活動ファンド | 助成認定制度 |
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申請時期 | 2024年 第2回 |
活動地域 | 岩手県 |
活動ジャンル | 美術、芸能 |
活動者名 | 一般社団法人 三陸まちづくりART ![]() |
活動名 | 三陸ブルーラインプロジェクト2024 ![]() |
活動名(ふりがな) | さんりくぶるーらいんぷろじぇくとにせんにじゅうよん |
実施時期 | 2024年 7月 1日 ~ 2025年 3月 26日 |
会場 |
実施場所:大船渡市、宮古市、陸前高田市、釜石市内の施設・公園・防潮堤等 所在地 : |
寄付金額 / 目標金額 |
970,000円 /
535,589円
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【取組全体の目的・概要】
「三陸ブルーラインプロジェクト」は、防潮堤など防災の重要性が高いスポットをキャンバスとした、市民参加型のコミュニティアートです。
多くの人がこのプロジェクトに携わることで、東日本大震災の記憶を共有し、自然と向き合いながら、今後の防災・減災に対する意識の造成を図ります。あわせて、地域ごとの文化的特色を生かし、三陸全域に共通する新しい文化的アイデンティティを育むことを目指しています。
寄付者のメッセージが刻まれたブルーのタイルをつなぎ、地域住民が制作したモザイクタイルアートで街に彩りを添える本プロジェクトは「1000年後へ、つなぐ。」をスローガンに掲げています。
この地に住む人・訪れる人、それぞれの想いや震災の教訓を未来へ伝えるとともに、将来的には三陸沿岸全体の復興と活性化の象徴となることを目指しています。
【取組の特徴】
本プロジェクトは、次の三つの柱を軸に展開しています:
1.伝える:震災の記憶をタイルアートに刻み、三陸地方の一体感を育みながら地域の記憶を次世代へと伝えます。
2.繋ぐ:アート作品を通じて地域内外の人々をつなぎ、世代間・地域間交流を促進。三陸沿岸の経済的・社会的活性化にも寄与します。
3.祈る:郷土芸能との融合により、過去への鎮魂と未来への祈りを込め、心の平和と地域文化の継承を目指します。
この取り組みの最大の特徴は、地域住民、自治体、事業者、旅行者、そして三陸被災地を想いながらも訪問が難しい人々など、あらゆる人が参加できる「開かれたアート活動」であることです。
幼児から高齢者まで、誰もが気軽に楽しめるタイルアートによって、無機質な防潮堤に彩りを添え、街と海、そして人と人を再びつなぎます。
子どもや旅行者など、多様な立場の人々の想いを作品に刻むことで、防災意識を育むと同時に、持続可能な文化交流の基盤づくりにもつながっていくと考えています。
【活動を通した具体的な効果】
1.被災者間の異世代交流による「生きがい」の創出
本プロジェクトの一環として実施されたアウトリーチ型ワークショップでは、コロナ禍で途絶えていた福祉施設とこども園の交流が再び実現しました。
少人数のグループで協働制作を行うプログラムを通じて、子どもと高齢者が同じ空間で笑い合い、タイルアートをともに作る時間は、被災者にとっての心の癒しと新たな「生きがい」へとつながりました。
「久しぶりに笑顔を見せた利用者さんを見て、感動しました」
- 施設職員の声
また、被災経験のある郷土芸能団体や住民が運営側としても事業に参画し、参加者との交流が生まれる構成としたことで、体験イベントの枠を超え、参画者同士が言葉を交わして共に時間を過ごす交流の場としても機能しました。
2.参画の広がりと防災意識の醸成
宮古市から陸前高田市までの広域でワークショップやイベントを開催し、0歳から101歳まで、幅広い世代の参加が実現しました。
