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採択活動一覧

「ヒューマンセレブレーション 三陸国際芸術祭2015」

輝く糸で編まれた漂泊の舟、辿り着くは祭りの港

三陸国際芸術祭2015 Human celebration


<開催期間>
8月4日(火)-10月18日(日)

イッセー尾形の演出家・森田雄三と三陸の人たちで芝居を創る@住田町
日時:8月4日(火)-9日(日)
会場:住田町役場町民ホール

第41回三陸港まつり(連携プログラム)
日時:8月16日(日)
会場:大船渡市立三陸公民館駐車場

100年後のまつりの支度
日時:8月29日(土)、30日(日)
会場:宮城県気仙沼市唐桑町野外会場 など

三陸の民家で味わうふるさとの芸能と食
日時:9月12日(土)、13日(日)
会場:気仙大工左官伝承館

大槌祭り(連携プログラム)
日時:9月20日(日)、21日(月・祝)
会場:岩手県上閉伊郡大槌町一体

メインプログラム「人と自然の生命を祝う―リズムと仮面が繋ぐアジア」
日時:9月21日(月・祝)、22日(火・祝)
会場:岩手県大船渡市 碁石海岸キャンプ場(雨天時:大船渡市民体育館)

「三陸とアジアの未来に向けて集う」
日時:9月23日(水・祝)
会場:陸前高田市コミュ二ティホール 

「大船渡復興東北三大まつり〜東北と世界を結ぶ祭博〜」(連携プログラム)
日時:10月17日(土)、18日(日)
会場:岩手県大船渡市盛町一体

東北とアジアを芸能で結ぶプロジェクト(連携プログラム)
「習いに行くぜ!東北へ、アジアへ!!」
主催:国際交流基金アジアセンター、NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)

平成27年度文化庁国際芸術交流支援事業
主催/企画制作:NPO 法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)
共催:(公社)全日本郷土芸能協会、みんなのしるし合同会社
後援:岩手県、大槌町、大船渡市、住田町、住田町教育委員会、陸前高田市、大船渡市郷土芸能協会、(一社)大船渡青年会議所、IBC岩手放送、岩手朝日テレビ、岩手日報社、河北新報社、三陸新報社、テレビ岩手、東海新報社、めんこいテレビ、岩手県立大学、岩手大学
助成:(公社)企業メセナ協議会GBFund(東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド)
協賛:アサヒビール株式会社、株式会社リプロ
協力:トヨタ自動車株式会社、文化芸術による復興推進コンソーシアム、泉田家弐番蔵、FMねまらいん、カリタス大船渡ベース、碁石海岸レストハウス、さんさんの会、(一社)三陸国際交流協会、Sumita音楽サークル「音蔵」、遠野まごころネット、来渡ハウス

<お問合せ>
サンフェス事務局(みんなのしるし合同会社内)
022-0002 岩手県大船渡市大船渡町字地の森27-10 2F
TEL:0192-47-5123(土日祝除く)FAX:0192-47-5125
MAIL:info@sanfes.com  WEB: http://sanfes.com

活動情報

活動ファンド 東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド GBFund 東日本大震災
申請時期 第12回
活動地域 岩手県
活動ジャンル 美術、生活芸術、舞踊、郷土芸能、音楽、演劇
団体名 NPO法人 ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク
活動名 「ヒューマンセレブレーション 三陸国際芸術祭2015」
活動名(ふりがな) ひゅまんせれぶれしょんさんりくこくさいげいじゅつさいにせんじゅうご
実施時期 2015年 8月 16日 ~ 2015年 10月 18日
会場 実施場所:陸前高田市気仙大工伝承館、大船渡市碁石海岸キャンプ場など
所在地 :岩手県陸前高田市・大船渡市・大槌町・住田町、宮城県気仙沼市

活動完了報告

【実施データ】
開催期間:2015年8月4日(火)―10月18日(日)内、計17日間
開催場所:岩手県大船渡市、陸前高田市、気仙郡住田町、上閉伊郡大槌町、宮城県気仙沼市 計8会場
総出演者数: のべ60団体、 のべ1,200名
総入場者数:計 約43,000名

