芸術・文化支援サイト かるふぁん! -Fund for Culture-

企業メセナ協議会の
芸術・文化への寄付に関するポータルサイト

活動者の声

「311ドキュメンタリーフィルムアーカイブ」プロジェクト2016~3.11映像記録のこれまで、これから

活動期間2016年 10月 10日 ~ 2017年 3月 31日

活動をしてみて

東日本大震災から丸6年が経とうとしている現在、被災県以外で震災関連の記事や映像が流れるのは毎年ほぼ3月だけになっています。近年熊本や鳥取での大きな地震もあり誰もが大災害の被災者になる可能性があると広く認識されているとはいえ、日々社会の中で3.11の記憶は薄らいでいるように感じられます。その中でどれくらいの方が私たちの上映企画やアーカイブ事業に関心を寄せてくださるか不安でしたが、今年度も多くの方々が上映会に参加下さいました。やはり記録映像が喚起する力、特に記憶の呼び戻しやその継承に果たす役割は大きいと実感しています。また調査を続ける中で、数は減ったとはいえいまだ関連の記録映画・ドキュメンタリーが各地で作られ続けていること、また被災地で長期にわたり粘り強く記録し続けている作家がいるという事実にも触れ、心強く感じました。今後はやはりこうした作品群の存在を広く知っていただき、上映機会をいかに高めていけるか、またこれらの作品を完全な形でいかに将来に残していけるかを、それぞれの回路で地道に考えていく必要があることを強く実感しています。今年度ご支援いただいた助成元の皆様のお力添えのもと、同様のアーカイブ活動を行なっているせんだいメディアテークや国立国会図書館など他関連機関とさらに情報交換し連携を深めながら、映像を見て震災、来るべき大災害などについて話し合うことのできる場、映像記録を確実に史料として残していける場を永続的に確保していくことが当事業の使命であると改めて感じました。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2017 震災特集プログラム「ともにある Cinema with Us 2017」

活動期間2017年 7月 1日 ~ 2017年 10月 19日

活動をしてみて

今回の「ともにある2017」では、テレビドキュメンタリーの製作現場や、海外の映像アーカイブの取り組み紹介といった、これまでより視野の広いプログラムを組むことができた。これは本プログラムのコーディネーターである小川直人氏、藤岡朝子氏お二人が日頃の活動の中で培った知見と人脈の賜物であり、また、このSOMPOアート・ファンドによる多額の助成があって初めて実現したプログラムである。心から感謝申し上げたい。
 本プログラムはこの先も継続することを目指しているが、各所からのご支援を得ながら、何とか今回のような質の高い上映・ディスカッションプログラムを維持し、震災復興における映像の果たす役割を最大限開拓していきたい。当映画祭の使命の一つに、ドキュメンタリー映画を通して世界のさまざまな苦境にある人々の姿を参加者と共有することにあるが、大震災という歴史的惨事を語り伝えるために、忘却に抗う機会を作り、新たな映画製作を支援する仕組みを、引き続き地道に考えていきたいと考えている。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2017 震災特集プログラム「ともにある Cinema with Us 2017」

活動期間2017年 7月 17日 ~ 2018年 3月 30日

活動をしてみて

映画祭での新作の震災記録映画の上映は今回6本となり、前回(2015年)前々回(2013年)に比べ数としては少ないが、被災家族の思い、動物との暮らし、コミュニティの再生、震災に対する芸術家の思いなど、多様なテーマをもつ完成度の高い作品を上映し、国内の関心の高い観客や、世界各国から来ていた映画配給・興行関係者に紹介することができた。その結果、これらのうちの数本が、2018年3〜4月にドイツやベルギーなどで上映された。質疑応答とディスカッションプログラムでもそれぞれ活発な意見交換がなされ、招聘した6名の監督は映画祭後、揃って「映画祭に参加し観客から作品の内容について多くのフィードバックを得られたことで、今後の製作の刺激になった」という感想を寄せてくれた。作る側、見る側双方に多くの収穫をもたらすプログラムとすることができた。
また今回のプログラムでは特に、これまで検討しながら様々な理由で果たせなかった二つのテーマについてのディスカッションプログラムを組むことができた。一つは震災に関するテレビドキュメンタリーの製作現場とその今後の展望についてのディスカッションである。映画よりも身近な日常にあるテレビ映像の影響力の大きさはこれまでも多方面で指摘され、当映画祭でも早々に取り上げるべきテーマとなっていた。日々現場で様々な制約と闘いながら視聴者に向けて映像を発信しているテレビ業界の作り手を招き、そのお話を聞くことで、テレビと映画の根本的な違いやそれぞれの限界、地方局の現場の実際を知り、また世にあふれる映像を視聴者としてどう見ていくべきか、といった諸問題について、具体的な問題として参加者と共有することができた。
 もう一つは、海外の映像アーカイブとの連携プログラムの実現である。国際映画祭のプログラムの一つとして開催し続けて来たこの「ともにある」だが、これまでは上映もディスカッションもほぼ国内の事象にのみ視点が留まっていた。今回は「映像アーカイブと教育」をキーワードに、大規模災厄の実態と人々の経験について、それを知らない若い世代に伝えるためにさまざまな工夫を行なっているカンボジアでの取り組みを紹介し、そこから学ぶプログラムとなった。特にスマートフォンアプリ導入の事例など、デジタル文化が普及した現代の社会状況に即した、より具体的な記録映像の保存・活用のための工夫や映画製作支援の方法を、会場の参加者とともに知ることができた。
またこのフィルムアーカイブ企画に関連して行なった2018年3月の特別上映会「震災と『地域映画』の未来」では、古い8ミリホームムービーを発掘し、その上映を通して住民同士で地域の記憶を守り、共有する三好大輔監督の「地域映画」の試みを紹介した。当日は21歳の被災地出身の学生から地元の70代まで、幅広い層の22名の観客が参加した。昔の映像や音声を見聞きし、その内容についての記憶を辿り、その詳細を若い世代とともに語り合うという、シンプルだが非常に濃密な経験が、地域の伝統文化・歴史を受け継いでいく上で重要な、世代間をつなぐ結節点の働きをすることを、三好監督のお話と作品を通して知ることができた。

