コロナによる入国制限措置がなくなり、第3回にしてようやく外国人演奏家の招聘ができ「国際音楽祭」の形を整えることができた。従来通りのプレスリリース(4/8日経新聞電子版掲載)、ホームページの全面刷新、Twitterの活用、メール配信のほか、新たにSPISE(スパイス)やKiss Pressなどの電子媒体の活用、FM大阪のクラシック番組『くらこれ』への出演、市内掲示板へのポスター掲出などの積極的な広報宣伝活動に努めた結果、ほぼ予定していたレベルの観客動員を図ることができた。またルナホール公演では、第2回に引き続き関西出身の若手演奏家によるロビーコンサートを行い、音楽祭の場が若手演奏家を育成したいという趣旨についても形付けることができた。また音楽祭としては初めて「かるふぁん」助成認定制度を利用させて頂いたが、結果的に目標を上回る協賛金を得ることができた。
指揮の柴田真郁は音楽的にベルカントの響きを追求し、キャストは勿論、合唱一人一人までベルカントの音を追求することを求めた。コロナ禍での練習はマスク越しの為、困難を極めたが、前日、当日朝に全員が抗原検査を経てマスク無しでの本番を迎え、出演者全員でドニゼッティの音楽を作り上げることが出来、ベルカントの魅力を聴衆に届けることが出来た。
演出の岩田達宗は舞台を現代の日本の都市のとある公園に設定することで、今の日本の誰もが感じてる心の問題を作品に写し取ることによって、聴衆の共感を高めた。
恋に悩む不器用な青年、見たところ高慢な印象だが純粋な娘、どこかいかがわしい詐欺師のような薬売り、物事が力で解決すると思う恋敵、日ごろ意地悪に見えるが優しい仲間・・・いずれもどこの街にもいそうな登場人物が時には関西弁の台詞を交えてストーリーを進行させた。観客は共感と美しい音楽に導かれ、最後は出演者の一人となり、結果として万雷の拍手を賜る公演となった。
キャストは広くオーデションによって決定し、関西の歌手は勿論、日本各地から優秀な人材を集結させることで、より水準の高い作品を作ることが出来た。
合唱は堺市の市民のみならず周辺都市からの人材を求めオーデションを行うことで、優秀な逸材を見つけることもでき、豊かな音楽を作り上げることが出来た。同時に若手の育成にもつながり、将来の舞台芸術の向上に貢献できたと思う。
Miracle公演のシリーズでは誰でも楽しめるファミリー向けの演目を考えて今回は「魔笛」を取り上げました。初めて2回公演を行い、若手歌手の育成の意味合いもあり、若手歌手とベテラン歌手の混合チームでの公演になりました。またKid's Chor. のメンバーも助演だけでなくクナーベ役で出演し育成事業発展の可能性を感じています。
新型コロナウィルス感染症対策のため配席や演出を考慮し、関係者一同に消毒や検温などまだまだ予断を許しませんが、ご来場いただいたお客様に「公演が鑑賞できて良かった」とのお声をたくさん頂きました。
コロナ禍での募集にもかかわらず26の国と地域から245名の応募があった。予備審査を通過した9か国42名の出場者によって2023年2月12日の第1次審査から23日の本選まで文字どおりの熱演が繰り広げられ、フィリップ・リノフ/ロシアが優勝するなど盛況のうちにコンクールを無事終了することができた。
42名の若さと才能溢れるピアニストたちの熱気に満ちた素晴らしい演奏は私達にクラシック音楽の魅力を存分に伝えるとともに、香川県内の若者や子供達にも大きな夢と感動を与えることができたものと考えている。また美しい瀬戸内海を臨む会場であるレクザムホールを起点として、香川県の魅力を世界に向けて発信することができたものと確信している。
活動をしてみて
第1回ひろしま国際平和文化祭「ひろフェス」では、「見る・聞く」だけではなく、「触れて、学ぶ」という特長を出すため、今回、アカデミー、コンペティション、アワードの3本柱で開催した。その中で他のイベントにはない、次世代を担う子供たちを育てるアカデミーの取組が非常に良い成果になったと考えている。ひろフェスの開催を通じて、音楽部門・メディア芸術部門に関わる様々な方々から、是非次回にもつなげてほしいと、お言葉をいただいているので、今後続けていく一つの特長として、アカデミーに取り組んでいきたい。また、これから復活するであろう、インバウンドや国内旅行者の参加による経済効果をもたらすようなイベントに育てて行くことも今後の目標としたいと考えている。