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活動者の声

がんばろう石巻!応援コンサート

活動期間2011年 6月 30日 ~ 2011年 11月 30日

活動をしてみて

校内に仮設住宅が建設された小学校で、児童と仮設住宅入居者との合同鑑賞会を実施した。グラウンドには58棟の仮設住宅が建ち、抽選で入居が決まった方々は、高齢者が多く、お互いが知らぬもの同士であるため、児童を含めた相互交流が期待された。
 編成はヴァイオリン、ピアノのデュオで、児童らは、仮設住宅の一軒一軒にコンサートの案内状を届け、入居者は約30名が参加した。児童の多くも被災して いるが、皆明るく元気に演奏を聴き、演奏家からの呼びかけにも無邪気に対応する。大人はヴァイオリンの調べに時折涙しながら、終始穏やかな表情で鑑賞して いた。高齢者の方が寂しくないようにとの学校長の配慮により、児童と被災者との世代間交流を図るべく実施したコンサートは、演奏家の理解もあり、その目的 達成のための第一歩となった。

 また、学校訪問の合間を縫って、仮設住宅団地の集会所で初めてコンサートを実施した。編成はソプラノと弦楽四重奏。こちらも住民間の交流が少な く、コミュニティーはまだ形成されていない。開演時間を過ぎてもなかなか集まらなかったが、集会所から演奏の音が漏れ始めると、ひとりふたりと引き寄せら れてきた入居者の方々は、最終的には30名となった。モーツァルトの弦楽曲、オペラのアリアの演奏のほか、童謡メドレーや浜辺の歌、ふるさとなど、誰もが 知っている曲は参加者もいっしょに歌った。音楽が心に響いたのだろう、参加者が泣きながら演奏を聴き、歌う姿に、演奏家も涙を抑えることができなかった。 演奏終了後、「クラシックは初めて聴いたけど、音楽っていいわね。癒されました!」と、津波で家と家族を亡くしたという女性が、演奏家に向け語っていた。 声を出し歌うことで、ストレス解消の効果があるのかもしれない、また、弦のやさしい響きが疲れた心を慰めたのだろう。演奏家も観客もスタッフも、戸惑いな がらのスタートであったが、会場は温かく、和やかな雰囲気で終演を迎えた。

門中組虎舞復興事業

活動期間2011年 7月 24日 ~ -0001年 11月 30日

活動をしてみて

まずもって助成金大変有難うございました。振興会のメンバーそして地域の方々も感謝しております。お陰様で避難所であった末崎小学校体育館で短時間であ りましたが、念願の門中組虎舞復興祭が実現できたことは仮設住宅の皆さん、地域の方々そして振興会メンバー皆喜んでおりました。

 特に終わった後は笑顔で皆さん良かった良かったと声をかけて下さって、ほんとうに嬉しく、実施して良かったと改めてメンバー共々実感いたしまし た。そして私自身まず練習で太鼓の音を最初に聞いた時は鳥肌が立ち、そして本番の時は舞台のそでから虎舞、太鼓、笛を見て、そして観客を見て地域の皆さん の観る目は震災前と変わらず会場が一体となっている情景を見て感激を受けました。今まではこんな事は経験したことがありませんでした。メンバーたちも避難 所でお世話をし、そして一緒に生活をして共に頑張ってきた思いがあり、皆同じ気持ちだと感じたことだと思っております。
 今回の助成を受けたことは津波で流された装束を揃えることが出来、今後練習にますます精進し地域の文化を絶やすことなく後世に引き継いでいきたいと思っております。本当に有難うございました。
 また今回ご寄付を頂いた皆さま、そして笛への助成を頂いた株式会社梶本音楽事務所様(マルタ・アルゲリッチ様)本当に感謝申し上げます。有難うございました。
 私たち門中組虎舞は今回の復興祭を通してさらに絆が深まり、地域の皆さんと一緒に一日も早い復興を目指して頑張っていきますので、温かく見守って頂きたいと願っております。
 有難うございました。

