様々な方のご協力の下、当初の予定通りの内容を安全に実施することができ、良い活動ができた。
当フェスティバルはこれまで、主に実行委員会の構成団体による主催者負担金及び公的な助成金により活動をしてきたが、かねてより民間の団体ともネットワークを広げていきたいと考えていた。今回SOMPOアート・ファンドの助成をいただけたことで、助成金によるサポートはもちろん、それ以外の交流や子ども向け演目における広報協力など、金銭的なこと以外でも得るものが大きい活動となった。
予算が厳しく背水の陣の気持ちで、団員が一体となって取り組んだのがエネルギーとなって、練習にも熱が入り、収入・支出面でも足が地についた活動ができました。演奏会の出来栄えも一歩前進でき、団員は自信を得たと考えます。これには、指導の先生やソリストやオーケストラのメンバーとして参加して下さった皆様の熱意があって実現できたものです。
翻って、合唱団の今後の方向を考えると、いろんな事情から団員の交代があるのは想定しておかねばなりません。今回は全員参加で運営に取り組み、苦労を重ね、成功に漕ぎ着けました。今回得た個々の担当業務の経験を報告書として書いてもらいました。これを業務マニュアルとして生かし、今後につなげてゆこうと考えています。
来場者アンケートの結果、下記のような結果が得られました(一部抜粋)。
性別:男性37%、女性62%
年齢:20代30%、30代25%、40代20%、50代12%
来場者地域分類:京都市内37%、関西35%、関東15%、外国8%
過去来場歴:初めて52%、以前来場したことがある48%
当フェスティバルを知ったきっかけ:公式ホームページ19%、その他ウェブ4%、チラシ・ポスター25%、新聞・雑誌・テレビ9%、知人から36%、その他7%
なかでも特徴的だったことは、「今回、初めて来場した」が52%で全体の来場者の半数以上を占めていることでした。開催5回目を迎え、ようやく集客につながる周知がひろく行き渡ったことを実感しました。カメラや写真誌、アート誌に限定せず、ファッション誌や京都リビング新聞、京都市内のデパートとのコラボレーション(ショーウィンドーを使用した告知等)、京都市内数数箇所の商店街の協力によるフラグ設置など、工夫・徹底した告知活動が功を奏したのではないかと分析しております。その効果を受けて、会場では入場者が多く、行列や混雑が発生し、入場制限をかける等、あたらな課題が生じました。会場運営の見直しや来場者対応など引き続き改善、検討を重ね、次回開催に備えたいと考えております。
「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2017」は、「内なる他者との出会い」というテーマの元、先鋭的なプログラムを上演し、大きな反響を得ることができ、33,838名の方に来場いただくことができた。
当フェスティバルは「創造するフェスティバル」と掲げており、できあがった作品を招聘するだけでなく、ともに作品を創作するところから、アーティストと関わっている。今年度は、約半数の作品が共同製作作品、またはフェスティバルの製作作品であり、内4つのプログラムではアーティストが京都に滞在し、クリエイションを行った。そのうちのひとつ、神里雄大氏による『バルパライソの長い坂をくだる話』は、一年前から神里氏がアルゼンチンに滞在し執筆。帰国後、南米から俳優を招き、京都で稽古を行い、スペイン語で上演した作品であり、この作品で先日、神里さんが「第62回 岸田國士戯曲賞」を受賞されたことは、我々にとっても大変喜ばしく誇りに思うことである。
また、フェスティバルの特筆すべき事項としてもう一点。カナダ在住のアーティスト、ママリアン・ダイビング・リフレックスの「チルドレンズ・チョイス・アワード」というプログラムを実施した。これは地元の小学生たちが審査員となり、公式プログラムを観劇。ときには上演前後にアーティストに質問したり交流したりする時間を持ちながら、子どもたちが作品について学び、審査するというもの。「子どもだからこういう作品を見せなければならない、見せてはいけない」という価値基準をくつがえす、私たち大人にとっても勉強になるプログラムであった。こうした活動ができたことは、今後大きな価値を持ってくるものと期待している。
今後に向けた課題としては、今年度、我々はフェスティバルの運営の新陳代謝を計るべく、広報スタッフを中心に新たなチームメンバーを加えて事業に臨んだ。継続スタッフと一緒に情報共有を行いながら進めてきたが、忙しさや不慣れによる仕事の取りこぼしなどもあったことは事実としてある。一方で、新たに加わったイギリス人のスタッフを中心に、SNS等によって英語での情報宣伝をこれまでよりも積極的におこなうことができた。今年の反省もフィードバックしつつ、外国人観光客、また国内に滞在する日本語話者以外の方に対する広報に力を入れていきたいと考えている。
また、このように新しいスタッフも育てていきながら、本フェスティバルが錆びつくこと無く継続的に実施していける体制を作っていきたいと考えている。
活動をしてみて
集客のむつかしさを思い知らされた演奏会でした。
我々は演奏の質を高めるのに最大の努力を払うのは当然のことですが、いかに良い出来映えであってもそれを聴いていただくお客様が多数おられてこそのものです。お客様アンケートに「こんな良い演奏会なら、もっとお客様に来てもらえるようにすべきだ」とのご指摘がありました。
本年もこれまでと同様、チラシを作成、可能な限りの広報活動を行い、団員はチケット販売に動き回り、ご招待もしました。今までと違ったことは、会場が地元でなかったことと広報・営業活動の開始が1か月ほど遅かったことです。1か月の遅れは無視できない影響があったかと思いますが原因はほかににもあると考えます。今回の経験を踏まえ、名実ともに良い演奏会を目指してゆきたいと思います。
報告画像1:定演プログラムの表紙。報告画像2:定演プログラム裏表紙。報告画像3:定演プログラムより演奏曲目。