本年度は、当団体にとって飛躍の年となりました。特に、過去最大規模となる公演数および公演規模を達成し、活動の幅を大きく広げることができました。中でも、初のツアー形式を採用したことにより、県内各地における地域文化の振興と新たな鑑賞機会の創出に大きく寄与しました。

演奏者陣には、例年以上に著名かつ多彩な顔ぶれを迎えることができました。世界的ピアニストであるアンリ・バルダ氏の再来日に加え、エストニアよりミヒケル・ポール氏、フランスよりクレマン・ルフェーブル氏の初来日公演、そして実行委員長であり演奏家としても活躍する千田桂大が、室内楽および仙台フィルとのコンチェルトに出演し、質の高い音楽を提供しました。

また、サクソフォン界を代表する須川展也氏と奥村愛ストリングスによる演奏も大きな反響を呼びました。加えて、チェロの水谷川優子氏とギターの鈴木大介氏によるデュオ公演では、「バッハから南米ニャタリまで」というコンセプトのもと、ストーリー性のあるプログラムが展開され、多くの観客から高い評価を得ました。

仙台フィルとの共演に際して来日した指揮者レインハルト・ジーハファー氏による地域連携活動では、潟上市の中学生のために新たに吹奏楽曲を作曲し、自ら指導を行うとともに、その成果を披露する特別公演を開催しました。当日は地域住民も多数来場し、公演の最後には「ふるさと」の大合唱で会場が一体となるなど、音楽を通じた地域の一体感を強く感じさせる内容となりました。

この他にも、複数の中学校吹奏楽部との共演、訪問演奏での小規模公演など、地域に根差した活動を多数実施しました。こうした取り組みにより、次世代を担う子どもたちや幅広い年齢層の音楽愛好者と直接的な交流を図りながら、芸術文化の裾野を広げる契機となったと考えております。

今後も継続的な活動を通じて、地域に根ざした芸術文化の発展を目指してまいります。

■主催事業4公演
・6/29 15:00-17:00 アンリバルダ　オール・ショパン・プログラム
来場者数471人
・10/12 14:00-16:00 仙台フィルハーモニー管弦楽団×レインハルト・ジーハファー＆千田桂大「運命」
来場者数450人
・11/2 14:00-16:00 須川展也40周年記念コンサート
来場者数145人
・11/14 19:00-21:00 クレマン・ルフェーブル　初来日記念ピアノリサイタル 秋田公演
来場者数237人

■連携事業9公演
・6/16 14:00-16:00 オール・シューベルト・コンサート　- 千田桂大と仲間達 –
来場者数243人、主催：アートオフィスサイチ
・9/6 19:00-21:00 チェロとギターの響演　水谷川優子×鈴木大介　Day1 アトリオン・コンサート
来場者数118人、主催：アートオフィスサイチ
・9/7 14:00-16:00 チェロとギターの響演　水谷川優子×鈴木大介　Day2 酒蔵コンサート
来場者数105人、主催：潟上芸術文化振興会

・10/19　14:00-16:00 潟上市委嘱作品 R.ジーハファー作曲「Blue Moon」 初演記念公演
来場者数380人、主催：潟上市

・10/20 14:00-16:00 ミヒケル・ポール　初来日記念ピアノリサイタル 能代公演
来場者数160人、主催：アートオフィスサイチ

・10/25 19:00-21:00 ミヒケル・ポール　初来日記念ピアノリサイタル 秋田公演
来場者数218人、主催：アートオフィスサイチ

・10/27 14:00-16:00 ミヒケル・ポール　初来日記念ピアノリサイタル 横手公演
来場者数111人、主催：アートオフィスサイチ

・11/13 19:00-21:00 クレマン・ルフェーブル　初来日記念ピアノリサイタル 湯沢公演
来場者数83人、主催：アートオフィスサイチ
・11/16 14:00-16:00 クレマン・ルフェーブル　初来日記念ピアノリサイタル 北秋田公演
来場者数122人、主催：アートオフィスサイチ