がんばろう石巻!応援コンサートⅡ 音楽アウトリーチ事業

活動期間2012年 6月 1日 ~ 2012年 11月 30日

活動をしてみて

 本事業の実施にご理解いただき、ご寄付ご支援をいただきました皆さまに心より感謝申し上げます。
 昨年に続き、学校や仮設住宅の集会所を会場として、43回のコンサートを実施しました。出演者からは、昨年同様、ボランティアとして支援活動をしたいと の有難い要請もございましたが、今後も継続的に本事業を開催し、当財団としても事業運営にかかる震災からの復興を目指すために、予算の範囲内で公演料等の 必要経費を負担することにしたため、財源の問題から昨年度と比較し実施回数は減少しています。
 演奏家らによる出前コンサートとして実施するこのスタイルは、演奏会場がプレハブの仮設校舎や修繕が進まない校舎であったとしても、それぞれのケースに 柔軟に対応しながら、本格的な芸術鑑賞事業を体験できたと、学校からは大変好評で、次年度以降のリクエストも数多く寄せられています。
 また、仮設住宅内での公演においては、住民の方々が声を掛け合い、誘いあって参加する様子から、特に被災者に対しては、身近な場所での定期的な催しに参 加いただくことにより、音楽による癒しの効果を期待するだけでなく、住民間による交流、互いの体調や情報等の確認などにも役に立つものと感じました。
 この取り組みについては、学校の環境改善や仮設住宅が解消されるまでなどの不確定な将来に向けて、また、被災したホール等が再建するまでの期間を目標 に、芸術文化における震災復興支援事業として継続実施していくことを計画しています。財源の確保やそれに伴う継続性に課題は残りますが、当地域において は、小規模ながらますます必要とされる事業であると実感していますので、今後とも日々変化する状況に対応し、事業の実施に努めてまいりたいと考えます。

舞台芸術専門講座 ウォーキングARC>T

活動期間2012年 5月 28日 ~ 2013年 3月 31日

活動をしてみて

東北の地で文化芸術活動を志す、またそれに携わる人たちを対象とした本講座は平成24年度に開催された。第一線で活躍される舞台芸術の担い手をガイド (講師)としてお招きし、舞台監督、大道具、制作、俳優、演出など、裏方篇から実演家篇まで幅広い分野に渡り行われ、概念や理論にとどまらず、実践的な内 容となった。参加者は、高校生、大学生、社会人、俳優、ダンサーと様々。普段は実演家として活動している人も裏方篇に参加するなど意欲的に取り組む姿が見 られた。

 頂いた助成金は主に講師陣の交通費や宿泊費等に使用し、舞台芸術に携わるもの同士の出会いの場を多く創出することができた。舞台芸術活動の第一線 で活躍されるガイドの技術やノウハウを見て聞いて実践することにより、参加者からはスキルアップに繋がったとの声が多く寄せられ、今後東北の地で芸術活動 を行うにあたり、具体的な技術の活用を見出すことができた。
 また、一過性のレクシャーとしてではなく、共に学ぶ場として設けられた本講座は、ガイドと共に参加者の経験談や、舞台芸術にかける思いを共有することで、舞台芸術に携わる人々の交流が図られた。
 ガイドにとっても物作りに対する熱意や、楽しさの再確認となった様子で好評を得る。相互作用により場の意識が向上していた。講座終了後もガイドと参加者が独自にSNSなどによって盛んに交流をする様子からも、有意義であったことがうかがえる。
 東北にとどまらず、様々な地域の舞台芸術に携わる人たちの技術、意見そして思いの交換の場として有効な講座であった。今後の課題としては事前告知を充実 させより多くの方に参加してもらえるよう心がける。また、これまでに開催された内容の応用編と共に、他の分野の講座の開催を目指す。

三上クニトリオ・ジャズコンサート

活動期間2011年 5月 31日 ~ 2011年 6月 11日

活動をしてみて

<始めに>
「三上クニトリオ・スプリングツアー2011」は、「5月半ば~6月半ばまでの期間、四国~関東、東北~北海道」を回ることになっていました。震災後「予 定していたコンサートを延期したい」「見合わせたい」という申し出がいくつかありましたが、最終的には、何ヶ所かの中止、延期はあったものの、ほぼ予定通 り26ヶ所での演奏を行うことができました。
震災直後、自粛ムードが蔓延する中で「自粛せずに音楽を届けるべきではないか」と思う一方、「音楽でいったい何ができるのか」という気持ちにもなりまし た。しかし、ツアーは東北地方を訪れますし、震災から2~3ヵ月後の5~6月という時期は、ちょうど文化が必要になるのでは、と考え、被災地で無料コン サートを行うことを決めました。
そう思っていた4月半ば過ぎ、大きな被災地としてすっかり地名が有名になった、宮城県南三陸町の主催者「ファームステージ風の宿」の杉田さんとやっと連絡 が取れました。震災前から演奏は決まっていましたが、震災後、杉田さんの安否確認だけはできたものの、1ヶ月以上連絡が取れなかったのです。杉田さんのご 家族も、建物も無事であることが確認でき、相談の結果、予定通りの場所と日にちで無料コンサートを行うことを決めました。