【参加者や関係者の声】
 今年の三陸国際芸術祭は、第1回にも増して深く心に残り、かつ様々に考えさせられるものであった。昨年より開催場所が広がり、会期も延びて実に多彩な活動が展開された。9月23日に陸前高田のシンガポールホールで開催されたフォーラムは、メインプログラムとその前日の大槌まつりしか拝見していない私にとって、芸術祭の全貌を知る良い機会となった。関係者にとっても、今年の成果や課題を振り返り、将来を展望する重要な集いとなったのではないかと思う。
 昨年の芸術祭終了後、プロデューサーの佐東さんから2020年の東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムの開会式を、三陸で、この芸術祭でできないか、というアイディアを聞いたとき、一も二もなく賛成した。初めて見た金津流獅子躍の群舞は圧倒的な存在感とともに私の心を突き動かすものであったし、オリンピック招致の際には東日本大震災からの復興も重要な動機のひとつとなっていたにも関わらず、招致決定後はそのことが忘れ去られているように感じていたからだ。
 2回目の芸術祭を見て、その思いはさらに強くなった。が、同時に東北の芸能が2020年東京五輪と安易に結びつくことに懸念も抱くようになった。芸術祭で披露された芸能は、どれも地域の歴史や文化、住民の生活や先祖からの営みと深く結びついたものである。一方、オリンピックという壮大なイベントは、良かれ悪しかれ、公式スポンサーやエンブレム、TV放映などグローバリズムや商業主義的なものとは無縁ではない。そういう意味で東北の芸能と現代のオリンピックとは対極に位置しているように思える。
 その価値観の違いは埋めようもなく、力関係の圧倒的な差によって、三陸の芸能の神髄が毀損される、あるいは消費されてしまうのではないか――。よそ者の勝手な思い込みかも知れないが、そんな危惧を感じたのだ。
 メインプログラムの前日に訪れた大槌町では、津波で甚大な被害を受けた沿岸地域の嵩上げ工事が進む一方で、今も震災の傷跡が残されていた。大槌まつり、大槌例大祭の前夜祭では、そんな光景の中、遠くから締太鼓と笛の音が聞こえてくる。地元の虎舞の保存会が、住宅も人影もない旧市街地の中を練り歩いている。震災前の門付けはどんな様子だったのだろうか、と連想してしまう。御輿が神社に戻り、奉納された踊りは圧巻だった。郷土芸能が地域と分かちがたく結びついていることを改めて認識した。
 一方、10月10日には東京都が五輪文化プログラムのリーディング・プロジェクトとして取り組む「東京キャラバン」が開催され、東北の郷土芸能の代表として金津流獅子躍が招聘された。もちろんその踊りは素晴らしいものであったけれど、三陸で見たものとは何かが違う――。東京という大都市の中、郷土から離れた場所で、「イベント」として行われたからだろうか。
 今年の三陸国際芸術祭のメインプログラムで見た芸能は、金津流獅子躍に限らず、臼澤鹿子踊、板用肩怒剣舞、七福神舞、あるいはアジアから参加したアムリタ・パフォーミング・アーツ、コミュニタス・アル・ハヤなどみな素晴らしいものであった。大槌での体験が下敷きとなって、踊りや表現のみならず、その奥につながる地域の文化や伝統、生活とのつながりに思いを巡らせながら見ていたような気がする。
 2020年の三陸国際芸術祭も、東北の芸能の持つ力強さ、踊りや音楽、装束といった表現の素晴らしさを超えて、その奥に潜むことをも伝えるものとなって欲しい。それこそが、「オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め、バランスよく結合させる生き方の哲学である(オリンピック憲章根本原則第一))という五輪の精神を体現することになるのではないだろうか。
三陸国際芸術祭アドバイザー 吉本光宏(ニッセイ基礎研究所)

【活動を終えて】
 三陸国際芸術祭の開催地である、東北沿岸部三陸地域は東日本大震災の甚大な被害により、多くの人や物を喪失しました。震災から5年目を向かえる2015年は、ハード面での復興は目に見える形で進んできてはいるものの、反比例するように人々の心の中の復興に陰りを感じる状況にあります。経済的な不安、高齢化への不安、様々な不安に取り巻かれながらも、誇りを見失うことなく、何とか前を向いて進んでいます。
 地域住民の心の拠り所である郷土芸能を軸に、理解と交流を図ることが光明への一助となればという思いのもと、「三陸国際芸術祭2015」では、文化芸術による東日本大震災からの復興と、未来への希望を持ち共に生きることをテーマに、各プログラムを実施してきました。
 成果として、

■東北三陸地域(被災地)の郷土芸能、のべ50団体1060名が上演・出演。

■三陸とインドネシア、カンボジアの郷土芸能を通して、自然災害や紛争から芸能を通して人々が立ち上がり、かつ芸能が心の拠り所となっていることを確認し、人間の営みにおいて芸能や芸術が重要な存在であることを、出演者、観客ともども確認することができた。

