広島県の豊かな自然と伝統に育まれた文化の発掘、継承、育成を図るとともに、新たなひろしま文化の創造を目指し、喜びと感動を分かち合うことのできる県民の祭りとして、けんみん文化祭ひろしまを平成2年度から継続的に開催しています。今年度においても、多くの出演者に対し、日頃の成果の発表の場を提供し、また多くの来場者が文化芸術に触れ、親しむ機会を創出する等、県内の文化活動に大きく寄与できたと感じており、今後も継続していきたいと考えています。
いつも公演主催は骨が折れるが、取り組んで良かったとコンサート終了後すぐ毎回思う。
企業メセナ協議会を通しての税控除の寄付の資料と当協会の公演実績資料を持って、お世話になっている企業や、知り合いや出演者たちからご紹介をお願いしてつないでいただいた企業などへ、寄付のお願いをさせていただいたが、そのまま寄付、もしくは協賛をくださる方々が多くいらして支えていただいた。
文化芸術への協賛、寄付の文化が日本でももっとポピュラーになることを願っている。
代表である私が、新しいコンテンツに迷っていた時に、全盲である方から「私は、道に迷ったらとにかく進みます。迷ってても何も変わらないので。」と笑顔の一言があったからこそ、Art In The DARKというコンテンツを世に出すことができました。視覚障害者およびすべての障害者の方々は、一般的にはサービスや支援を「受ける側」です。しかし、「届ける側」=クリエイティブを発揮できる側にいてはだめなのでしょうか。ポテンシャルや興味はあるけれど、選択肢やきっかけがない、少ない当事者は大勢いるのではないでしょうか。 知人の公認心理士の方から、「人は、自分の過去の経験を繋いで目の前の物事を見ている」とコメントをもらったことがあります。今回の「全盲アーティスト」は、日常が物理的に見えていません。世界一明るい視覚障がい者である成澤さんは、目が見えていないことがとても幸せだとおっしゃられます。なぜならば、「情報、他者比較、恐れ、恥ずかしさを見なくてよいから。」らしいです。私たちは、日々の生活や仕事の中で何を見て何を感じているのでしょうか。ほとんどの場合、自分に都合の良いことばかりなのかもしれません。だからこそ、そのことを認識し、相互理解をしようとする姿勢が必要だと考えます。私たち、ソーシャルアート市場(いちば)は、直接それらの課題解決をすることではなく、関わる全ての人々の可能性と選択肢を広げる、気づける「きっかけ」創りを、今後も提供して参ります。
【一週目:第一部】
夏休み子ども演劇創作プログラム KIDS LAB “ゴーシュ”
「教える/教わる」の関係を離れ、子ども達が主体になって創作する場をガイドする役として、子ども達が対話を通して日常生活や創作活動時の自身の情感の変化を言語化・体表化するサポートすることができた。異年齢の子ども達が自分たちの感じたこと・思ったことを対話を重ねて創作していくなかで「今じぶんがやりたいこと」と「みんなでやりたいこと」のすれ違いを子ども達自身で落としどころをみつけていく場面が多々見受けられた。初めての試みではあったが参加したメンバーから来年もやらなかったらら怒るよという嬉しい言葉を貰った。
今後の課題としては、「演劇」× 「教育」のイメージを明確に打ち出しきれず、もともと「演劇」という分野に興味がある層の応募が多かった。「演劇」がメインではなく、創作を通じて対話をおこないながらの「自己受容・他者理解」をチラシからの情報からわかりやすく打ち出し、ニール教育に興味がある演劇が日常にない層にもとどけることを目指す。
本企画の一番の課題は、予想より集客ができず、大きな赤字を出してしまったことである。2週間企画で準備が忙しく、時間がなかったこともあり企業へのアプローチが十分に行えず、助成認定制度をうまく利用することができなかった。次回は予算とスケジューリングの見直しを徹底したい。
参考資料
●一宮周平によるPANCETTA LAB 2024 SUMMER “Gouche” 振り返りレポート
https://note.com/pnct/n/n5883bc630549?sub_rt=share_b
【二週目:第二部】
PANCETTA special performance "Gouche"
こどもの創作企画と公演企画を続けて上演することで、教育関係者や親子連れの新たな観客層へアプローチができた。また絵本作家のTuperatuperaとの協働企画ということで新たな広報先が広がった。今回は子どもだけでも大人だけでも楽しめるというコンセプトで打ち出したため親子優先席や座敷席などの用意や0歳から入場可能な仕組みをとった。今後も通常のパフォーマンスでも可能な限り今回の仕組みを取り入れつつ鑑賞の機会の創出をしていきたいと感じた。
集客面では課題が残った。演劇関係者への広報や周知の不足を感じた。他分野からの流入や今回のコンセプトであった親子への間口を広げるアプローチは行えたが、間口を広げる活動に注力したために通常のPANCETTAの観客層が来場していないという状況が起こった。次回以降の「子どももだけども大人だけでも」のコンセプトで作品を製作する場合は、本来のPANCETTAの作品と同質クオリティを担保していることを含めて従来のPANCETTA観客層へのアプローチも実施したい。
終演後に感想を音符に書いてもらい、五線譜に貼ってもらう試みは好評であった。次の回でその楽譜を音楽隊に演奏してもらうのは新しい試みであり、観客も楽しんでいる様子だった。
受け取るだけになりがちな観劇行為が、一方向だけではなく、観客も創作の一部となり、双方向でクリエーションをするという新たなチャレンジは今後も継続していきたいと思う。
ゴーシュの音符カードへのメッセージの記載結果
楽譜への貼付け(無地貼付け含む): 262/316
楽譜絵の貼付け及びメッセージ記入: 243/316
(イメージは報告画像3枚目をご覧ください)
参考資料
●一宮周平によるPANCETTA LAB 2024 SUMMER “Gouche” 振り返りレポート②
https://note.com/pnct/n/n1f0576c0fd78
●SNSでの感想
・PANCETTA LAB 2024SUMMER”Gouche”、とても面白かった。面白すぎて涙込み上げてくるくらい/子供たちも楽しめるって素敵だなあと、、一宮さんが6月おっしゃっていた「やりたいこと」がすごく伝わってくる舞台でした。照明もめちゃくちゃかわいくてワクワクした/役者さん、音楽、照明、舞台美術、巻き込まれた客席も含めて、劇場全体がキラキラしてて、大人も子どもも笑顔になれる夢の空間だった。音楽家の方たちが舞台上のやり取り見て、本気で笑ってるのが愛おしかった。/人懐こいセロと寂しさから滲み出るような優しい人柄のゴーシュ。音楽や舞台演出に引き込まれて笑顔になれるお芝居でした。/味あるキャラクターにさらにさらにといのちの躍動を灯す様なお芝居、ゴーシュの心象風景と観客の想像力に寄り添う豊かな演奏も素晴らしく、夏休みに親子で観るぴったりの作品でした
活動をしてみて
パンフレットなどに広告一つをお願いすることもなかなか厳しい昨今、多額の支援のお願いはたいへん心苦しく、企業の皆さんも個人の方々も敬遠されます。
また、地方都市の劇団にとって制作のみの専従者を置く余裕はなく、すべての手配が後手後手になってしまいがちです。
今回も申請手続きも間際となりましたし、業種を超え各社にお願いはしましたが状況は厳しく、支援内諾を頂くことはやはり難しく、難航しました。