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世界ゴールド祭

活動情報

活動ファンド SOMPOアート・ファンド
申請時期 第3回
活動地域 埼玉県
活動ジャンル 舞踊、演劇
活動者名 公益財団法人 埼玉県芸術文化振興財団
活動名 世界ゴールド祭
活動名(ふりがな) せかいごーるどさい
実施時期 2018年 9月 24日 ~ 2018年 10月 8日
会場 実施場所:彩の国さいたま芸術劇場 ほか
所在地 :埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1

活動完了報告

活動名(修正)  世界ゴールド祭2018
実施時期(修正) 2018年9月22日~2018年10月8日

(1)活動概況
日本初となる高齢者による舞台芸術の国際フェスティバル「世界ゴールド祭2018」の第1回を、2018年9月22日~10月8日の約2週間にわたり開催した。日本の取り組みと世界のムーブメントをつなぎ、高齢社会にクリエイティブな潮流をもたらすことを目指し、日本、英国、オーストラリア、シンガポールの欧州・アジア4カ国からシニア・パフォーマーが一堂に集まり、交流によって熱気と知見の交換・発展を推進し、高齢社会におけるアートの可能性に迫った。日本からは彩の国さいたま芸術劇場の高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」が、日英の演出家とともに街中での演劇公演を製作・上演した。また当劇場の高齢者のための芸術クラブ活動「ゴールド・アーツ・クラブ」からは約700人が参加して、ノゾエ征爾演出の群集劇「病は気から」を上演した(※単体での事業規模が大きいため本助成の対象経費からは除外)。さらに、英国、オーストラリア、シンガポールから、各国で高齢者演劇・ダンスをリードする3団体を招聘し、ショーケース公演を行った。その他、海外3カ国から高齢者芸術の専門家による事例報告や問題提起を行うシンポジウムを実施、さらに認知症・パーキンソン病といった高齢者に特有の疾病にも対応したワークショップやフェスティバルに参加した人々が交流を深め意見交換をする場として交流会を開催し、高齢社会と文化芸術を取り巻く様々な環境やアプローチについて、議論や実践を通し参加者と共有した。

(2)達成できたこと
・高齢者ならではの表現を追求した舞台や高齢社会をとりまく諸課題にも切り込む画期的な公演・ワークショップ等を通して、高齢者の芸術表現の多様な在り方や、高齢者に対する人々の認識を変容させる芸術表現の可能性を示すことができた。
・シンポジウムでは、政策立案者や助成団体、地域において芸術祭や芸術団体を運営・支援する実践家等、異なる立場や環境で高齢者アートを推進するゲスト・スピーカーによるレポートにより、イニシアチブの掲げるビジョンから具体的な方法論まで、様々なレベルで幅広く知見を参加者と共有することができた。
・公演やワークショップを通じて、芸術分野に限らず地域で高齢者福祉や街づくりに携わる個人・団体との協力関係を築くことができ、今後の協働に向けても重要な足がかりが得られた。
・会期を通して全国、また海外からも多くの劇場・舞台芸術の専門家、アーティスト、行政関係者、福祉関係者、研究者、そして高齢者の方々が来場し、芸術が社会と高齢者との接合点になり得ることが分野を超えて共有されると同時に、人的交流によって将来への発展的な可能性が開かれた。
・昨年度のキックオフ事業の反省を受けて、今回は広報活動の充実を図ることで、新聞・テレビ・WEB等の様々な媒体で多数報道されるなど、効果的な広報展開が実現した。NHK-BSによって本事業に密着したドキュメンタリー番組も製作・放送(NHKの海外在住契約者向けサービスでも放送予定)されるなど、地域を超え、広く国内外に向けて高齢者芸術の役割や可能性について力強いメッセージを発信することができた。

