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AKUTAGAWA 東京公演

はじめまして、八王子車人形西川古柳座と申します。

<私たちについて>
八王子車人形西川古柳座は、1872年に創設された伝統人形芝居の団体です。文楽系の三人遣い人形を一人で操れるように改良した、一人遣いの人形劇の技法・車人形を、家元制度により伝承・普及することを目的に設立されました。当団体は、1982年に東京都無形文化財、1994年に国の選択無形民俗文化財、そして2022年1月に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

古柳座は日本遺産認定を受けた高尾山の構成文化財にも名前を連ね、地元八王子と密着に結びついた地域の伝統芸能ですが、その一方でこれまでに世界30以上の国・地域で公演やワークショップを行うなど、海外でも幅広く活動してきました。近年の海外公演に、2019 年ニューヨーク・ボストン・トロント公演、2023年香港公演などがあります。国内では、古典作品を上演する「集大成シリーズ」を定期的に行い、若手人形遣いの発表の場を設けて次世代の担い手の活動の機会を拡大、さらに、保育施設でのワークショップや学校公演も行うなど、教育と発展、普及に注力しています。

さらに、私たちは、江戸時代から続くわたしたちの伝統をただ保存するのではなく、生きたものとして発展的に継承するためのプロジェクトもおこなっています。その一環として、海外の人形劇アーティストに車人形の技法を伝授して共同創作に取り組み、また現代演劇・バレエ・オペラなど他分野との共演にも注力してきました。『AKUTAGAWA』は、そのひとつです。

<『AKUTAGAWA』について>
『AKUTAGAWA』は、西川古柳とアメリカの人形劇アーティスト・俳優のTom Leeによる国際共同制作人形劇です。作家・芥川龍之介の生涯とその作品『羅生門』『地獄変』『竜』『杜子春』『河童』 を日米双方の視点から分析し描いています(『歯車』も断片的に挿入)。芥川作品内で描かれている「絶望的な状況下における人間の倫理や利己心」「他者や自分と異なる者への理解と寛容」「虚偽情報の流布と群衆の扇動」「幸せの定義」「常識への疑問」などいまの社会に通じるテーマに焦点を当て、伝統的な車人形の技法、大型の人形、映像、アニメーション、そしてライブミュージックと英語のナレーション(日本語字幕あり)を用いて、芥川の世界を表現します。

『AKUTAGAWA』は、2019年からのプランニングとハパンデミックによる延期を経て、2021年6月に暫定的な米側リモート参加版を八王子にて限定上演、2023年1月に完成版をシカゴにて初演した作品です。続いてニューヨークを含む米4 都市でも上演し、北米の人形劇専門誌「Puppetry Journal」劇評で「東と西の文化や伝統と現代の組み合わせは 多々おこなわれているが、『AKUTAGAWA』ほど効果的かつシームレスにそれを成し遂げた人形劇の作品は見たことがない」と高く評価されました。

プロダクションは、主に初演からの日米メンバーで構成されています。俳優としてボイス・アクティングの高い技術を持ち人形遣いとしてはメトロポリタン・オペラ『Madama Butterfly』やブロードウェイ 『War Horse』等での操演の経歴に加え、美術・映像デザイナーとしての顔ももつTom Leeの他に、アル・パチーノ出演ブロードウェイ作品やロイヤル・シェイクスヒピア・カンパニーへ楽曲を多数提供、上海万博「Window of The City」 の音楽等も手掛け、ニューヨークとイタリアに拠点を置く作曲家・尺八&打楽器奏者の辻幸生、New York State Puppet Festival芸術監督のJosh Rice、メディアアートを用いた舞台作品作りを専門とし芸術大学で教壇に立つChris Carcioneら6名が、本事業に合わせて来日します。なお、LeeとRiceは多様な種類の人形の遣い手ですが、過去に八王子に滞在して車人形の技法を身につけて車人形を北米で拡めた立役者であり、本作品内で西川や古柳座の座員らと共に車人形を操演します。

<『AKUTAGAWA』で取り組むこと>
『AKUTAGAWA』では、国の重要無形民俗文化財である西川古柳座の伝統的車人形の技法の国境・文化を超えた発展的継承や活用のあり方を示します。そして、芥川龍之介作品を通じて、コロナ禍で露わになった社会構造の脆弱さや、利己主義、陰謀論、常識や既存の価値の転覆などを描きます。本事業は、観客がこれらの問題について思索し、他者と議論を深めること で、民主的な社会を保つことに貢献します。また、本事業は国際交流のあり方について問題提起します。西川とLeeは、 お互いに相手の言語に堪能な訳でも常に通訳がいる訳でもありません。しかし、相手の文化・価値観に敬意を払い、 創作活動を媒介に非言語を含む様々な方法で交流を続けてきました。本事業は、国際交流において信頼関係の構築に不可欠な要素について問い、議論につなげます。

<ご支援のお願い>
『AKUTAGAWA』東京公演では、6人のアメリカ在住者が来日します。彼ら一人一人の存在と才能は、当然ながらこの公演の実現に不可欠です。しかし、物価高と円安ドル高の進行や旅行費の高騰が、企画を始めた2022年の終わりから現在に至るまで、私たちの事業予算を押し上げ続けています。幸いにもこの公演は、芸術文化振興基金、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]、(公財)関西・大阪21世紀協会、公益財団法人朝日新聞文化財団より助成を受けていますが、物価高と円安ドル高の進行、旅行費の高騰の影響による予算拡大分を賄いきれておりません。

ぜひ、『AKUTAGAWA』東京公演へ、皆さまのご支援を賜りたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

<< 『AKUTAGAWA』公演概要>>

日程:2024年8月3日(土)―6日(火)合計5ステージ
会場:座・高円寺1(東京都杉並区高円寺北2-1-2)

キャスト&スタッフ:
人形操演:西川古柳、Tom Lee(ナレーション兼ねる)、Josh Rice、西川柳玉、他八王子車人形西川古柳座(後見含む)
演奏:辻幸生

構成・演出:Tom Lee、西川古柳
音楽:辻幸生
映像:Tom Lee、Chris Carcione
アニメーション:Linda Wingerter
照明:Jeanette Yew(オリジナル)、塚本悟(東京版)
音響:島猛
演出助手・通訳・字幕:日山加奈子
舞台監督:大山慎一
プロデューサー:奥田安奈

託児協力:NPO法人ちぃきちぃき
提携:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
助成:芸術文化振興基金、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]、(公財)関西・大阪21世紀協会、公益財団法人朝日新聞文化財団
企画・製作・主催:八王子車人形西川古柳座 Yara Arts Group

特設ウェブサイト: https://akutagawa-puppet.tokyo

(舞台写真:Richard Termine、稽古写真:八王子車人形西川古柳座)

活動情報

活動ファンド 社会創造アーツファンド Arts Fund
申請時期 2024年 第2回
活動地域 東京都
活動ジャンル 芸能、演劇
活動者名 八王子車人形西川古柳座
活動名 AKUTAGAWA 東京公演
活動名(ふりがな) あくたがわとうきょうこうえん
実施時期 2023年 3月 1日 ~ 2024年 10月 6日
会場 実施場所:座・高円寺1
所在地 :166-0002 杉並区高円寺北2-1-2
寄付金額 / 目標金額
37,200 / 2,500,000
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