行政の助成金事業をメインとしていますが、公的にどこまで意味を持たせることができるのかというPRに苦心し、想定していた寄付金は集めることができませんでしたが、今回の経験を踏まえ、関心のある方々からの資金援助に向けてのマネジメント体制を再構築していきます。
また、実施したイベント自体は好意的に受け入れていただいており、今後も継続的な実施を目指していきたいと思います。
能登の祭りや文化、歴史を次世代へつなぐことを復興の足掛かりとし、文化、芸能、音楽などのイベントを企画実施していくことで、次世代を担うこどもたちが故郷に誇りを持ち、能登の未来を切り開く一助となることを目的として、音楽家・映像作家などと協力して実施した。
全国的なネットワークを構築し、ファシリテーターを募り、募金箱を全国各地に設置するとともに、ご寄付を募り資金を調達し、七尾市教育委員会と連携して市内2中学校にてトーク&コンサートを開催し、うち一校に情操教育に活用してもらうための募金を贈呈した。
ビデオメッセージから、演者と能登とのかかわり・印象、そして能登半島地震により被災後の遺産(文化・伝統)を伺い、自分達の生活している場を見直し、受け継いでほしいとの応援メッセージがあり、支えられていることを実感できた。
基調講演では、音楽が持つ力を借りれば、①音楽で気分を盛り上げることができ、②音楽で体を癒し、③音楽で気持ちを落ち着かすことができ、身近な音楽の力を知ることができた。
コンサートでは、能登のふるさと・祭りの映像(歌詞付)を制作して大型スクリーンをバックに、能登の自然や人柄を歌い、演奏とのコラボレーションが実現させ、能登の自然を生かし、人々のやさしさと支えあうことの大切さを伝える機会を設けることができた。
能登半島地震で被災した人々の気持ちに寄り添う思いで制作した復興支援ソング「能登の翼」で、被災者の気持ちに寄り添い励ます活動を今後も広めていきたい。
長年の開催により、地域にアート圏を構築してきている。子ども世代に関しては、乳幼児の施設にて0歳から3歳児向けのワークショップを開催し、保護者とともに乳幼児の人型トロールの作品を制作した。小学校では数年授業の一環としてのワークショップ、鑑賞授業を実施している。学校が制作現場として開放されており、小学生がアーティストの制作過程を日常生活の中で見ることができ、また、アーティストとの交流が可能となっている。アートの考え方による物事の捉え方を学び、ワークショップでは実作を通した自己表現の場を提供することができた。ここ数年は、これらを体験して育ち、建築系や美術系の大学に進学した子供たちが、戻ってきて参加するケースが多く見受けられる。今年も大学院生(夜明けのトリ)がずっとトロールに出るために頑張ってきたとトロールに参加、見事なコンテンポラリーダンスを披露した。また地域の町内会の回覧板で企画案内を回すといった協力を得られ、普段アートに関心がなかった高齢者も多く来場し、週末の音楽の芸術性や楽しさを感じてもらうことができた。
国際的な面としては、今年は、メキシコからのロックバンドが参加した。西荻のライブハウスでの参加を希望し、自らの応募で参加につながった。SNS等で国際的な参加者が増える可能性も感じられた。
また、風や周辺の空気の変化に応じてAI生成が風の詩を作り出す作品「KARRAGE INC」、東京の自然に住まう動物のシルエットを模した「動物の扉」、西荻ことビルにてフェイク映画祭など、現代アートとしても質の高い企画が並び、アートファンの要望にも応えた形となった。
(1)達成できたこと
コロナ禍以降、2回目の大阪城ホール開催となり、前述のように学校単位での参加が増えたことが大きな点です。昨年の課題でも挙げていたように、コロナ禍で激減した学校単位での参加をどのようにして増やしていくのか、という点がありました。この点を、大阪府教育委員会の協力のもと、多くの小中学校に参加の案内をさせて頂き、今回の形となりました。参加された学校や子ども達からも、感動の声がたくさん聞かれました。
(2)現状の課題
学校単位の参加校をもう少し増加させたいという点です。「踊りが好きな子」「得意な子」ばかりが集まって踊るのと、学校単位で、上手も下手もなく、全員が力を合わせて取り組む、というのは大きく異なります。どちらも大切ではありますが、特に後者が私たちの大きな目的の一つにありますので、引き続き、教育委員会と連携をし、学校へのアプローチを実施してまいります。
(3)今後の改善点
昨年よりも、全体の参加チーム数は減少しました。コロナ禍の影響で学校単位での参加が途絶えたということも大きな原因としてありますが、昨年初めて参加された複数のチームが継続して参加されなかったことも挙げられます。目的や理念として、学校園の子ども達の参加を増やすことも大切ですが、祭りとして、華やかさ、賑やかさなども意識的に盛り上げ、参加するだけでなく、見ているだけでも楽しめるような祭りづくりを行っていくことも改善点だと感じています。
(4)自己評価
今年も、多くのご協力者の皆様より、資金面、ボランティア面のお力添えをいただきました。25年にわたって、私たちのような小さなNPOが大阪城ホールという大きなホールで活動を継続できたことは、やはり「踊りを通した青少年健全育成」という理念を大切にしてきたからだと強く感じています。次年度以降も、引き続き、理念を大切に活動してまいります。
(5)「社会創造アーツファンド」採択によるメリット
毎回書かせていただいておりますが、今回も、特に企業にとっては、損金扱いにできるこの仕組みを使わせて頂くことが多く、心から感謝しています。そして、採択を頂けていることによって、活動の「社会的信用」にも大きくつながっています。
活動をしてみて
「古典音楽から現代音楽まで」の当楽団2024年度定期演奏会(全10回)コンセプトを現在までに広げた第170回定期演奏会を提案し、アメリカのキャロライン・ショウの日本初演作品、フランスの作曲家プーランクの2人のピアニストによる作品、旧ソ連のショスタコーヴィチの交響曲と、近現代2人、現在1人の作曲家の作品をお聴きいただきました。
ブラームスやチャイコフスキーなどのロマン派音楽と違って耳にする機会の少ない近現代・現在曲のすばらしさを聴衆の皆様に堪能していただき、少しでも支持者が増えること、社会的にも広まることに貢献することが活動の主旨であり目的、目標でしたが、ご来場の聴衆の皆様からの高支持と評論家の皆様からの好評価を頂き、また何よりも、この当楽団の意欲的な事業に対して多くの法人、個人の皆様から寄付金が寄せられ、本事業の意義と成果は大きなものがあったと確信しました。そして、更なる飛躍の糧となりましたこと、ご寄付をいただきました皆様、企業メセナ協議会様に感謝を申し上げます。