(3)現状の課題 及び(4)今後の改善点
活動を終えて見えてきた最大の課題はやはり持続可能性であるといえる。
〈方法論〉
高齢者の参加型プログラムの需要は非常に大きく、当劇場のアート・クラブには約1,000人が登録、今回はそのうち約700人が群集劇に出演した。希望者全員を受け入れかつ活動の質を保つには、特に人員配置のうえでコスト、エネルギーともに膨大な投資が必要となり、継続的な実施は困難をともなう。芸術祭終了後もアーツ・クラブへの「追加募集はないのか」といったお問い合わせもあり、社会におけるニーズが益々高まるなか、現実的に持続可能な方法論について議論を重ねる必要があることを再確認した。また、次回の芸術祭は2年後の2020年を予定しており、オリンピック関連文化プログラムも多数行われるなかフェスティバルの運営を担う人材の確保、またオリンピック需要によって海外招聘団体等の航空券や宿泊の確保も困難が予想される。ロジスティックの面でも早々の企画立案・手配が必要であろうと考えている。
〈財源〉
事業の目的や性質上、高額な参加料やチケット料金を課すことは趣旨ではなく、プロの舞台公演のような料金設定は難しいと考えている。支出規模に対して入場料・参加料収入がほとんど見込めない事業であることから、運営には各種の公的・民間助成や寄付、協賛金等による支援を得ることが不可欠である。活動を根付かせ効果を上げるためには、継続実施に必要な財源確保の多様なチャンネルを獲得することが、今後も引き続き課題である。

(5)自己評価
来場者アンケートによる事業評価では、内容について「大変満足」「まあ満足」と回答した方が約97%に達し、非常に高い評価をいただいたと考えている。参加者の年齢も60歳以下と60歳以上が約半数ずつを占めており、高齢者自身に限らず、高齢者を支える世代からの関心の高さは数字からも、現場での実感としても強く感じられた。自らの介護経験や家族の認知症も含めて、「老い」というものをこれまでとは異なる目線でポジティブに捉えることができたという感想も多く得られ、高齢者の生きがいづくりや高齢者同士の共感のみならず、高齢社会へのクリエイティブなアプローチが、高齢者を支える人々やこれから老いていく人々の意識を変容させ、高齢社会に向き合う助けにもなる可能性へと開かれていることを再認識した。「もっとやって欲しい」「継続して欲しい」との要望も多数寄せられており、今後はそうしたニーズを拾い上げ、かつ持続可能な活動のあり方を検討していきたい。本事業は、地元紙・地元TVに留まらず、全国紙や他地域の地方紙で多数報道され、またドキュメンタリー番組としても放映されるなど、事業の趣旨が社会に広くアピールされる成果を得た。

(6)助成を受けたことによるメリット
昨年度開催した「世界ゴールド祭 キックオフ!」に引き続いて助成をいただけることになり、当劇場にとっても大きな挑戦である本事業の趣旨が、文化的芸術的価値に限らず、メセナという視点から社会的価値にも期待いただけていることに、大変心強く思いました。アマチュア高齢者の活動にフォーカスをした事業ですので、参加料・入場料が収入源として期待できないなか、他の民間助成金と比較しても多額の金額を助成していただき、健全かつ安全な事業運営を行ううえで、非常に助けになりました。今回は野外公演もあり付保対象についても劇場公演とは異なる範囲に及び、地元支店様にいただいたアドヴァイスは大変有益でした。また広報面でも代理店様には今回もチラシ配布やポスター掲載にご協力いただき、特に芸術文化セクターとは異なる方面に向けて、地域的な広がりをもたらすことができました。

(7)協力機関等
共同主催:埼玉県
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽同等機能強化推進事業)
   一般財団法人地域創造、オーストラリア政府(豪団体に対する助成)、
   豪日交流基金(豪団体に対する助成)、オーストラリアnowスポンサー
   (豪団体への国際航空券提供)、SOMPOアート・ファンド、大和日英基金、
   グレイトブリテン・ササカワ財団
協力:ブリティッシュ・カウンシル
後援:シンガポール大使館、さいたま市、埼玉県社会福祉協議会、さいたま市社会福祉協議会

会場協力(徘徊演劇・BED):うらもん商店街、玉蔵院、ぎんねこ、コジマ薬局、
   さいたま市公園緑地協会、中島良夫、仲町二丁目自治会、パリミキ浦和店、
   夢工房MARUYAMA、大宮銀座通り商店街、ビッグエコー与野本町店
共催(高齢者施設ワークショップ):医療法人社団保順会(ひがしまつやまくらしの楽校)

