芸術・文化支援サイト かるふぁん! -Fund for Culture-

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活動者の声

被災地の復興の様子/現状を芸術写真として撮影する

活動期間2012年 1月 1日 ~ 2013年 12月 31日

活動をしてみて

助成金なしには今回の撮影の旅はできませんでした。感謝しても感謝しきれません。本当にありがとうございました。"芸術写真として撮る被災地"というタイ トルにしましたが、実際撮り始めると芸術写真と報道写真の違いを痛感しました。被災地に行くと、必要とされているのは報道写真なのではないか、私が芸術と 言って被災地の写真を撮ることはおごりなのではないか、など、色々考えました。実際、被災地の方とお話をするとき、みなさんが口をそろえて仰っていたこと は、"被災地のことが忘れかけられている。私たちにとって震災とは過去のことではない。伝え続けてほしい。"ということです。この方達について、写真だけ で伝えることができるのか、正直わかりませんでした。特に鈴木明美さんとお話しさせていただいたとき、彼女のことについては写真だけでは伝えきれないと感 じました。鈴木さんは、あまり悩みすぎずに檜佐さんがいいと思うことをやればいいのよ、と励ましてくださいました。そして、ブログに彼女のことについて書 きました。私は個人で撮影をしていてその報道機関にも属していないのでその点では報道写真ではないのだと思います。どの写真が芸術なのか、それは見る人に よっても違うと思います。芸術と報道の境は曖昧であり、やはり私は私が撮りたい写真を撮り続けていくしかないのだと思いました。これからまた数回ブログを アップする予定です。これからもよろしくお願いいたします。

「北上町の方言集」復刻 ~失ったものを数えるのではなく~

活動期間2012年 10月 1日 ~ 2013年 1月 31日

活動をしてみて

東日本大震災で北上町十三浜に襲来した大津波は、各集落576世帯のうち477戸を全半壊させ、138名の死亡と83名の人々が行方不明というあまりにも大きな被害をもたらしました。
大室浜に住んでいた佐藤清吾氏(漁業者、社会教育委員、郷土史家)の家も流され、部屋一杯に所蔵されていた地域の歴史文化に関わる古文書、資料、蔵書等が一切消失しました。
その中には、佐藤清吾氏が2年の歳月を費やし、地域の人々の協力を得て、北上町十三浜の方言を取材し、2006年に制作した「北上町方言集」も含まれます。
「北上町方言集」は、地元の学校にも寄贈されており、2011年6月、片倉誠之助校長先生が、泥にまみれていた1冊を被災した相川学校(津波は3階建て の屋上まで達していました)から見つけ出し、水洗いして炬燵で乾かし、相川浜の仮設住宅の佐藤氏に届けています。このことをきっかけに、この本を復刻しよ うと企画が持ち上がりました。

―地域文化財復元の試みとして、『北上町方言集』を復刻・再発行し、震災後支えとなった言葉を加え、これまで生きてきた証とこれから生きていくための糧としていきます―

「北上町方言集」は、人々が苦難を克服し築き上げてきた独自の生活文化・風土が表現されており、十三浜固有の歴史文化を想起させます。猥雑な中にも 活力をもつ語り言葉は、「親と子」、「家」と「浜」の関係の確かな編み方がみてとれます。厳しくいさめる労働言語は、常に死の危険ととなりあわせにあり、 過酷な自然に立ち向かう生産現場で、年長者が若者に命の大切さと力を合わせて乗り越えようとする思いが伝わります。
「北上町方言集」は、方言翻訳集と違い、会話表現の手法をとり、読み手の記憶を呼び覚ますことで、語られる言葉の情景が浮かび上がる読み物となっています。
 
震災直後、津波により根こそぎ奪い去られ、呆然自失としていた時、地域のリーダーは「みっとかがっぺ」(一生懸命、みんなで-復興に-取り掛ろうよ)と 声を掛け、地域の人々は3.11を引きずりながら、しかし、立ち止まらずとにかく前だけを見つめここまで来ました。現在もまだ地域をあげて復興に向けた取 り組みは続いています。しかし、一方「防災集団移転事業」(高台移転)においては、個々人に苦渋の判断が迫られています。
生まれ育った当地を終の住処と定め、これからも命を繋ぐ地としていくことを選択する人々、また家族との葛藤、自らも悩みつつ当地をやむを得ず離れていかな ければならない人々、共に受け入れざるを得ない個々の事情をもちます。双方共に安んずる地域の人的関係づくり、社会関係資本(南部神楽等の伝統文化行事) の回復に向けて、コミュニティの再興が当地でも取り組まれ始めています。
当地で生活してきた人々が共に経験した大災害を乗り越え、しかし、心ならずも故郷から去らねばならない人も、浜に生きる人も、これから何処で生活すること になろうとも、北上町十三浜の人々が生きてきた証を表現している「北上町方言集」は、これからも生きていく人々の糧となることでしょう。

