活動ファンド | 社会創造アーツファンド Arts Fund |
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申請時期 | 2023年 第3回 |
活動地域 | 兵庫県 |
活動ジャンル | 美術、その他 |
活動者名 | くれない忌実行委員会 |
活動名 | くれない忌 アーカイブから未来へ プロジェクト ![]() |
活動名(ふりがな) | くれないきあーかいぶからみらいへぷろじぇくと |
実施時期 | 2023年 1月 4日 ~ 2024年 10月 3日 |
会場 |
実施場所:宝塚市立西公民館ホール(出版記念会) 所在地 :兵庫県宝塚市小林2丁目7−30 |
寄付金額 / 目標金額 |
693,500円 /
1,500,000円
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1,▪︎出版の流れ=実行委員会(28人)発足、助成金申請、寄付・本購入依頼、出版社選定、原稿提出・校正・出版、出版記念会 ▪︎内容=元永定正が逝去して12年ー色とかたちに遊び、深く追求した美術家が伝えようとしたものは何か。元永と関わりのあった人々が彼の歩みを辿り、芸術や社会について語り合った会「くれない忌」。その全10回の記録を通して、アートの「あと」そして「さき」を考える。▪︎出版部数=500部
2,2023/10/3 出版記念会の概要▪︎内容・登壇者=元具体メンバーの美術家 松谷武判と今井祝雄が元永定正との思い出と自身の創作活動について語った。聞き手は坂上義太郎 ▪︎来場者数=60人
▪︎2023年9月30日 5:00日本経済新聞 電子版『「具体」松谷武判と今井祝雄が対談 元永定正しのぶ』より
前衛美術家集団「具体美術協会」に所属した元永定正(1922〜2011年)をしのび、元永の命日の10月3日に兵庫県宝塚市の宝塚市立西公民館ホールで、元具体メンバーの松谷武判と今井祝雄が対談を開く。故人との思い出や現在の2人の創作活動について語る。
元永は、具体の主要メンバーの一人で、抽象画や立体作品などさまざまな手法で表現活動を展開。詩人の谷川俊太郎との共作絵本「もこもこもこ」をはじめ、絵本作家としても知られた。これまで10月3日には「くれない忌」を催し、交流のあった著名人が講演や対談などをしてきた。2013年にスタートし、22年まで開催。このほど、「くれない忌」実行委員会によって10回分の登壇者らの話をまとめた書籍「元永定正を語る アートのあとさき」を刊行し、それに合わせて今回の対談を企画した。
対談する松谷と今井は、両者とも元具体メンバーで、現在も国内外で多くの展覧会やアートイベントに出展し、活躍している。松谷は元永を通じ、具体を率いる吉原治良と知り合い、具体に入るきっかけとなった。一方の今井は、成安造形大学(大津市)で元永と同時期に教壇に立っていたことがある。具体での活動以外でも元永と親交があった2人が、それぞれの思い出話などを披露する。
▪︎2024年3月14日神戸新聞文化面 寄稿 坂上義太郎・BB美術館顧問『元永定正 感性の温もり再確認 しのぶ会 10年の記録集に想う』より抜粋
元永さんが亡くなって2年後の2013年、親交のあった人たちが集まって元永の思い出を語り合う「くれない忌」は始まった。2023年、その10年間の記録集「元永定正を語る アートのあとさき」が刊行された。
生涯を懸けて未知なる世界の表現を探究してきた創作行為から醸し出された元永のユーモアとセンスを、各分野の人が語り紡いだ。
元永さんが長年邁進してきた現代美術への軌跡を再確認し、人間味溢れる作品や語録から、大らかな中にも感性の温もりを感じさせてくれる貴重な証言集と言っても過言ではないだろう。
読後、私たちを春風に吹かれたような心地よさへ誘ってくれる。「アートは、後(あーと)で考えましょ」である。
◇「元永定正を語るー」は4千円。問い合わせは くれない忌実行委員(jyunksc@gmail.com)へ。
くれない忌実行委員会は、元永定正の作品や生き方に触発・魅了された市民によるボランティア組織です。
元永定正の作品が生まれた背景について 生前交友のあった各界の人たちが語る催し「くれない忌」(2013-22年 元永が好きだった紅色から名付けられた)を毎年命日である10月3日に開催してきました。
