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採択活動一覧

国際こども・せいねん劇場みやざき/「ダンスvsメタバース」新作ダンス公演

犬飼博士×中村薫×んまつーポス
「ダンスVSメタバース」
〜先に老いるのは、テクノロジーか、んまつーポスか。〜

公開クリエーション(ダンスハッカソン)
2022.11.9.wed - 13.sun 10:00-20:00
 ※13日のみ15:00までとなります。

成果発表(ダンス、映像、トーク等)※内容は少しずつ進化します。
①11.12.sat 15:00-16:00
②11.12.sat 19:00-20:00
③11.13.sun 15:00-16:00

この『メタバース×ダンス』の成り立ちは、ミラクルづくしです。
始まりは今から2年前。霧島アートの森で、開館20周年記念アートラボ『つくるスポーツ/するアート展』が開催されていました。スポーツとアートの境界域で活動している僕らは、ムズムズして、居ても立っても居られなくなり美術館にメールをしました。「アーティストの犬飼博士さんと話したい。」すぐに犬飼さんから「zoomで話そう!」と返信がありました。これがミラクル1!「zoom」で興奮した僕らは、霧島アートの森へGO!それからまさかの1年後。犬飼さんは僕らの新作のドラマトゥルクとして来県。ミラクル2!しかも一緒に宮崎で年を越しました。ミラクル3!
けれど、まだまだ犬飼さんと共創したい!僕らと共創しませんか。いつなら共創できますか・・・で実現したのがこのプロジェクトです。そして、なんと犬飼さんがもう一人の共創者として指名したエンジニアが、株式会社ホロラボ代表の中村薫さんでした。「すごい!」人が「すごい!」と言う中村さんは、Microsoft Regional Director(RD)でした。しかも、このRDは世界で約200人、日本では4名しかいません。ミラクル4!
ミラクル5は、この宮崎で実施する初ダンスハッカソンです。
期待するのは、5日間46時間のハッカソン目撃者をはじめ、関わった人全てにミラクルが起きること。
僕らは必ず起きると信じています!
(つぶやいたの人:んまつーポス代表 豊福彬文)

作者より一言

犬飼博士(運楽家/運動会協会 理事)
体験デザインやゲームデザインの知恵をダンス公演開発にインストールしてプレイします。プレイヤー身体VSメタ世界に挑戦!

中村薫(株式会社ホロラボ代表取締役/ Microsoft Regional Director)
3.5m3.5mの舞台上にAzure Kinect DK 4台を設置し、ARやVRをかけ合わせたメタバースシステムで、ダンスハッカソンに参戦!!

んまつーポス(コンテンポラリーダンスカンパニー振付家/研究者)
陸上400メートルは「究極の無酸素運動」だ。ダンスで「無酸素運動」は難しい。そのかわり僕らは46時間動き続ける。

活動情報

活動ファンド 助成認定制度
申請時期 2022年 第3回
活動地域 宮崎県
活動ジャンル 美術、舞踊
活動者名 特定非営利活動法人 MIYAZAKI C-DANCE CENTER
活動名 国際こども・せいねん劇場みやざき/「ダンスvsメタバース」新作ダンス公演
活動名(ふりがな) こくさいこども・せいねんげきじょうみやざき/だんすばーさすめたばーすしんさくだんすこうえん
実施時期 2022年 9月 26日 ~ 2022年 12月 26日
会場 実施場所:国際こども・せいねん劇場みやざき
所在地 :〒880-0841 宮崎県宮崎市吉村町南田甲1093
寄付金額 / 目標金額

活動完了報告

今回の活動は、コンピューター3D空間を活用した新作ダンス公演の実施です。
活動の目的は、「ダンスをテクノロジーで語る」を市民に目撃してもらうこと、そしてダンスとメタバースとで拓く表現の世界の可能性を市民と共有することです。

公演の概要は、以下の通りです。
「境界について考えることは、共存(多様性)を考えること」をテーマに、リアルとバーチャルが共創する公開クリエーションを経て、新作「メタバースVSダンス」を上演した(11月9日~13日、会場:国際こども・せいねん劇場みやざき)。企画の段階の共創者は、コンテンポラリーダンスカンパニーの「んまつーポス」(豊福彬文・みのわそうへい・児玉孝文)と、eスポーツプロデューサーの犬飼博士、Microsoft が認定するRegional Director(世界に200人、日本に4人)の中村薫、そして「んまつーポス」の専属音楽家・若手事業家の大野源喜の6名を想定していたが、実際には、犬飼と中村が協力者として指名した3名(吉井正宣、上山晃弘、堤海斗)のエンジニア及び公演に来場した観客も共創に参加した公演となった。

