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採択活動一覧

小森はるか+瀬尾夏美巡回展「波のした、土のうえ」

岩手県の沿岸に位置する陸前高田という町で、津波のあとの時間を暮らした映像作家の小森はるかと、画家で作家の瀬尾夏美。

ーー私たちはただただ、日々変わっていく風景を目の当たりにしながら、陸前高田の人びとに話を聞かせてもらいながら、4年間の移り変わりのかたわらに身を置き続けました。私たちの作品は、この土地と、この土地に生きる人びとの声を拾おうとする一連の行為の集積と言えるかもしれません。同時にそれらが土地の記録の一部となり、声を届ける媒体になろうとする「表現」のひとつの形となるように、と考えています。

「波のした、土のうえ」。津波のあとに残された痕跡とそこに宿る人びとの記憶を、素手で収集しつづける一連の行為の集積が、大津波から5年目の1年間をかけて日本の各地を巡回します。

活動情報

活動ファンド 東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド GBFund 東日本大震災
申請時期 第12回
活動地域 被災地域全域
活動ジャンル 美術、映像
団体名 小森はるか+瀬尾夏美
活動名 小森はるか+瀬尾夏美巡回展「波のした、土のうえ」
活動名(ふりがな) こもりはるかせおなつみじゅんかいてんなみのしたつちのうえ
実施時期 2015年 4月 1日 ~ 2016年 3月 31日
会場 実施場所:岩手・陸前高田市(喫茶ぷねうま)、盛岡市 宮城・仙台市(候補:せんだいメディアテーク、gallery TURN AROUNDほか) 石川・金沢市 静岡・静岡市 福島・南相馬市、福島市 兵庫・神戸市(候補:KIITO、人と防災未来センターほか) 大阪(候補:
所在地 :岩手県、福島県、宮城県、兵庫県、新潟県、静岡県、東京都、石川県ほか

活動完了報告

①陸前高田展 2015.4.25-5.5 会場:喫茶風 来場者数:470名
②盛岡展 2015.8.28-9.13 会場:Cyg art gallery 来場者数:178名
③神戸展 2016.1.9-1.31 会場:KIITO 来場者数:542名
④仙台展 2016.1.26-2.7 会場:Gallery TURN AROUND 来場者数:162名
⑤福島展 2016.2.20-3.6 会場:ギャラリーオフグリッド 来場者数:222名

ゲスト:陸前高田:趙純恵(キュレーター)
盛岡:清水建人(せんだいメディアテーク学芸員)、酒井耕(映画監督)、野田尚紀(フロムいわて)
神戸:鷲田清一(哲学者)、高森順子(阪神大震災を記録しつづける会事務局長)、田中範子(神戸映画資料館)、阿部裕美(元陸前高田災害FMパーソナリティ)、金千秋(FMわいわい)、久保田テツ(NPO法人remo)、濱口竜介(映画監督)、清水チナツ(せんだいメディアテーク学芸員)
仙台:志賀理江子(写真家)、小原真史(IZU PHOTO MUSEUM研究員)、甲斐賢治(せんだいメディアテーク企画室長)、小野和子(民話採訪者)
福島:赤坂憲雄(民俗学者)、山内明美(社会学者)、椹木野衣(美術批評家)、久松知子(画家)、村上一真(写真家)、小林和貴(デザイナー)、浅野希梨(KiNoKuMaYa主宰)
全会場:西村高宏(てつがくカフェ@せんだい)、近田真美子(てつがくカフェ@せんだい)

<成果
報告>
2015年度1年間かけて、5つの地域・会場で巡回展「波のした、土のうえ」の開催が実現した。すべて自主企画で進めていたが、開催地での賛同者、または共同主催者に名乗り出てくださる方に支えられて実施することが可能となった。会場も喫茶店の2階からアートスペース、ギャラリーと、その場所ならではの展示方法を模索しながら展開していった。
各巡回展の会期中に4〜5回のトークイベントを開催。様々な分野で活躍されている開催地ゆかりのゲストを招き、小森+瀬尾の作品や活動から始まり、震災後の表現について、記録について、弔いについてなど、多方面に話が広がった。またわたしたちの活動を紹介するだけでなく、ゲストの活動や震災の捉え方について聞かせてもらいながら、互いの経験を共有したうえで新たに開かれる視座を、参加者とともに養っていくような場をつくった。
来場者は、普段美術鑑賞に親しむ習慣のある層に限らず、災害への関心を持つ方々、災害の経験や記憶をお持ちの方が足を運んでくださる傾向があった。そのため年齢層も子供からお年寄りまで幅広かった。会場には小森+瀬尾に関する書籍や記事、作品資料などを閲覧できるスペースを設置し、アンケートを記入してくださる方もたくさんいらっしゃった。

わたしたちの名前も知らないような土地に作品を持って行き、果たしてどのような人が足を運んでくださるのか、どういった反応があるのか予測できないままスタートした巡回展であったが、3年かけて陸前高田という土地に暮らしながら拾い集めてきた小さな記憶の痕跡を別の場所に運んでいく中で、訪れてくださった方との対話やアンケートに書かれた感想から、パーソナルな経験こそどの土地のどんな人の経験とも重なる余白を生み出すことができると実感した。また東日本大震災という大きなイメージが重く一人一人の心にのしかかっている中で、作品を鑑賞することが一度立ち止まって出来事を見つめ直すきっかけを作り出していたと思う。ここで思い出された記憶、思い、問いかけなどから対話が生まれ、またたくさんの声が寄せられた。それらと共に「波のした、土のうえ」をまた別の土地に運んで繋げていきたいと考えている。

<今後の課題>
作品発表と共にドキュメントをまとめていきたいと考えていたが、5回の開催や資金繰りで手一杯となり、振り返る時間をつくることが難しかった。来年、再来年と続けながら、この巡回展ノ場で起きていることをどのように記録しアーカイブしていくかが課題となっている。

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