(8)集客人数
 ・参加アーティスト数 842人 ※ゴールド・アーツ・クラブ参加者を含む  
 ・観客動員数 延べ10,144人 ※路上公演集客数(推計)を含む

(9)メディア露出
〈新聞・雑誌〉
 ・世界ゴールド祭2018/毎日新聞/8月23日
 ・世界ゴールド祭2018/地域創造レター9月号/8月25日
 ・世界ゴールド祭2018「日本、英国、オーストラリア、シンガポールから、
  シニア・アーティストたちが集結」/ベストステージ10月号/8月27日
 ・地域の劇場をたどって「巨匠の遺産 埼玉の金色」/朝日新聞/8月30日
 ・世界ゴールド祭2018「高齢者が輝く演劇、ダンス」/公明新聞/8月31日
 ・世界ゴールド祭2018 開催/彩の国だより/9月1日
 ・世界ゴールド祭2018/シアターガイド10月号/9月1日
 ・高齢者もっと輝く/埼玉新聞/9月3日
 ・世界ゴールド祭2018/定年時代9月号/9月3日
 ・世界ゴールド祭2018「高齢演者「聖地」に集結」/読売新聞/9月1日
 ・高齢者劇団 初公演へ稽古熱く/産経新聞/9月17日
 ・舞台でときめく 高齢者740人が群集劇/埼玉新聞/9月17日
 ・アートが高齢者を若くする/朝日新聞/9月20日
 ・高齢者が輝く演劇の祭典/読売新聞/9月20日
 ・Golden Oldies: A theatrical festival for the ages/The Japan Times/9月21日
 ・熱演 輝く高齢者/東京新聞/9月21日
 ・Elderly actors take center stage in theater fest/The Japan News/9月22日
 ・ひと「『老いの豊かさ』を演劇で問う/朝日新聞/9月29日
 ・旬・感「奇想天外 街中演劇」/読売新聞/10月3日
 ・響「出会いと別れ 一瞬一瞬が尊い」/朝日新聞/10月11日
 ・高齢者舞台の祭典「世界ゴールド祭2018」/日経MJ/10月12日
 ・「老いの演劇」の可能性 高齢者による表現 常識揺さぶる/日経新聞/10月16日
 ・人生100年時代 何色に輝くか/毎日新聞/10月18日
 ・高齢者輝く 舞台芸術/産経新聞/10月20日
 ・世界ゴールド祭「高い段階にある高齢者演劇」/朝日新聞/10月22日
 ・さいたま市で「世界ゴールド祭2018」老いと芸術の可能性/愛媛新聞/10月22日
 ・老いがテーマ「世界ゴールド祭」高齢者が躍動、孤立を可視化/新潟日報/10月20日
 ・埼玉で世界ゴールド祭 高齢社会の課題可視化/徳島新聞/10月22日
 ・老い・ボケ・死「老いと演劇」OiBokkeShiが描く世界/えんぶ12月号/11月9日
 ・つれづれ「群衆劇に出演して」/埼玉新聞/11月23日
 ・世界ゴールド祭2018/ダンスマガジン2019年1月号/11月27日
 ・今月のレポート「世界ゴールド祭2018」/地域創造レター12月号/11月25日
 ・回顧2018 演劇/日経新聞/12月4日
 ・世界ゴールド祭2018「日本初の高齢者による国際舞台芸術フェスティバル」/
  スワンマガジン54号/12月中旬発売
〈テレビ〉
 ・首都圏ニュース/NHKさいたま放送局/9月13日
 ・21:30ニュース/テレビさいたま/9月13日
 ・ひるまえほっと/NHKさいたま放送局/10月25日
 ・BS1スペシャル ドキュメンタリー「喜劇 病は気から~高齢者700人の挑戦~」/
  NHK-BS1/11月17日放送・11月30日&12月13日再放送
 (本ドキュメンタリーはNHKワールドプレミアムでも放送予定)
〈WEB〉
 ・ステージナタリーweb/5月8日、ほか6件
 ・CINRAweb/9月21日
 ・SPICE/9月20日、21日
 ・SOLO/8月9日
 ・ウェブ版「美術手帖」/8月2日
 ・しのぶの演劇レビューblog/10月3日
 ・ダンスエディション/9月16日
 ・ベアリング財団blog/11月26日

(10)活動記録写真 
 (下記5点とも 撮影:宮川舞子)

(11)別添資料 
 (以下、郵送にて送付。)
 ・掲載記事一式
 ・アンケート報告書 
 ・チラシ
 ・ポスター
 ・総合プログラム
 ・ゴールド・アーツ・クラブ公演プログラム

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