山の恵みの映画たち2020

活動期間2020年 1月 15日 ~ 2020年 12月 31日

活動をしてみて

○感染症対策のノウハウ蓄積
 2020年春以降新型コロナウィルス感染拡大により多くの文化事業が中止を余儀なくされるなか、スタッフ・来場者の検温や消毒の徹底、社会的距離を確保しての場内誘導、密集を避けるための動線の確保など、感染症対策を講じて安全に事業を実施できたことは、当法人が今後も継続的に上映活動を行ううえで重要な経験となるとともに、他の文化団体にとってもコロナ禍におけるイベント開催のモデルケースの一つとなった。
 また、今回は結果的に県外のゲストも招聘することができたが、リモートでトークセッションを行うことを想定した機材を準備しオペレーションの練習を積むことができた。このことにより、2021年10月予定の当法人主催の「山形国際ドキュメンタリー映画祭2021」をはじめとして、今後の各種上映会開催における感染症対策を講じたイベント運営ノウハウを蓄積することができた意義は大きい。

○上映プログラムの多様性と観客開発
 アンケートの集計結果によると、本開催の来場者のうちドキュメンタリー映画祭に参加したことのない割合が4割を超えた。このことから本企画は、ドキュメンタリー映画に馴染みのない層、普段映画館に足を運ぶ習慣のない層に対して、芸術性と文化的価値の高い良質な作品に触れる機会を提供できたと言える。とりわけ今回初めてラインナップに組み込んだアニメーション作品の上映では、これまでにない親子連れの客層を開拓することに成功し、山というテーマを軸にしながら多彩なプログラムを組み込むことの重要性を実感した。
 こうしたプログラムの多様性は、当法人職員のみならず、市民有志にも上映作品選定の段階から携わってもらうことによって実現できたと考える。今後も広く市民に開かれた活動を意識し、映像文化の普及に貢献したい。

○コロナ禍における文化芸術活動の活性化
 コロナ禍において3日間でのべ900人以上、先行関連企画も合わせて全体で1,000人以上の来場者を記録した本企画は、地域住民および県外からの来場者に対し良質な映画を鑑賞する機会を創出し、コロナ禍において停滞する地域の文化芸術活動の活性化に大きく貢献した。また、画家や写真家による山に関する作品の展示を行うなど、分野を超えた交流を生み出した。
 今回会場としてお借りした映画館は、単にスクリーンに映画を映す空間としてのみならず、地域の文化活動の拠点、多様なバックグラウンドを持つ人々のコミュニティスペースとして機能している。当法人が事業の柱とする2年に1度の映画祭の開催が、一過性のものではない文化財として地域に根を下ろすためにも、年間を通じて文化施設・団体との連携を密にすることの重要性を改めて感じた。

ヒューマン・セレブレーション 三陸国際芸術祭 2014

活動期間2014年 8月 16日 ~ 2014年 8月 24日

活動をしてみて

東日本大震災後、文化芸術による復興が叫ばれ、多くの方が被災地で活動を行っている。本芸術祭は、その中で、郷土芸能を核とした世界に通じる復興の形の第一歩を示すことができたのではないかと考えている。この芸術祭を継続していくことで、世界中の人たちが、三陸を訪れ、郷土芸能に触れるとともに、被災からの復興を応援していくことになればと思う。三陸の未来を文化芸術によって形作ることは、現在、地方の衰退が大きな課題となっている日本にとって、大きな社会的な役割を担うことになると信じている。
また、東北外部のアートNPOとして専門性を活かして「つなぐこと」ができたと思う。アジアの芸能との交流、コンテンポラリーダンスアーティストとの共同制作、観客との出合い。今後、ダンスアーティストのみならず、様々なアーティストがこの地に滞在し、作品を制作できる環境を整えていくことによって、文化芸術が復興の一翼を担うことになればと考える。そのためにも、様々なアーティストが関わることができる本芸術祭の必要性を強く確信した。

Page Top
PAGE TOP