■被災地では復興計画に見通しがつき、ハード面での復興は可視化され、復興が進んでいることが確認できるようになってきた。しかしながら、被災地住民からは年月を経る毎に、将来への経済的な不安、流出人口増加による少子化への不安を、何度も聞くようになってきている。芸術祭では、三陸地域の郷土芸能同士の繋がりや交流、また自然災害や紛争を経て、輝かしく活動を継続させているアジアの郷土芸能団体との交流や対話を通して、被災地域の未来への可能性を互いに対話することができた。

■郷土芸能だけでなく、大船渡市、陸前高田市、気仙郡住田町在住の出演者で、コミュニティ
ダンス作品や演劇作品を作り、一般の方々が芸術を鑑賞するだけではなく出演することにより、ダンスや演劇の力で自信を取り戻し、コミュニティの魅力を再発見することができた。

■仙台ダンスクリエイション企画として、振付家・ダンサーの村本すみれ氏に作品制作を委託。宮城県仙台市在住の出演者が集まり、大船渡市での上演を実施した。仙台市でも震災を経験した人は多く、震災後に表現に携わることにためらいを感じ続けている人も多く存在する。そういった方々が表現に向き合い、また甚大な被害のあった三陸沿岸部でダンス作品を発表することは、観客に感動と勇気を与えたと同時に、東北における作品作りのテーマの創出、人材育成の面でも有効であった。

■郷土芸能の存在や意味を、現代に生きる者が考察する機会として、「100年後のまつりの支度」を実施。ツアー形式で宮城県気仙沼市唐桑を巡り、海や山と人の関係、過去と現在の結びつきを参加者も体験しながら、鑑賞することができた。そして、考察を経て生まれた身体表現は、郷土芸能に向き合う現代を生きる私たちに、未来の表現の可能性について示唆することができた。

■現代の音楽家、ダンサー、美術家が岩手県上閉伊郡大槌町の臼澤鹿子踊を習得し、メンバーとして上演することができた。習得の際は臼澤鹿子踊伝承館に滞在し、祭りの準備や普段の稽古など生活を共に体験し、活きた芸能を学ぶことができた。このことで、単に形をなぞり模倣して上演形態を学ぶだけでなく、芸能の由縁や意義を体験を持って知ることができた。また、臼澤鹿子踊の方々にとっても、音楽や舞踊のプロフェッショナルと共に過ごすことで刺激しあい、学び合うことができたと感想を伺った。
   
「習うより慣れろ」で、後継者を育てていく芸能の手法は、音楽や舞踊の実演家にとっても参考になることが多く、作品制作の手法を多様に考える機会となった。また、臼澤鹿子踊にとってもアーティストが関与することで気づいた発見があり、両者にとって、重要な機会となり得た。

■ポスター1,500部、チラシ20,000部を作成し、東北三陸地域はもとより日本全国の公共施設やアートスペース等への周知を行い、改めて東北(被災地)の芸能への関心を生み出した。

■地元開催の祭りと連携を図ることにより、75日間の開催期間を通して大船渡市、陸前高田市、気仙郡住田町、気仙沼市などの被災地に、約43,000人の観客を集めることができた。

 以上の成果を踏まえ、一層の発展と充実を目指し、そして復興を促進させるために、今後も継続して「三陸国際芸術祭」を実施したいと考えます。
 「三陸国際芸術祭2015」と昨年の「三陸国際芸術祭2014」の実施を通して改めて確認したことは、三陸沿岸部では多くの命と物を喪失しながらも、弔い慰め時に奮い立ち失った物に向き合ってきたということです。郷土芸能はそのための機能として、土地に根付き立ち上がり続けてきました。アジアにも生活に根ざし、鎮魂と再生を祈る芸能が多く存在します。互いの地域の芸能に触れることで、世界に誇れる質と多様性を確認し、意味の重要性を知ることができました。
 2016年以降も、芸能を通して切磋琢磨しあい、励まし合いしながら、創造性を刺激し、世界に発信できるような表現の追求を目指したいと考えます。また、上演形態にとどまらず調査・研究を通して、広く世界に芸能の魅力を伝えることも行います。
 2020年を一つの区切りと捉え、日本とアジア、また世界の芸能や芸術が集結し、そして世界へ向けて送り届けられるような、三陸国際芸術祭が交流の機会と場所になることを目指します。

 引き続き、皆様のご協力、ご支援のほど何卒よろしくお願い致します。

2015年11月16日
三陸国際芸術祭 プログラムディレクター
NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク 北本麻理

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