活動を通じて、被災者同士があらためて震災の記憶を語り合う場となり、「次世代へ伝える」という意識を再確認するきっかけとなりました。
「最近は震災について考える機会がなかった。今回参加して、伝えていくことの大切さを改めて感じた」
- 参加者アンケートより
また、広域実施に伴い、他地域の団体との協働が実現しました。
3.癒しと交流の場、観光資源としての発信
タイルアートで彩られた防潮堤は、住民や来訪者にとっての新たな「集いの場」として機能し始めています。
「タールアートが展示されてから、散歩コースをこの公園に変えました」
- 地域住民の声
「ツアー客に近隣の観光スポットを尋ねられ、タイルアートを紹介しています」- 近隣飲食店スタッフの声
また、本プロジェクトは県内外のメディアで紹介され、問い合わせやラジオ出演依頼などの反響を呼び、地域の魅力を伝える新たな観光スポットとしての発信にも貢献しました。
4.地域主体による担い手の育成
20~30代の若者たちが新たにスタッフやボランティアとして参画し、活動を支える重要な存在となっています。
作品設置のデザインや構成、イベント運営の現場を若年層が担うことで、「地域住民主体による持続可能な事業」へと着実に歩みを進めています。
【スケジュール・イベント実績】
<モザイクタイルワークショップイベント>
8月5日(月)〜23日(金)
岩手県立宮古高校(宮古市宮町)
参加者:美術部32名(のべ)
8月5日(月)〜23日(金)
みやっこハウス(宮古市末広町)
参加者:利用者・スタッフ90名(のべ)
8月20日(火)
気仙保育所(陸前高田市気仙町)
参加者:年中・年長組30名
8月25日(日)
イーストピアみやこ(宮古市宮町)
「線路でつなぐ 三陸鉄道国旗アートワークショップ」公募ワークショップとフリーワークショップを並行開催
参加者:
公募ワークショップ 20名(定員25名)
フリーワークショップ(出入り自由)作品製作:110名、完成作品見学:330名(展示は事前アウトリーチ作品を含む)
8月27日(火)
認定こども園宮古ひかり(宮古市西町)
参加者:年中・年長組64名
ふれあい荘 デイサービスセンター(宮古市田老)
参加者:デイサービス利用者24名
8月29日(木)
認定こども園かまいしこども園(釜石市天神町)
参加者:年長組25名
特別養護老人ホーム三陸園(大槌町吉里吉里)
参加者:デイサービス利用者20名、ショートステイ利用者13名、つつみこども園年長組13名
8月31日(土)
大船渡インターホテル椿(大船渡市立根町)
参加者:近隣住民20名(定員20名)
8月31日(土)〜9月1日(日)
新三陸自治会館“ば”スタジオ(大船渡市盛町) フリーワークショップ
参加者:近隣住民60名
9月2日(月)
盛こども園(大船渡市盛町)
参加者:年長組23名
9月3日(火)
あかさきこども園(大船渡市赤崎町)
参加者:年少・年中・年長組20名
9月4日(水)〜6日(金)
新三陸自治会館“ば”スタジオ(大船渡市盛町) 一般ボランティア 展示作品仕上げワークショップ
参加者:近隣住民23名
9月7日(土)〜9月8日(日)
うみどり公園(宮古市新川町) フリーワークショップ(出入り自由)
参加者:近隣住民144名
9月16日(月・祝)〜19日(木)
サン・アンドレス公園 フリーワークショップ(出入り自由)
参加者:近隣住民158名
<野外イベント>
9月15日(日)
「世界とつながる三鉄の縄文探検」
うみどり公園前(宮古市新川町)
参加者40名(定員35名)+当日一部参加者120名
9月21日(土)
「セバスティアンの鬼奇怪界」
サン・アンドレス公園(大船渡市大船渡町)
参加者:39名(定員35名)+当日一部参加者103名
9月22日(日)
「セバスティアンの黄金伝説」
大船渡市魚市場(大船渡市大船渡町)※雨天のため会場を変更して開催
参加者:52名(定員35名)+当日一部参加者88名