福島県白河市でのコンサートは断念せざるを得ませんでしたが、主催するはずだったアルファプランニングと協議の結果、福島県西郷村の避難所で、チャリティコンサートを行うことを決めました。
宮城県松島町でも、これまでお世話になっている酒屋「むとう屋」が窓口になり、商店街の皆さんをご招待するコンサートを観光ホテルで実施しようと計画しま した。しかし、比較的被害の少なかった松島は、宮城県各地への中継地点として仮説住宅建設事業者の宿泊施設となり、演奏を予定していたホテルでの受け入れ 体制が整わず、断念しました。
 以上、当初宮城県南三陸町、福島県西郷村、宮城県松島町の3ヶ所でのコンサートを申請しましたが、南三陸町と西郷村の2ヶ所でのコンサートとなってしまいました。お詫びすると共に、ここにご報告申し上げます。

<5月31日 宮城県南三陸町>
この時点で南三陸町にはまだ水道が通っておらず、川では水を汲んでいる人たちがいました。演奏場所の「ファームステージ風の宿」は高い所にあり無事でした。またこの集落では以前から水道ではなく沢の水を使っていたので、震災後も水には困らなかったそうです。
高台以外はテレビで見たままの瓦礫の山の風景、その中を小学生の集団が歩いていました。この子たちは、毎日この風景を見ながら学校へ通っているのかと思う と心が痛みましたが、この現実を受け止めて、しっかり生きていかなければならないのも事実でしょう。実際、瓦礫の山の間に簡易郵便局があり、ワンボックス カーのコンビニがあり、人々の生活が感じられました。
「ファームステージ風の宿」でのコンサートには、約40名の方々が集まって下さいました。避難所から、仮設住宅から、他の地域から、そして東京からボラン ティアでこの町に入っていた方もいらっしゃいました。演奏後、主催の杉田さんからのごあいさつがあり、今日のコンサートに至る経過などの説明がなされまし た。そしていらしていた皆さんの中で家をなくされた11名の方々に、私から直接、全国の演奏会場で集めた義援金をお渡ししました。
主催者のお言葉に甘え、演奏終了後にCDを販売させて頂きましたが、皆さんが口々に「今はもう、買いたい物が何もない。でも今日のコンサートを聴いて、このCDが本当に欲しいから買います」と話しながら買ってくださり、喜んでいただけたことをひしひしと感じました。
後日「本当に暖かい気持ちになりました」「誠実さがにじみ出た演奏で、被災とは別の次元を堪能しました」という感想をお送り頂きました。

<6月11日 福島県・西郷村>
福島県西郷村にある「那須(なす)甲子(かし)青少年自然の家」という避難所で演奏しました。ここは、普段は青少年がキャンプや合宿に使う施設で、原発か ら避難してきた人たちが当初は400人程いたそうですが、この時点では約100人の方々が避難生活を送っていました。仮設住宅へ、あるいは他の地域へ移動 していく時期と重なり、この日は土曜日ということで仮設住宅の準備等で外出されている方が多く、参加者は40人程でした。
しかし赤ちゃん、小学生から年配の方々までがいらしてくださり、「すごく癒されました」「心も身体もウキウキ、すばらしい時間だった」「素敵な日をありが とうございました。気持ちも心も洗われるようで感動しました」「久しぶりに文化に触れてジーンときた」といった感想が寄せられ、避難所のスタッフの皆さん にも大変喜んで頂きました。

<終わりに>
全国各地の演奏で集めた義援金、合計126,759は、三分の二を南三陸町の津波によって家を無くされた方々にお届けしました。三分の一を西郷村での演 奏にご尽力くださったアルファプランニングに託し、南相馬市から避難して白河の仮設住宅に入居した、白河高校2年生と白河中央中学3年生のご兄弟に、地元 の村上スポーツからバスケットボールとシューズを、浪江町から来た石井さんに下駄箱をお届けしました。(写真左下)
被災地支援の意味から、地元商店を優先して購入して頂きましたが、下駄箱を購入したくろす家具も、地震でお店が半壊、お店の1/3は取り壊し、写真のような状態で営業していました。

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