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活動者の声

OCT/PASS PLAY KENJI 宮城県ツアー

活動期間2011年 7月 9日 ~ 2011年 7月 30日

活動をしてみて

 震災後の公演にどれくらいのお客さんが来てくれるのか?この時期に演劇などをやっていていいものだろうか?
という蓋を開けてみるまでどうなるかわからない劇団にとっても初めての公演だったが、各会場で公演を行うたびにお客さんは何かを求めて待っていたというの を感じた。7月中の公演は比較的街中などの内陸部での公演ではお客さんの反応も宮澤賢治作品ということでとても良く、笑うところあり泣くところあり、そし て野外の夏という最高のロケーションも相まって出演者も観客も心に残る作品になったと思う。
 野外という劇場を選んだおかげで道行く人々や劇場に足を運んだこともない方々にも演劇という文化を広く観て感じてもらえた。10月以降の公演は正直、ほ んとにどうなることか?劇団員全員が心配だった。沿岸部というこの地震で一番の大きな被害と心に大きな傷跡が残った場所での公演、誰も来てくれない、もし かしたら罵声や石を投げつけられるかもしれない。それでも7月の公演でのお客さんの反応と作品の持つ力強さを糧に沿岸部の公演を行った。会場からは津波で 呑み込まれた場所がすぐ見えるところばかり、上演前には黙?を捧げてから公演を行った。元気づけるなんて大それたことは考えず、ただ祈りをささげるという 心持で公演を行った。それなのにお客さんは誰も退席する人はいなく最後まで観て下さいました。そして、温かい拍手をくれまた来てくださいと言ってくれた。 その言葉が自分たちにとって何よりの励みとなり演劇がもつ力を実感した。そして、1年限りではなく来年以降も一緒に寄り添い復興していくために公演に来る ことを劇団では決めた。公演会場でお客さん同士が久しぶりの再会を果たして抱き合い喜び、お互いのことを話している姿を何度も見かけた。自分たちの作品が 人と人とをつなぐ役目もあったんだという印象深い公演になった。

「海に沈んだ写真の記憶」(短編ドキュメンタリー・20分)

活動期間2011年 6月 1日 ~ 2011年 8月 31日

活動をしてみて

映像の制作過程で感じたことは、ボランティアをする日本の若者たちの新しい価値観や現地をサポートする難しさです。写真を洗って持ち主に戻す行動は、一見瓦礫撤去などに比べると軽いボランティアのように見えますが
その作業は実に地道で、毎週東京から東北の現地に入る人々には強い心意気を感じました。そういったものを映像に納めるよう努めました。写真を通じてその土 地の文化や人のつながりを留めようとする活動を通じ、写真というものが象徴する人々の記憶が、いかに人が生きていく上で大切であるのか。そこにボランティ ア活動の重点を置く日本人たちの考える「心の復興」が今回の映像制作の大きなテーマとなりました。また、この活動を映像で記録し、多くの人に見せること で、大きな悲劇の後に人がこんな風に支えることができる、といった良い具体例を提示できるのではないかと思います。

 制作の過程で、ボランティア団体がより多くの参加者を必要としているという状況を聞き、今回の短編をボランティア活動の説明にも使えるものにしま した。その結果、ボランティア団体の方々からは、映像で見せることにより、彼らの活動がより明確に伝わりこの映像が多くの人々が参加してくれるきっかけに なったとの言葉をいただきました。ある意味、私たちはこの映像制作を通じてこのボランティア活動に参加しているのだと思わされました。
 この短編をきっかけとして、今後同じテーマの長編制作へとつなげることができるように努め、展開していきたいと考えております。

 この短編をきっかけとして、今後同じテーマの長編制作へとつなげることができるように努め、展開していきたいと考えております。

100人の笑顔を届けるプロジェクト

活動期間2011年 6月 1日 ~ 2011年 10月 1日

活動をしてみて

被災状況や支援や救援状況が最も悪い地域を中心に活動いたしました。
みなさん震災により、思い出の写真を失った方が多く、新しい思い出づくりに大変役に立てたように思います。