その内容を中心に《わが心の自叙伝》(神戸新聞連載)などを収録した書籍『元永定正を語る アートのあとさき』(A5版418ページ メイン画像,サブ画像①, サブ画像②)を「没後12年 生誕101年」の2023年10月3日発刊しました。
また当日、『元永定正を語る アートのあとさき』刊行記念 美術家 松谷武判氏と美術家 今井祝雄氏の対談(出席者数88人 広報/日本経済新聞 産経新聞 毎日新聞 讀賣新聞 朝日新聞 神戸新聞 ウィズ宝塚 広報「たからづか」FM宝塚 SNS等)を行いました。
ー未来へ…継続ー
本の出版は、最終目的ではなく、足がかり、次のステップの出発点であると思っています。「元永定正アート館」を作ることを目指しています。小規模でも良いのです。作品や資料が散逸されないように願うからです。
遠距離、海外、出歩くことが不自由な方々などにはバーチャル展開も行いたいのですが、まずは「ライブでの出会い(人対人、人対作品)が(思考の)質の高さを育む」ことを重視したいのです。
拠点を作ることで、英語での発信など国際的な活動も行い、人材育成(芸術や文化を愛する感性を大事にし、創造し思考する)も行えると考えています。
どうぞ本プロジェクトにご参加いただきたく、よろしくお願いします。
寄付者の皆様には本を贈呈させていただきます。
ー出版というアーカイブの成果ー「くれない忌」元永定正を語る登壇者
第1回世界のGUTAIと元永定正の芸術
発起人挨拶・安藤忠雄 基調講演・木村重信 松谷武判 今井祝雄 聞き手・河﨑晃一
具体美術協会の活動とその後の個々人の活動は、世界のGUTAIへと知られている。
第2回元永定正の絵本を語る
谷川俊太郎 聞き手・中辻悦子
谷川俊太郎さんとの交流による絵本は、抽象絵画絵本として新たな領域を拓き、子どもたちの圧倒的な支持を得てロングセラーである。
第3回気鋭のギャラリストが語るNYアートシーンと元永定正
ファーガス・マカフリー 聞き手・河﨑晃一、通訳・森口まどか
ギャラリスト Fergus McCaffrey さんの活動は、元永の作品が世界のアートシーンにおいて現役であることを証明した。
第4回山下洋輔の「もけらもけら」コンサートとお話
山下洋輔 聞き手・中辻悦子/中島淳
山下洋輔さんの「もけら もけら」コンサートと制作秘話は、2人の想像力と創造性の高さを感受させた。
第5回元永定正を語る「具体」からの創造と飛躍の軌跡
河﨑晃一 平井章一 毛利伊知郎 聞き手・山本淳夫
美術館学芸員による鼎談は、スペシャリストの視点から、どう人々と作品を繋ぐかについて忌憚の無い意見が交わされた。
第6回増田喜昭がかたる元永定正と子どもの本
増田喜昭
絵本専門店オーナーのお話は、普段身近に子どもに察している生の声(子どもの素直な反応)が語られた。
第7回まち、これからアート 元永定正に会える場所
加藤義夫 菅谷富夫 聞き手・岩淵拓郎
野外や屋内に設置されている元永のパブリックアートを映像で紹介。美術館館長就任予定のお二人が、自分たちの未来を発表した。
第8回元永定正の生きた時代「伊賀からはじまる美術のおはなし」
坂上義太郎 遊免寛子 岩名泰岳
コロナ禍のためオンライン開催。出身地である三重県伊賀市〜関西〜世界へ羽ばたいた元永の軌跡を、研究者、作家、美術史家の視点で発表した。
第9回ちんろろきししコンサート 高橋悠治による元永定正の絵と文字
高橋悠治 波多野睦美 林勇気
高橋悠治さんのコンサート。初演の曲は映像作家制作による「動く絵画」。元永の肉声による作品朗読(音入り)が飛び入り参加。(サブ画像③)
第10回元永定正の〇△□ 北川フラム × 岡本栄
北川フラム 岡本栄
出身地三重県伊賀市での開催。町をあげての「生誕100年記念」展が至る所で開催され、お祭りの様相。伊賀市長とアートディレクターのお話は個から公へと発展するアートの可能性を感じさせて、関連企画山下洋輔コンサート(1部は「もけら もけら」の演奏)へと雪崩れ込んだ。(サブ画像④)
本の感想が届いています。
タイトルもいいですね。「アートはあとから考える」でしたか。「メンバーの数だけ『具体』がある」とか、元永さんには含蓄のある”名言”が多い。10回のイベントがこんな立派な本になるのですから、元永さんのスケールの大きさをあらためて実感します。平井章一
立派な書籍で、内容も豊富で驚きました。また、巻頭の坂上さんの文章にはホロっとさせられました。毛利伊知郎
大変充実した内容で、元永さんを通した戦後の美術史を読み解く上でも貴重な記録のように思います。岩名泰岳