『ダンス・身体の可能性を拓きたい。ダンス・身体の熱量で、メタバースの可能性を拓きたい。』と言う、高橋るみ子(宮崎大学研究・産学地域連携推進機構客員教授/舞踊学・舞踊教育学)の演出のもと、メタバースという要素を加えることで、ダンス公演としては一風変わったものとなった。まず、11月12日の午後公演では、9日の10時から12日の15時(開演)までの35時間で創作した成果(作品1.0)を上演した。また、同日の夜公演では、19時(開演)までの39時間で創作した成果(作品1.1)を上演した。そして、最終日13日の午後公演では、16時(終演)までの46時間で創作した成果(作品1.2)を上演した。
3公演とも、作品構成は以下の通りに実施した。
<シーン0>リアルからメタバース空間へ客入れ。
<シーン1>観客は、ダンサーと一緒にリアルステージとメタステージを体験する。
<シーン2>観客は、二人のダンサーが「ロクバ(録場)」される様子を鑑賞する。
<シーン3>観客は、一人のダンサーが再生中の「録場」データとダンスをする様子を鑑賞する。
<シーン4>観客は、ダンサーと一緒にシーン2・3の合成データをリアル空間で鑑賞する。
<シーン5>観客は、ダンサーと一緒に舞台に立ち、「録場」される。
<シーン6>みんなでシーン5の映像を鑑賞する。
<シーン7>観客は、仕組み・機器の説明をしているエンジニアを鑑賞する。

本公演の新しさ(特徴)は、舞台上の機器(Azure Kinect DK )とそれを操作するエンジニアも出演者とみなした点である。ただ、Azure Kinect DK 4台を想定していたが、アクティングスペースを限界まで広げたことから3台となった。しかし、観客からは、「4分の1欠けている分を、脳内で補完(空想)しながら鑑賞した。」というプラスの感想をもらうことができた。さらに、スタートから35時間のクリエーションは公開(無料)にし、出入り自由としたことが呼び水となり、当日券を求めて本公演(有料)を鑑賞した観客が多かった。

なお、2022年7月22日に改定となった緊急事態舞台芸術ネットワーク「舞台芸術公演における新型コロナウイルス感染 予防対策ガイドライン(第五版http://jpasn.net/cn1/20220725.html)」に準じて、新型コロナウイルス感染症対策を実施した。

来場者数】 
本公演(11月12,13日 全3公演):のべ鑑賞者数は135名(オンデマンド配信30枚を含む)

県内のコロナ感染者が増加傾向にあったことから、当初の客席数(50席)を10席減らし、チケットの問い合わせに対してはオンデマンド配信を紹介した。しかし、県外からも来場者があり、千秋楽は満席となった(12日昼公演25名、夜公演36名、13日昼公演44名)。オンデマンド配信30枚を含むのべ鑑賞者数は135名、1公演あたり45名が鑑賞した。公開クリエーションは107名。

主要スタッフ】
○作・構成:犬飼博士、中村薫、んまつーポス
○演出:高橋るみ子
○振付・出演:豊福彬文・みのわそうへい・児玉孝文(んまつーポス)
○技術スタッフ:犬飼博士、吉井正宣、中村薫・上山晃弘・堤海斗(株式会社 ホロラボ)
○音楽:大野源喜
○映像:西純之介
○舞台監督:片山敦郎
○照明:工藤真一(ユニークブレーン)
○宣伝美術:松尾由佳(Nica)
○衣装:ホンダマサユキ(iink)
○会場指導:柴山麻妃
○制作:崎田さおり、坂元美玖、多炭七緒

その他の特筆すべき報告事項】
○スポンサーの条件(チケット料金を1,000円にすること、当初の金額3,000円との差額分の補填にスポンサー料を充てること)を検討し、チケット料金を1,000円に設定した。事後に聞き取り調査を行ったところ、鑑賞後であれば1,000円は安すぎだと思うが、もし3,000円だったら来ていなかったという回答が多かった。
○鑑賞は1回だけという観客が多かったこれまでの公演と違い、繰り返し来場し、公演が進化する様子まで鑑賞する市民の姿が見られた。中には、公開クリエーションを含めて全公演を鑑賞した公立中学校教員もいた。
○公開クリエーションや初日の公演の評判を聞き、当日券を購入した観客が少なくなかった。
○クリエーションの過程が見えるよう、初日からの共創者の言動を付箋紙にアウトプットし会場に張り出したところ、特に終演後に熱心に見る・読む来場者(観客)が多く見られた。
○クリエーションのドキュメント及び公演の様子については、映像作家の西純之介に映像化を依頼し、オンデマンドで配信した(有料公開。配信期間:11月25日~12月1日、配信30枚)。配信については、ポスターやチラシ、HP等で広報するだけではなく、新たな試みとして、西が提案し、在住する京都のThe side京都で、スポーツのパブリックビューイングを模した試聴会(11月25日)を実施した(18名)。
○犬飼の連携拠点である「シビック・クリエイティブ・ベース東京(CCBT)」でも、視聴会&対話のイベント(12月4日)を実施した(14名)。CCBTの関係者はもちろん、国立美術館の主任研究員や森美術館のアソシエイト・ラーニング・キュレーター、東海大学体育学科教授などがイベントに参加した。
○関係者のワクチン摂取の確認と抗原検査を課し,地域・市民の不安に対処・払拭した。
○本公演は、ARTS for the future! 2の採択事業である。資金については、ARTS for the future! 2からの助成金の他に、宮崎県内で本事業に賛同していただいたスポンサー企業8社(物品協賛企業2社含む)や個人寄付(投げ銭含み)によって事業費を補填し、実施することができた。

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