岩手県立博物館平成24年度テーマ展「いわての昭和モノ語り」

活動期間2013年 3月 30日 ~ 2013年 5月 26日

活動をしてみて

本展覧会は「戦後復興の軌跡、震災復興への希望」というサブタイトルを掲げ、岩手県の戦後復興のあゆみを現在と重ね合わせながらたどることで、その中に震災復興へ向けた希望を見出すことを趣旨として開催した。
貴ファンドからの助成により、パンフレット(A4判、16頁、フルカラー)を作成し、岩手県内のすべての小学校・中学校・高等学校ならびに岩手・宮城・福島各県沿岸部の博物館等文化施設に無償配布した。

この活動を通して来場の機会に恵まれない遠隔地の方々に対しても本展覧会が主題とする復興への希望を伝えると同時に、当該展覧会自体を東日本大震災からの文化復興のあゆみの一部として記録保存することができた。
展覧会会期中は、岩手県や宮城県の沿岸部からも、多数の家族連れや小・中学校の修学旅行生などを迎え、五千名を超える方々に展示をご覧いただいた。来場 者からは、「復興というキーワードからみた昭和のくらしは今の私たちにとっても一つの指針になってくれそうです。」「一つ一つ展示物にまつわる思い出がよ みがえって立ち去りがたいものでした。」「ぜひ第二弾三弾も企画してください。」など好評をいただいた。

今回は震災による大規模な被害を免れ、展示活動が可能である当館において、岩手県の震災復興を一つのテーマとした展覧会を行わせていただいたが、津波に より甚大な被害を受けた沿岸部の博物館関係者からは、地元においても文化復興に関する展覧会を独自に開催したいという思いを寄せられた。それが実現するま でには展示施設の再建はもとより、被災した資料を再び博物館資料として再生するという課題を克服しなければならない。文化財等の海水損という未曽有の事態 に対し、いかに対処すべきか、そのノウハウすら十分共有されていないという窮状に、多くの被災文化施設が置かれている。展示活動をはじめとする教育普及事 業を通して、被災経験の風化を防止するとともに本県の文化復興へ寄与していくことに加え、上記のような困難を抱えた被災文化施設の支援を継続していくこと が引き続き当館としての、また本県の文化復興における課題となる。

三陸のまちびらきを彩る「チーム信太くん」

活動期間2017年 7月 20日 ~ 2018年 3月 31日

活動をしてみて

各市町村で始まっているまちびらき。それぞれの町がその地域の特色を活かしたまちづくりを進めている中で、大船渡ではだれもが参加できるようアートワークショップを開催した。子どもたちの自由な発想、色使いによる作品ができあがり、長い期間(2018年3月まで)商店街を飾り、市民の方たちに楽しんでいただけた。さらに、作品を使ったアニメーションを制作することで、子どもたちの表現する力をより刺激することができた。

大船渡市内外から毎回多くの親子、子どもたちが参加し、新しい町を賑わせた。また、自分の作品が飾られているため、その後も見に来る親子が多くいたりするなど、ワークショップ開催期間だけではなく、町に興味を持つ子どもがいた。また、作品の前で写真をとり、SNSで発信してくれる方などがいたりするなど、関係者以外からも町の様子を発信するきっかけをつくることができた。

天照御祖神社大祭神輿修理事業

活動期間2012年 5月 1日 ~ 2012年 10月 31日

活動をしてみて

活動計画では、町内を練り歩き、海岸で完成、神事を行い披露する予定でしたが、復興が進まず、海岸荷揚げ場が使用できないため、花露辺漁村センターで行った。
 漁村センターは、永年町民の集会施設として、また、保育園として町内の活動を見守ってきたが、この度の震災による復興公営住宅の建設のため、解体することとなった。神輿の完成披露と漁村センターお別れ会と併せて開催。
 町内神社(権現様)から会場まで神輿の渡御と一緒に歩く人、手を合わせて拝む人、いつ復活できるかメドの立たない大祭を思い涙を浮かべる人、漁村セン ターの解体を惜しむ人、ステージに鎮座した神輿に玉串を捧げる人、地元太鼓保存会の演奏に拍手を送り、民謡と津軽三味線の音色を楽しみアンコールをする 人、仮設住宅で暮らす元町民もかけつけ、元気を確かめあう人など、ひとときの間震災を忘れて楽しみました。笑顔いっぱい、手拍手いっぱい、和気あいあいで 少しは復興に向かって前進したかな?と思いました。本当にありがとうございました。
あとは一日も早い漁業の完全復興に向け、漁港の整備をして頂き、町の基幹産業の漁業で震災前の活気ある町を取り戻し、式年大祭の復活を願っています。
がんばります。

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