なかなか大きな金額の助成金を集めることはできませんでしたが、応援してくださる気持ちはうれしく、ありがたく思っています。金銭的な応援というよりは、精神的な応援をいただき、ともすれば、いろいろな困難の中での3年間の間に、何度か、「本当に実現できるのか?」という思いもありましたが、実際に活動を通して、力をいただき、先に進むことができたと思います。
そして、ようやく、上演の日を迎え、満場のお客様を見た時に、本当にこの日が迎えられたことの幸せをかみしめることができました。またこれからも、皆様にお越しいただけるようなオペラやコンサートを続けていきたいと願っています。
既に次回4年後に向けて活動を開始しておりますが、 資金集めの苦労は変わることなく継続するものと考えています。
実行委員会という形で活動しておりますが、 公益法人への寄付のような控除をつくれれば、またほかの形での協賛集めも可能かともおもいますが、企業メセナ協議会2021 Arts Fundのような形があることで大変たすかりました。地道な作業、活動がとても重要だということを理解しました。
2023年5月にコロナウィルスが第5類に移行されたのを受け、歌手たちがステージへ戻りつつある中での開催で、リアルの演奏やコンクールの機会が増えている中で、全てオンラインで行うコンクールの難しさを改めて痛感しました。しかし、今回も素晴らしいソプラノ歌手との出会いがあり、名古屋の皆さんにコンサートを届けることができたことは、最大の喜びとなりました。次回のコンクールに向けて改善すべき点を洗い出し、より良いコンクールを目指して尽力いたしたいと思います。
苦戦したコンクールではありましたが、ご協賛をいただきました企業様、個人様は税制上の優遇が得られるということで、全ての方が企業メセナ協議会様を通じてのご協賛となりました。ありがとうございました。
2022年9月より当財団の名を冠したホール、HalleRundeで公演を重ねております。
2023年の春から夏にかけては少しずつ、ホールの認知とともに、コンサートへの新しいお客さんが増えてきております。
目標の毎回のコンサートの有料入場者100名を目指して公演をつづけていきたいと思います。
寄附金に関しては、室内楽コンサートが地域文化にあたえる影響の実益の部分が伝わりにくく難儀をしておりますが、引き続き粘りづよく近隣の法人へお願いにあがり続けたいと思っております。
活動をしてみて
野外展では、本展史上初めて、池の上空を横断するダイナミックな作品(中尾紫香「遅野井橋(仮称)」)が出現し、池の対岸とを繋ぐ橋を幻視させ、観客を驚かせた。この作品は、助成により製作費の補助をすることで、高所作業車などを使い実現することができた。また、野外展の会場である善福寺公園にインフォメーションセンターを設置。助成により製作費の補助をして、大学の建築科のゼミにより制作、ゼミの大学生や参加作家が輪番で毎日インフォメーションスタッフを担当した。会場の設営を業者に依頼することにより、運営側の負担を軽減することができた。あらゆる年代の、情報を求める人、作品の感想を話していく人、お気に入りの作品の作家と交流する人、参加型作品への参加の相談をする人などが出入りし、期間中は、地域のアートセンターとして機能していたと考える。また、宣伝費を使ってガイドブックを増刷し、駅やまちなか、公園で積極的に配布したことで、開催の周知も広まっている。そのため、以前はまちなかの企画は集客が難しい場合もあったが、今年はどの企画も、会場に見合った規模の集客をすることができた。
企画テーマとしては「インクルージョン&サスティナビリティ」を選択したが、これはまさに当展の実施の主要な目的のひとつとも考えられる。まず子ども世代に関しては、小学校での、授業の一環としてのワークショップを4つの学年で実施、鑑賞授業も2つの学年で実施している。例として、6年生対象に、国立新美術館の教育担当もしているアーティストによる、自分とは何かを考え植物の形で表現するワークショップを実施。アートの考え方による物事の捉え方を学び、実作を通した自己表現のレッスンなどを行った。この小学生対象のワークショップは長年様々なアーティストと行っており、ここ数年は、これらを体験して育ち、建築系や美術系の大学に進学した子供たちが、戻ってきて参加するケースが多く見受けられ、育成の場として確立しサステナブルな様相を呈している。また、野外でのバンドネオンの演奏では、ベビーカーを押した子育て世代から、近隣の高齢者施設の入居者まで、幅広い年代や立場の方々に、音楽の芸術性や楽しさを感じてもらうことができ、インクルージョンの1例となった。さらに今年、数が多かったまちなかの企画では、現代アートの先鋭的なインスタレーションを路上の空き地で展示した作品、考え抜かれたコンセプトの写真展、フェイク映画祭など、現代アートとしても質の高い企画が並び、アートファンの要望にも応えた形となった。
来場者数 600,000人(西荻窪駅乗降者数より算出)