今回は野外展の公募においては、今までで最多の応募があり、また最も質の高いプランが揃い、助成を受けたことで、その中から最多の作品を選択し、それぞれに作品制作の補助金を出すことができた。そのため近年では最も見応えのある展覧会となったという評価を得た。さらに助成により、事前のワークショップにより作家の作品に関与したり、身体表現作品に当日の参加することで身体性やコミュニケーションに関しての問題意識を共有したり、参加型プロジェクトによって新しい地域のつながりを実感したりなど、鑑賞するだけでなく参加し実際に体験することで起こる、アートショックといった効果を提供することができた。
またまちなかでは、前回までの1箇所での公演ではなく、助成を受けて会場費とすることができたため、数カ所の新たな場所での公演を行ったことで、まちの中にアートの地図の広がりを感じさせることができたと考える。さらにトンガ、韓国、フランスなど様々な地域からの参加者があり、異文化の交流や次回につながる新たな可能性を拓く事ができた。
当展は17年間の継続により、開催による祝祭性や楽しさにおいては、大きな信頼と協力を地域から得ている。地域の小学校や団体とも連携し、地元住民が集う公園やまちを舞台としており、その側面では極めて地域性の高いイベントとも言える。と同時に、前回からはっきりとしたテーマを掲げ、国内外に向けアート色の濃いメッセージを発信し、それに応える形で応募者が増え、質的にも高い作品が揃ってきている。さらに今年のテーマ「不在」は、詩情や個的な感情に届き、また解釈を広く取ることで社会的な事項にも結びつき、大きく展開する事ができた言葉だった。当展は、このように地域の独自性とアートという普遍的な言語の融合により、様々な年齢や境遇の人々、またオリンピックを契機に東京に関心を持つ国内外の人々に、西荻というまちの楽しさやそれを享受する事での心の豊かさ、アートによる視点の変化やその驚き、社会の問題への気づきなどをアピールする事ができたと考える。
観客・参加者の反応、アンケート結果等
当展は今回で17回目の開催となり、会場の善福寺公園や西荻のまちなかでは、「今年もアートの季節が始まった」という声を、現場での作品設置中から会期中にかけていくつも聞いた。公園ではじっくりと作品を鑑賞する姿が、幅広い年齢で見受けられ、参加者の知り合いや近隣住民だけでなく、アートに関心のある層や研究者にも関心を持たれてきていると感じる。例えばツイッターで「毎年11月開催の、作家招致と地域発信型の表現活動を軸に展開される芸術祭的なアートイベント。野外展示、滞在制作、パフォオーマンス、情報発信や啓蒙活動、そして運営。様々な試行の場として、表現者なら見逃せない様々が詰まっている。」という投稿もあり、一定の評価があったことを感じた。また会期終了後に、保育園児からの「妖精のおうち(宮嵜浩作品)がなくなっちゃった!」という声もあり、本当に様々な層に届いているという実感を持つことができた。
展覧会に御来場いただいたお客様のアンケートでは、「豊田のまちなかで異空間を味わえたようで面白かった」、「建物と作家の発想がとてもマッチしていてステキだった」など好評な感想をいただき、満足度は、「とてもよかった」「よかった」を合わせると約90%、ワークショップを始めとした関連プログラムに御参加いただいたお客様のアンケートでは、「世界が広がったような気がしました」、「みんなでひとつのものをつくるのが良かった」、「いろんな視点から観察するいい体験になった」といった感想をいただき、大変大好評であったと考えております。
今回の公演は音楽大学や大学院卒業後間もない新人を起用し、今後のオペラ界を担っていく若手育成を主軸に据えた公演でありながらお客様からも好評を頂くなど出演者個々に成長が見られました。昨今、音楽学生が減少する中、出演側の人材確保のアプローチ方法も変えていく必要性を感じています。運営面では公演日が近付くにつれ、記者発表やSNSの利用などから出演者側のアプローチも強化しましたが、入場券発売当初はお客様の反応が芳しくなく、一定の来場者数を確保するのに時間を要しました。若手出演の公演ですので、入場料は抑えねばならず、収支は依然厳しいものがありますが、貴協議会を通じてご寄付を得られることは、公演を運営する上でとても励みになっています。
達成した点・成果が認められた点:上演前は、シンプルな舞台に加えて、ダ・カーポアリアであるため冗長にならないかを懸念していたが、ご来場のお客様からのアンケート結果からは、「客席と舞台が近いのが大変良かった」、「ホールの特性を生かした演出がおもしろい」、「(客席の)自分の方を向いて歌っている時は特別感があった」とのご意見を数多く頂戴し、あましんアルカイックホール・オクトでのアリーナ形式での上演のレパートリー化については、達成できたと思われる。又、ペルゴレージ作品の素晴らしさ(特にメロディーの美しさ)を再認識したとの感想や、上演回数の少ない演目で関西初演でもある点から、遠く神奈川県からもご来場頂けたことも成果が認められた点として挙げられる。
達成されなかった点・改善すべき点:アリーナ形式舞台での上演で最も悩ましいのが字幕投影の位置であった。もともと字幕投影用のプロジェクターは2台の予定であったが、座る席によっては字幕がニケ像の翼と重なったため、急遽、プロジェクターを2台追加し、4方向で字幕を投影することとなった。又、映像との重なりを出来るだけ避けて字幕を配置したが、アンケート結果では「字幕の投影位置が高すぎる」「字幕が読みづらい」等、お客様よりご指摘を頂く事となった。
達成されなかった点・改善すべき点に関する今後の対応:事前の字幕試写では、実際に飾る装置と同寸のダミーを配置し、全方向の客席にて重なりや高さ調整含めて鑑賞への支障が無いか確認を徹底していく。
活動をしてみて
若手歌手の成果発表にも関わらず、沢山のお客様にご来場いただき、貴重な助成のご支援を得られました事に、心より感謝する次第です。
今回の貴重な経験を糧により一層の芸術性の向上とオペラ芸術文化の普及に努めて参る次第です。