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文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり

活動情報

活動ファンド SOMPOアート・ファンド
申請時期 第4回
活動地域 京都府
活動ジャンル 美術
団体名 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス実行委員会
活動名 文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり
活動名(ふりがな) ぶんかげいじゅつによるきょうせいしゃかいじつげんにむけたきばんづくり
実施時期 2019年 4月 1日 ~ 2020年 3月 31日
会場 実施場所:HAPSオフィス ほか
所在地 :京都市東山区山崎町339

活動完了報告

1. 活動概況
本事業は、モデル事業実践と先行事例調査、普及啓発等を通して、現代的な社会的課題に対して、文化芸術を活用しながら、人々の社会参加やコミュニティの再生を支援する仕組みづくりを整備することを目的としています。社会課題に直面し生きづらさが感じられる状況に対して、他者との関係性を緩やかに回復するために文化芸術を積極的に導入するケースが全国で増え、着実な成果がもたらされてきています。京都市においては、これまで主に民間の団体によって推進され、活動の基盤を固めていくことが難しい状況です。今後こうした取組みがさらに広がっていくためには、行政や民間団体、教育・研究機関、あるいは個々人が領域横断的に連携しながら、丁寧に「社会包摂的な文化」を形成していく必要があります。そこで必要とされる行政・中間支援団体の役割を検討し、過去 2年間京都市からモデル事業を受託した経験をふまえ、今年度は下記事業に取組みました。

(1) 福祉施設等において文化芸術の取組を実施しようとする際の相談窓口の開設準備
これまで社会課題に携わる様々な団体・機関へのヒアリングを行う中で、アートに関わる取組みに潜在的なニーズは感じられた一方、中間支援を求める声が多く聞かれた。他方、アーティストの側で具体的・社会的な文脈においてリサーチ・プロジェクトを展開したいという関心も近年高まっている。異なる専門領域を持つ行為者の出会いを実りあるものとするべくつないでいく立場として、本事業趣旨に沿う活動にかかる相談窓口を新たに開設する。今年度、本相談窓口事業を担うディレクターとして奥山理子が事業に加わり、関係機関や専門家へのヒアリング等行いながら、具体的な相談窓口のあり方と運用形態を検討してきた。現在は、年度内のオープンに向け、コンセプトや相談の流れを伝えるリーフレット制作を行っている。年度末にオープニングのトークイベントや事業報告会を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、中止にした。当面人が集まるイベント等の実施は難しいが、アプローチの仕方を検討中である。

(2) モデル事業「東九条こどもご近所映画祭」
京都駅東南部に位置する東九条地域において、同地域に劇場「THEATRE E9 KYOTO」(2019年6月開館)を立ち上げたアーツシード京都に企画・制作を委託し、地域のこどもたちを対象に映画づくりワークショップを実施(8月5日・41名参加)。地域の夏祭りでプレ上映会(8月17日・18名参加)後、「THEATRE E9 KYOTO」にて上映会(8月23日・110名参加)を開催した。
講師:久保田テツ(大阪音楽大学准教授/NPO remo [記録と表現とメディアのための組織])、松岡咲子(大阪音楽大学助手/ドキドキぼーいず) コーディネーター:福森美紗子(一般社団法人アーツシード京都)
※申請時、石川純子氏をコーディネーターとして子ども演劇ワークショップを予定していたが、当人の産休により、内容を変更した。

(3) コーディネーター人材の育成
求める人材像について、関係者等に意見聴取した中で、早急に人材を確保するよりも、募集要項についてしっかり検討した上で実施した方が良いという意見が多かった。事業の枠組みについて再検討の上,年度内に募集を開始し、内定をした。


2. 現状の課題
・モデル事業について、これまで内部・外部評価をより丁寧に行う必要を感じている。
・相談窓口の開設を受け、本事業にかかる団体等へのさらなる周知が必要になる。引き続き、ディレクターによる講演活動や勉強会などを行なっていく。

3. 今後の改善点
モデル事業、相談窓口ともに、社会課題に取り組む実務的な関係者・機関とのネットワークは形成してきているが、プロジェクトの評価やどのように記録していくかという観点とともに、どのようにアーティストが関わっていけるかを検討する際の課題やリスクの見極めなどにおいても、研究者とのネットワークを構築していく必要性を感じている。また、人材育成においては、各事業の中での位置づけを明確にしながら、実践的に行なっていく。

4. 自己評価
(1)福祉施設等において文化芸術の取組を実施しようとする際の相談窓口の開設準備
社会福祉協議会、行政関係部署、ソーシャルワーカーなど様々な専門家や、福祉施設等でのアート活動の実践者へのヒアリングを通じ、関係性を構築してきた。また、現状の課題がより具体的に見えてきたことを実施体制の設計に反映するよう、検討を進めている。3月に実働開始予定。構築したネットワークを活かし、多様な相談に対応できるようにしていきたいと考えている。

(2) モデル事業「東九条こどもご近所映画祭」
ワークショップではアーティストが子どもをサポートしながら進行し、各グループのユニークな作品がつくられた。劇場「THEATRE E9 KYOTO」で開催された上映会では、音響、照明などの劇場技術スタッフによりプロフェッショナルに演出された舞台空間や商業映画さながらのオープ二ング動画で盛り上げられる中、子どもたちが堂々とプレゼンテーションを行った。上映会には児童館職員、保護者、地域住民や、海外の大学生たち、通りがかりの人まで、多様な立場、年代の人々が参加。後日地域のコミュニティカフェより依頼を受け、イベントにて作品が上映された。本地域は、長年「幅広い多文化共生」のまちづくりに取り組みながら、高齢化や市有地の未活用地問題などを抱えており、2017年に「アートと若者によるまちづくり」を掲げた計画が策定された。アーツシード京都とHAPSは、2017年度より本地域で活動する人々との関係性を築きながら事業を行なってきたが、アートに関わる取組みが年を重ねるごとに関心とともに根付いてきている。子どもたちが主体となって様々な表現活動を経験しながら成長していくことで、長期的には多様な価値観を持った人々がより生きやすいまちづくりにつながっていくことが期待される。

5. SOMPOアート・ファンドの助成を受けたことによるメリット
活動地域と地道に関係性を築きながら活動をしている諸団体と直接顔をあわせ、交流をはかる機会をいただき、新たなネットワークを構築することができた。また、SOMPOアート・ファンド助成は使途の規定が柔軟であるため、実際に事業を進める中で生まれた気づきを生かし、改善点を検討し、内容に反映させながら進めることができた。

6. 活動実施における協力機関や他の協働団体の関与について団体名およびその内容
【事業全体】京都市文化市民局文化芸術都市推進室
(1)福祉施設等において文化芸術の取組を実施しようとする際の相談窓口の開設準備
京都市保健福祉局/京都市文化市民局共生社会推進室/京都市社会福祉協議会
(2) モデル事業「東九条こどもご近所映画祭」
<企画・制作> 一般社団法人アーツシード京都 
<協力> NPO remo/一般社団法人タチョナ/希望の家児童館/京都市地域・多文化交流ネットワークサロン

7. 媒体への露出(記事タイトル/媒体名/掲載年月日)
(■東九条こどもご近所映画祭作品上映会/京都市地域・多文化交流ネットワークサロン通信 第31号/2019年10月31日発行)

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