子守唄をテーマにしたイベントでどこまで盛り上がるか不安はあったが、松原健之さん、大地あきおさんら現役プロ歌手の集客力に加え、地元メディアに取り上げられたこともあり、多くの方に足を運んでいただいた。
松永伍一氏の顕彰と子守唄のアピールという所期の目標についてはある程度達成できたと感じる一方で、子守唄を次世代へ継承していくという大きな目標については、今回だけでの達成は難しく、今後も継続的な活動が必要であると感じた。
コロナ禍以後のシリーズ再開以来、徐々に出席者数は上向いてきてはいるものの、未だ開催者側と出席者側の双方に人の集まりへの懸念や慎重さが存在しているように感じる。チケット収入と寄付や協賛金など増やして行く努力を続けたいが、物価の高騰や不安定な社会状況もあり中々難しいものがある。ただ、一年に2回(春・秋の開催)にしかお会いできないにも拘らず、必ず続けてご出席くださる常連のお客様たちの当シリーズに向ける温かい思い入れのお心に励まされ、後押しを頂きながら開催できることに感謝の念でいっぱいである。終演後のレセプションを開いて一層のお客様との交流を図りたい思いが強いが、あまり長居せず急ぎ帰路に付かれる方々もおられる。残ってくださるお客様たちとお話しする機会を持て、新たに若い年代の聴衆も少しずつではあるが増えて来ていることを実感している。「友人に誘われて初めて来てみたけれど、とても楽しいコンサートでした。是非に次回も伺いたいと思います」という お言葉に勇気づけられた。「選曲される曲目の数々が本当に素敵で心が洗われるようでした。大津純子さんの心配りを感じます」「美しいメロディーに聴き入り時間が経つのを忘れた・・・」 「お話が楽しく、演奏から伝わってくる大津さんのチャーミングなお人柄に魅了された」などなど。<その35>のお客様からの感想では、「日頃あまり芸術に縁のない日々なので、直に演奏に触れて感激した。」「久しぶりのクラシック音楽に感動した」「コンサートを夫と共に楽しみ、心が温まりました。ロベルト・シューマンと妻クララの強い絆、ブラームスとの深い友情の音楽を夫婦で体感することが出来て とても幸せな気持ちになりました」「私はクラシック音楽や歴史に疎いので(大津純子さんと)お話しさせて頂くのは恥ずかしいですが、もし次回にそのお時間を頂ければ大変嬉しいです」「プログラムに大津純子さんが書いておられた『人としての尊厳』の文章に僭越ながら共感し、芸術や文化を大切な人達と分かち合う平和な世界を世代を超えてつなげるは私達だと改めて感じました。」こういった ご感想の数々を噛み締めながら、改めて音楽の持つ「包容力」の大きさに感じ入っている。今後のプログラミングに役立てていきたい。
<心のコンサート その29>より始めた、日曜日午後3時半の開演時間は総体的に好評であったが、<その35>では秋口の日の入りが早いため終演後の明るい時間帯に帰宅されることができるように午後3時開演と時間を30分繰り上げたが快く受け入れられた。また、演奏の余韻を楽しみながら友人たちと代官山ヒルサイド近辺を散策したり、近隣レストランにて早めの夕食を楽しむ事ができる・・・といった好意的なフィードバックを頂いている。
「心のコンサートシリーズ」開始当初より長い年月に亘りスタッフとして協力・尽力してくれている友人たち全員が心ひとつに開催準備に邁進してくれたことが今回の成功の何よりの大きな力となった。関係者一同に心より感謝を捧げたい。
本事業では大阪市中央公会堂と東京文化会館で定期演奏会をそれぞれ2公演実施した。第317回以外は指揮者延原武春の急病に伴う休演があったものの、首席客演コンサートマスターのU.ブンディース氏やソロ・コンサートマスターの浅井咲乃による弾き振りにより、遜色のない演奏の内容となった。いずれの公演もバロック時代の仕様の楽器を使った本格的な公演であり、来場者からのアンケートや直接のご意見での満足度も高かった。大阪公演では公演内容に合わせた会場でのグラスワインの販売もあり、会場の雰囲気は以前よりも活気が出てきている。
当協会の取り組みはポピュラー音楽のように興行として成立させることが難しいため、このような形でご寄付を頂きながら活動が継続できることは大変ありがたいことであると感じている。
意欲的なプログラムで臨んだシーズン・オープニングの第174回定期演奏会。パシフィックフィルハーモニア東京の音楽監督4期目となる飯森範親との緊密なアンサンブルで、当楽団が取り組みを続けてきたものを未来へ続けていくことの気持ちを新たにしたコンサートとなりました。
華麗なモーツァルトの「パリ」交響曲で幕を開けた本公演では、瑞々しくダイナミックなオーケストラの調べで聴衆の心を掴みました。前半2曲目には、ウィーン交響楽団の首席奏者も務めた韓国出身のフルーティスト、ジャスミン・チェイを招いてのメンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(フルート版)。チェイ自身によるヴィルトゥオージックな編曲が、世界中で愛されるこの佳品に新たな風を吹き込みました。彼女の持ち味である煌びやかな音色が超絶技巧と相まって、会場のボルテージは最高潮に。その圧倒的なパフォーマンスと高いエネルギーを保ったオーケストラとの共演は名演となりました。
後半はフェルディナント・リースの交響曲第3番。ベートーヴェンゆかりのリースは近年評価が高まっている作曲家で、パシフィックフィルハーモニア東京ではリースの交響曲第1番、第2番と日本初演を続け、本公演はそれに続く第3交響曲の日本初演となりました。古典派とロマン派の移行期に作曲されたこのシンフォニーが現代に蘇り、広く日本のクラシック音楽ファンの皆様にお聴きいただけたことは当楽団の演奏活動における大きな一歩となりました。
本公演で知られざる作品の発掘とその真価を発信するという目標は、多くの法人・個人の皆様方からご支援があってこそ達成できたものと実感しております。ご寄付をいただきました皆様、企業メセナ協議会様に深く感謝申し上げます。
活動をしてみて
総参加者数は638名となり、地域住民を中心とする観客層が大半を占め、遠方からの参加も見られました。
2025年度は、ヴェルディのレクイエムの全曲演奏は大変好評でした。チケットは公演の約1ヶ月前には完売となり満席公演となりました。本年のコンサートが大好評だったので、来年度の観客動員数も期待ができます。
今年度も無料の公開リハーサルを実施して、メインプログラムのリハーサルの様子を披露。チケットが購入出来なかった方や、小さなお子様がいてなかなかクラシックのコンサートの場に出向けないファミリー層、次世代の若者や部活生、障害のある方たちが来場し、本番さながらの迫力ある演奏を楽しみ、本格的なクラシックコンサートに興味を持つ機会を提供することが出来ました。
音楽祭を通じて地域住民が誰でも参加できる世代間交流(10代~90代)を深化させた「音楽の学びの場」として機能しつつ、さらに専門家と提携することで『充実した生涯学習の場』の実現に寄与して行きたいと思います。