時期的に、まだ笑顔の写真が撮れないといった方も中にはいらっしゃいましたが、やっと気持ち的に写真を撮れると喜んでくださる方がほとんどでした。

炊き出しや救援物資、ヘアカット、ネイルなどのサービス提供も同時に開催するなどして、皆さんに集まっていただき、また会話などするうちに打ち解けて、みなさんがきれいになったところで笑顔の写真を撮らせていただくことができました。

髪や爪をきれいにした奥さんと笑顔で写真を撮られる旦那さんがとても印象的でした。

また、思い出の写真が本当に奇跡的に見つかった方の写真を撮りなおして、なんとか復元したりと、写真の新しい可能性や、この企画の新しい方向性なども発見できたように思います。

「希望の鼓」 雄勝中学校和太鼓支援プロジェクト

活動期間2011年 6月 1日 ~ 2011年 11月 30日

活動をしてみて

津波によって中学校全生徒が地域を離れ仮設住宅に暮らす中、楽器も地域指導者もいない状況下で、地域・学校・生徒に大変喜んで頂いた。和太鼓の力によっ て、子供達は未来に向かって希望をつかみ、歩み出した。学校・生徒さん側からの要望として、今後は地域芸能の継承と同時に、この震災を受けてからの再出発 への新曲(オリジナル)がほしいと望まれています。

ありがとうございました。

TohokuCraft

活動期間2012年 4月 1日 ~ 2012年 12月 31日

活動をしてみて

最初の避難所に伺っていた頃(5月~9月)は、大きな不安と混乱のなかで、つかの間ですが、心の安らぐ時間を被災された方々と一緒に過ごすことができま した。避難所には枕が支給されていないと聞いていましたので、数種類の枕と枕カバーを作るための材料を持っていくことから私たちの活動は始まりました。ま た、季節は暦の上では春になっていましたが、石巻はまだまだ寒いと聞いていましたので、毛糸もたくさん持っていきました。
 避難所には震災前に編み物をやっていらっしゃった方がたくさんいて、「ここ(避難所)でこんなこと(編み物)ができるなんて思ってもみなかった」と喜ん でいただきました。避難所の一歩外は、建物が傾き、ガラスが割れたままになっている、街全体が廃墟になっているという状況でした。慣れない避難所生活で明 日のこともわからないという緊張のなかで、そのときは、ただただ編み物の目を増やしていくという単純作業で、それまで心を占領していた不安や恐怖から離れ て気持ちをほぐし、自分自身の時間を取り戻していただけたようです。
 また、人数の多い避難所では、顔は知っているけれど、名前もわからないという方がいました。会で一緒に縫い物や編み物をしていただいたことで、言葉を交 わし、お互いの作品を見せあいながら、新しい友人を作る機会にもなったようです。また、私たちも一緒に手を動かしながら、参加者の方からどうやって震災後 の数日を生き延びたのか、さまざまな体験をお聞きしました。見も知らぬ私たちのようなものだからこそ、言いやすかったかもしれません。言葉にして吐き出し ていただくことで、少しでも悲しみや不安をヤワラゲテいただけていたなら、と思います。
 会では、津波ですべてを失った方が、支援物資のなかからとりあえず着られるもの、使えるものを選ぶのではなく、自分の好きなものを好きなように作るとい うことで、「自分」というものを取り戻す機会にしていただけたように思います。また、自分で作ったものを家族や友人に贈る方もいらっしゃいました。ものを 自分の手で作るということは、道具を作るということだけでなく、日常生活とコミュニティの未来を自分自身の手で作るということの小さな小さな一歩になりう ると思いました。これがまさに芸術や文化が持つ力だと身を以て感じました。この力を今後も継続することが重要と考えており、二度目のご支援もいただけたこ とは現在の大変大きな助けになっています。
 全5回の訪問のさまざまなエピソードに関しては、ホームページで公開しているものをご参照ください。

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