様々な企業、法人等に、本活動への寄付を打診したものの、結果としては1件のみの寄付となった。一方で、企業メセナ協議会を通じて寄付を集めることにより寄付金控除の対象となることから、低額ながら個人の寄付を集めることができた。
現在の東京における小劇場演劇では、単体の劇団がメセナを活用することへの認知度や活用事例が少ない傾向にある。文化庁や自治体等の助成金に依存する現在の状況から、よりアーティストや作品が自立し、社会の中での存在意義を確立するためには、民間企業や法人、個人による寄付が積極的に活用されていくことが、今後の課題としてあると感じた。
五稜郭公園一橋広場および函館市芸術ホールを会場とした市民創作函館野外劇 第36回公演「星の城、明日に輝け」を,2021年より新型コロナ感染防止対策として五稜郭公園夜公演より五稜郭公園昼公演及び観客密集を避ける為、函館市芸術ホール(700座席)で実施してきたがお客様アンケートの結果、年配者の昼観劇・冷房が効いた芸術ホール観劇・観光で五稜郭に来られた観光客の観劇なども有り昼公演を中心に今後も実施していきたい。今年も児童養護施設・児童自立支援施設などの子ども達にも観劇による歴史学習の場として提供し又、小・中・高校生や大学生に対してはボランティア活動参画の場として函館野外劇を提供出来た。
障がい者の反応はとてもよく、生の音楽を聴き、間近に楽器を見て、会場の雰囲気を体で感じている様子がよくわかった。それぞれの受け取り方で音楽を楽しみ、感じたことを表現していた。体を揺らす、手拍子を打つ、リズムをとる、踊る、弾く真似をする、じっと見つめる、楽器をのぞき込む、涙を流す、大声で歌う飛び跳ねる等様々でその反応は素直で直接的だった。
すべての公演で保護者、職員の方々から高評価をいただいた。保護者や職員の方にとっても新たな発見が多くあったようだ。日常生活で生の音楽を聴く機会(コンサート等)を持つことは難しい。途中で騒がないか、大声を出さないか、まわりに迷惑をかけないか、会場までたどり着けるか等不安材料が沢山あるからだ。生の音楽を聴いてどんな反応があるのか、保護者や職員の方にとっても新たな発見が沢山さんあったようだ。日常生活で色々なジャンルの音楽を聴くきっかけになるのと思う。
コンサートは時間を厳守し、休憩時間をとる予定にしていたが、出入り自由にしたことで特別に休憩を設ける必要がないことが分かった。 プログラムは、リラックスできるよう静かな曲で落ち着いて始まるようにし、アップテンポの曲、リズミカルな曲、季節にあった曲、皆が知っている曲などを盛り込みながら、終演に向かってクールダウンできるように配慮した。一部ポピュラーも取り入れて飽きないように考慮した。通常の方法でのコミュニケーションが難しい障がい者が生の音楽に接することにより五感を体得し、刺激を得てコミュニケーションできて障がい者のWell Beingにつながることが最大の成果であった。
昨年のちょうど今頃(1月下旬)、五嶋みどり本人から、11月中旬に、能登半島地震の被災地で、音楽をたしなむ者として、復興の足手まといにならないような、押し付けでない小コンサートが出来ないものだろうか、と相談を受けました。
音楽家の出来ることは音楽を届けることしかなく、また、音楽を届けられるのは音楽家しかできないと自負いたしまして、11月に公演可能な2か所でのホープ・コンサートと施設・病院訪問演奏を計画し、早速、石川県のいくつかのホールに超非常識な予約について電話をしたり、スケジュールや予算について考え始めました。しかしながら復興は思うように進まず、大まかな会場候補が見つかったのは8月に入ってからでした。
復興の道のりが遠い能登半島地震の被災地において、心に深い傷を負い、将来への設計に苦慮される日常を送られている多くの方々、日夜復興支援に従事しておられる方々の近距離に設定された会場で、本物の音楽に癒されるひと時を共有する機会として企画されたホープ・コンサート。かけがえのないものを失った方々の心に五嶋みどりと藤田真央が奏でる音楽が寄り添い、交通手段や宿泊施設などの復興が十分でないにもかかわらず遠方からご来場下さった方々とともに心が一つになり、明日への希望、復興に立ち向かう心の支えになったと確信いたします。
同時に、五嶋みどりが藤田真央と共演することにより、これまで五嶋が蓄積した社会貢献のあり方を後進に身をもって引導する機会にもなりました。
ここに、ホープ・コンサートを終えた五嶋みどりから発せられたメッセージを紹介します。
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輪島、七尾にお住いの方々、遠方からご来聴に駆け付けてくださった方々、汗をかきかき動き回ってくださったボランティアの方々、「頑張れよ」と私のお願いに二つ返事でご支援して下さったスポンサーの方々、お忙しいスケジュールにこのイヴェントの広報の収録に来て下さった方々、本当に有難うございました。
忌まわしい重なる災害も日に遠くなり、人間の強い意志が悲しみにどれだけ耐え、立ち向かえるか、今この時がまさに「Head Up」の時です。
不肖五嶋みどり/藤田真央の紡いだ一縷の音楽が少しでもその支えとなれば、幸いです。
2024年11月15日 五嶋みどり
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二人の演奏家に代わり、このたびのプロジェクトにご協賛・ご協力いただいた皆様に改めて感謝申し上げるとともに、五嶋みどりが提唱する「本物の音楽」の持つ力を信じ、今後も微力ながら彼女の活動を支援していきたいと存じます。
活動をしてみて
殆どの観客から絶賛の感想をいたただき、演奏者も全員が感動・感激を述べ、目的の日韓国交正常化60周年記念親善チェロコンサートの趣旨を十分に全うできました。
さらに韓国以外のベトナム・タイからの参加者もあり、アジアのチェリスト間での友好に大いに寄与しました。
謝金をお支払して演奏に参加してくださるプロチェリストの方々は演奏後に感想など殆ど述べられませんが、本コンサート終了後は多くのプロチェリストの方々から「参加してよかった」、「久々に演奏していて自分自身が感動した」と言うような感想を頂きました。
また、アマチュア参加者からはそれら以上にほぼ全員の参加者から「感動しました」、「参加してよかった」、「次があれば是非とも参加したい」といった肯定的な感想で溢れました。
収支は赤字となりましたが、観客・奏者、これだけ多くの人々に感動していただき、喜びを与えたことで、主催者冥利に尽き、悔いのないコンサートとさせていただくことが出来ました。