コロナの影響があり、予定していたイベントの一部、音楽のみの実施となったが、参加された方々から以下のような感想をいただくことができた。
「ピアノと能のコラボレーションが良かった」「能のお話が興味深かった」「実際の面や衣装の体験ができて楽しかった」「参加費もちょうど良かった」など。
活動に手ごたえを感じ、今後も発展させていきたい。
令和4年度文化庁AFF2.補助金事業として補助金を得ることはできたが、一方寄付集めについては課題が残った。
羽衣まつりは、フランスの舞踏家エレーヌ・ジュグラリス夫人を顕彰し、日仏国際交流の推進及び羽衣伝説の理解・伝承することを目的として、三保羽衣薪能を中心に、三保こども能楽・しずおか三保羽衣謡隊、エレーヌ夫人顕彰式などの能楽関連事業を開催しています。昭和59年に初めて開かれてから、令和4年度で39回目を迎え、現在では毎年10月に開催される伝統行事となっています。
羽衣まつり運営委員会は、地元自治会や市内各種団体関係者で組織されています。また、会場近くの清水第五中学校においては、総合的な学習の時間に能が学ばれており、羽衣まつりが発表の機会となっています。これは生徒たちにとって、わが国の伝統文化を通して郷土のことを知る機会にもなっており、清水区最大の文化事業のひとつとして継続されています。
この羽衣まつりの開催会場すぐそばにある三保松原は平成25年6月に世界文化遺産に登録され、登録後は三保松原及びその周辺地区が注目を浴び、地域の主要な観光スポットとなっています。
令和4年度は、松原からみほしるべ前広場への会場移動に伴い生じた課題に対応するため、広場に観覧席を設け、鑑賞者の皆様により快適に鑑賞していただくための環境づくりに努めました。
世界文化遺産の傍らで開催される日本随一の薪能として、三保松原の本質的な価値を守り、活用しながら伝統文化である「能」及び貴重な地域資源としての羽衣伝説を次世代に継承していくことがこの催事の使命と捉え、今後も取り組んでまいります
現代芸術分野のアーティストを国内外から招聘し、滞在中の創作活動を支援する活動「アーティスト・イン・レジデンスプログラム」、ワークショップやレクチャーを行う「地域プログラム」を展開し、アーティストと交流し、楽しみながら芸術活動を体験できる機会を提供するとともに、魅力ある地域づくりを推進した。
レジデンスプログラムにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、3年ぶりにオンラインではなく、実際にアーティストを守谷市に招聘した。海外のアーティスト2組及び日本国内のアーティスト1組に対して、当実行委員会は、調査・制作に対するサポートと創作活動費、生活費等を提供し、制作に専念できる時間と環境を整え、アーティストの制作活動を支援した。参加アーティストらは、自身の制作テーマに合わせてインタビューやフィールドワークを含む調査を実施し、オープンスタジオで成果発表を行った。3組は共に日本の文化や社会状況、歴史や地域性に強い関心を持ち、理解を深めていった。このことから、成果発表の機会となる報告会では、視聴者に対して、アーティストの活動を通じて、日本の歴史や地域社会における人的・物的資源の再発見を促すことが出来た。また、招聘アーティストに対しては、日本のキュレーターとの意見交換の機会を設け、招聘アーティストが国内外において今後、滞在や制作を継続的に行うためのネットワーク形成に寄与した。
地域プログラムでは、アーティストの日比野克彦他によるワークショップを開催し、地域住民に制作体験を提供し、地域住民がより身近にアートを感じることのできる環境づくりを行った。レクチャー・シリーズのアートカレッジは3回実施し、現代アートと社会の関係を読み解く期会を創出した。
以上の活動から、アーティスト育成に寄与するとともに、コロナ禍においてもあらゆる世代の地域の人々へ現代芸術にふれる機会を提供することができた。
「大分アジア彫刻展」は、大分県豊後大野市出身の彫塑家 朝倉文夫を顕彰して大分県と豊後大野市が開催する、アジアの新進彫刻家の登竜門と位置づけられる国際公募展です。
ビエンナーレ(2年に1度)で開催を続け、今回で16回目を迎えました。アジア12カ国から172点の作品を応募いただき、令和4年10月15日から開催した本展は盛況のうちに会期を終えることができました。会期中には、市内の小中学生を本展会場と朝倉文雄記念館に招待したり、東京の朝倉彫塑館と連携し、朝倉文夫氏の生前使用していたお茶道具等の展示を行い、幅広い世代に注目いただけたと思います。企業メセナ協議会様をはじめ、多くの方のご支援のもと、開催できましたことを、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
活動をしてみて
上演プログラム、リサーチプログラム、エクスチェンジプログラムの3つのプログラムについて、コロナ禍になって以降初めて、予定していた各プログラムをフルスペックの形で実施することができた。終演後のロビーやSNSなどから観客からの良い反応も感じ取ることができた。特に海外のアーティストが来日して舞台の上演を行なうことができた点は、国際交流の再起動という点で大きな一歩だった。今後も、2020年に共同ディレクター体制になって以降にまず目標としてきた「観客が主体となるフェスティバル」ということに対して取り組み、様々な思考に触れる契機となったり、自らの思考を深めるきっかけとなったりするようなプログラムを組んでいきたい。
またフェスティバル期間中におこなったアンケートによると、今回はじめてKYOTO EXPERIMENTを訪れたという方は、有効回答数666件中285件で、約43%に上った。これまで新規の観客層が少ないということが課題だった中、良い結果が得られた。特設ミーティングポイントなど、ここ数回継続しておこなっている活動の現れかもしれない。来年以降、感染症の状況がより改善されれば、飲食を伴うような観客同士の交流の場も再び設けていきたいが、一方で感染拡大を助長することがないよう、リスクに対して慎重に判断していきたい。