメッセンジャーの友人や支援者も訪れ、重度心身障害の方も含むイベント参加者全員が楽しんでいた。また、学校へのアウトリーチでは、今年は普通級実施で交流級の生徒参加は1名のみの参加だったが多様な国籍につながる生徒がおり、黒人差別の歴史から共有し「人と違うことを楽しむ」というテーマでタップダンス表現を楽しみ、その後チームとなってオリジナルダンスを作り上げ、のちにご家族を招いた発表を行った。NPO法人未来をつかむスタディーズさんとの協働も二年目となり、学校現場での謝金の薄さは双方において課題と感じている。内容へのダンピングではなく、財源が限られる中で開催希望が多いために1件あたりの謝金が薄くなっているとのこと。
また、東京都内のさまざまな教育関係者の方からご依頼をいただくなど、活動認知が広がっている。
<3.自主公演について>
年度はじめの4月にマグカルシアターで新作「VISION」の発表を行い、神奈川県内では初の試みとして現地出演者を加えたことは非常に意義深いことだった。一般の大人の現地出演者が交わることで、一般参加者が子供や若者のときには起こらない表現スタイルとなった。知的障害のある出演者が一般の大人にいかに気を使いどのように振る舞うのか、これが社会で起きている「目に見えない薄いバリア」を象徴している事が大きな学びとなり、12月YPAM公演は現地出演者を交えない「VISION」「TO KNOW」連続上演とした。このことにより作品の意図は精度を増し、観客側の気づきも深まった。
「何かを伝える時に誤解の生まれない表現について、深く自らのことに引き寄せて考えながら観ていた。/横浜市内現代美術家より」
「とても気づきも多く、学びになった。今回初めて見たが、またぜひ見に来たい。/鎌倉市内小学校支援級教諭より」
「彼らはとても大人で、細やかに人との距離をとっている。そんなところがよく現れていた。横浜市内福祉職員より」
認知の広がりにより、メディアや学校、NPOからの取材や依頼が増えたのはとてもよかったが、協働への感謝とは裏腹に、関係性のある企業へさらなる金銭の寄付を募ることの難しさを感じました。
また、活動を支えてくれる人たちが、ボランティアで運営業務をしている状況は、今後改善していかないとならないと思っています。
この音楽祭企画は、プロの音楽界で注目されている地元郡山市や本県ゆかりの演奏家と国内外の演奏家が共演するクラシック音楽をメインにした国際音楽祭で、郡山市が楽都として成熟した音楽文化を醸成することを目指しています。
1年を通して音楽公演を開催し、さらに学校への訪問や病院への慰問公演を実施しています。
公演の内容も音楽祭の公式SNSで発信し、多くの方に活動を知っていただき、継続して開催できるように支援を求めております。
今回は初めて利用させていただき、寄付を望む方とのマッチングに活用させていただきました。
おかげさまでお金の流れもスムーズに運べました。
今後もぜひ活用させていただきたいと考えております。
また、企業メセナ協議会自体の知名度がさらにアップし、事業自体に寄付申し込みがくるような広報展開も望んでいます。
現代芸術分野のアーティストを国内外から招聘し、滞在中の創作活動を支援する活動「アーティスト・イン・レジデンスプログラム」、ワークショップやレクチャーを行う「ラーニングプログラム」を展開し、アーティストと交流し、楽しみながら芸術活動を体験できる機会を提供するとともに、魅力ある地域づくりを推進した。
レジデンスプログラムにおいては、海外のアーティスト2組及び日本国内のアーティスト1組に対して、当実行委員会は、調査・制作に対するサポートと創作活動費、生活費等を提供し、制作に専念できる時間と環境を整え、アーティストの制作活動を支援した。参加アーティストらは、自身の制作テーマに合わせてインタビューやフィールドワークを含む調査を実施し、オープンスタジオで成果発表を行った。3組は日本の文化や社会状況、歴史や地域性に強い関心を持ち、理解を深めていった。このことから、成果発表の機会となる報告会では、来場者に対して、アーティストの活動を通じて、日本の歴史や地域社会における人的・物的資源の再発見を促すことが出来た。また、招聘アーティストに対しては、日本のキュレーターとの意見交換の機会を設け、招聘アーティストが国内外において今後、滞在や制作を継続的に行うためのネットワーク形成に寄与した。
ラーニングプログラムでは、アーティストの日比野克彦によるワークショップを開催し、地域住民に制作体験を提供し、地域住民がより身近にアートを感じることのできる環境づくりを行った。レクチャー・シリーズのアートカレッジは、現代アートと社会の関係をわかりやすく読み解く機会を創出した。
これらの活動から、アーティスト育成に寄与するとともに、あらゆる世代の地域の人々へ現代芸術にふれる機会を提供することができた。
一年がかりでこのコンサートを企画、実現でき、特別な環境(お寺の本堂)でのコンサートということが、成功の大きな要因だと思いました。お線香の香りが満ち、しつらえが美しく、響きが綺麗でお客様は身近に音、技術、声を体験し、別世界に誘導されたのではないかと思います。本堂を貸してくださった密蔵院様に感謝申し上げます。
若手の邦楽器演奏家達。このところの活躍は目覚ましく、その活動場所は世界に広がっています。この3名は古典もしっかり演奏でき、その上に新しい現代音楽のジャンルに挑戦し活動の幅を広げています。その片鱗を存分に披露してくれて、お客様たちに大きな刺激を与えてくれたのでないかと思います。本プログラムに加えてもっと身近に楽しんでいただくため30名限定「学和座」を開催しました。みなさまからの活発な質疑応答でうなづく事ばかり。非常に充実した時だったと思います。
質に拘り続けている音和座実行委員会の活動も、企業メセナ協議会のご協力などでなんとか保てており、今後も続けていきたいと思っております。
活動をしてみて
設立からの10年間密に関わってきたアーティストたちが共演した時に生まれる音楽の自由さや一体感の特別さを、演奏家達だけでなくお客様までが感じて下さり、シリーズ全4回、公開リハ・本番ともに事前完売となった。
芸術監督の大山が設立以来「若手」たちに伝えてきた音楽づくりの在り方が、今や中堅となったMDアーティストたちにしっかりと受け継がれており、彼らが中心となってさらに次の世代の若手に指導していたのが印象的であった。また上田晴子・竹澤恭子や大山平一郎というベテランと共演することで、MDアーティストたちも自らを軌道修正したり、さらに学び続ける必要性を感じた場面も多く見られた。
そのような理由からもMDアーティストたちがこのシリーズに出演したいという要望が多いため、4回という限定的なシリーズでは東京や京都で開催している室内楽塾で発掘した気鋭の若手に出演機会を提供することが難しく、今後のシーズン組立て、東京以外にも演奏場所を求めていくのかなども含め、今後検討予定である。
7月の回では設立以来初めて、MDアーティスト11名が中心となった弦楽アンサンブルを演奏したのが大好評であったことを受け、25年度以降もなんとか毎年1回これを継続していくという、新たな展開につながった。