世界中の作曲家による16曲の新作を一度に初演するという試みは、私たちにとっても初めてのことで、演奏会の運営はもちろん、音楽的な準備もこれまでより時間がかかり、大変なこともたくさんありました。
しかし、その先にはこれまでには経験したことのない、素晴らしい体験が待っていました。
来日した10名の海外の作曲者は、東京を訪れることができたことをとても喜んでいました。彼らのレッスンは、私たちの心を彼らの住む国々に誘い、多くの発見をもたらしてくれました。
演奏会当日はタケミツメモリアルに満席のお客様をお迎えし、作曲家11人と共に大成功をおさめることができました。コロナ禍で集客を心配していましたが、これまでにない企画を多くの方たちが喜んで下さり、チケットは演奏会の1週間前には完売していました。また、オンライン配信では日本全国、そして世界中から演奏会を聴いてもらうことが出来ました。
また、多くのメディアにも注目され、朝日小学生新聞(11月2日)朝日中高生新聞(11月13日)ハーモニー冬号(2023年1月)に記事が掲載されました。また、以下のサイトでも紹介頂きました。
https://tabizine.jp/article/501968/
https://tanonews.com/?p=48049
初演した16作品は、演奏会当日に出版され、すでに日本中、世界中で歌われています。新しい合唱作品を提供し、日本と世界の合唱を繋ぐ活動ができたことを嬉しく思います。
これからも、日本と世界の合唱芸術のために力を注いでいきたいと思います。
活動者をしてみて
私たち当団体は、子どもたちに『本物』に出会い触れ合えるということの素晴らしさを体験し心豊かに過ごせるように願っています。
子どもたちを取り巻く環境はとても便利な世界です。しかも、おびただしい量の情報があふれています。一瞬にして世界と繋がり、情報も一瞬にして入手できます。子どもたちは素晴らしい環境に身を置いているのです。今後もグローバル化は進み、インターネット環境も益々良いものになっていくことでしょう。
そんな目まぐるしい社会の中で、子どもたちがふと立ち止まり心癒せる時間を持つことの必要性を強く感じます。
結果が直ぐにでる利便性も必要ですが、時間をかけて試行錯誤しながら得た結果は喜びに繋がります。プロセスを大事にして達成感を味わうことは、子どもたちに感動を与え生きる力に通じるものだと考えます。
だからこそ『本物』を身近に感じ体験して心と体で感じてほしいのです。
そのような観点から私たちは、文化、芸術、スポーツ等々を通じて、思いやり、感謝の気持ち、忘れがちになってしまった人としての大切な部分を養い、それらを活かすことのできる力を育むための経験・体験ができるような場を提供していきます。
そして、文化・芸術・スポーツなどの多方面からの学びにより様々な価値観に出会える場面を創造し、地域社会の発展に貢献していきたいと考えます。
今回のイベントの規模としてはそんなに大きなものではありませんでしたが、地道な活動を続けていき、誰でも気軽に参加できることと学び体験の場を創造し開催できたこと。そして皆様に日本の伝統文化を知ってもらう良い機会をいただけたことを大変感謝いたします。今後の活動にもつなげていけるように継続していきたいと思います。
2年間のコロナ禍中での開催を経て、“withコロナ“が日常になった今年度の開催であったが、全体的に、粒の揃った見応えのある展覧会となったと感じている。戦争や病禍、ショッキングな事件、急速に進んだオンライン化によるコミュニケーションの変質などから、何を「Signs~きざし」として読み取り生きていくのか、それを真剣に問う作品が展示、実施されたと考える。例えば善福寺公園での野外展示作品では、ダイナミックな木材のインスタレーションが10数mにわたって展示され、その中を、小学生とのワークショップで作った衣装を着たプロのファッションモデル10人ほどがパレード、集合してポージングするなど、いくつかの企画が交差し協働した象徴的な作品が実現し、周囲を熱狂させた。まちなか展では、JR西荻窪駅での展示が定着、ギャラリーでの展示に加え、街角の空き地での茶室のインスタレーションとお茶会の点前、駅から公園への道のりにある骨董通りに10ヶ所以上展示された視点を問うインスタレーションなど、街を異化し、かつ楽しい驚きで満たす意欲的な作品が並んだ。今年度は公募により54組の参加者を選定、延べ63企画を実施したが、助成を受けたことにより制作費の補助を出すことができ、育成枠で選定した作家や遠方からの参加には追加での補助も出すことができたため、作品の充実に繋がった。
3年前から野外展の会場である善福寺公園にインフォメーションセンターを設置してきたが、今年度はその建屋も公募し、建築家により制作、機能的で親しみやすいものとなった。参加作家が輪番でインフォメーションスタッフを担当。情報を求める人だけでなく、頻繁に来ては作品の感想を話していく人、お気に入りの作品の作家と交流する人、参加型作品への参加の相談をする人などが出入りして、発信するだけの場ではなく、どのように受け止められているかを受診し、交流する場ともなった。この様子などから、展覧会を通して、地域がアートに対しての関心や理解を深めている様子がうかがえた。
近隣の小学校では、参加作家とのワークショップを全学年で実施した。この小学校では10数年間、ワークショップや鑑賞授業を行っているが、今年度は初めて卒業生からの応募があり、作品展示に至った。教育とは長い時間と持続性が必要だと改めて感じ、当展の事務局が長年考えている「人の活性化」が機能していると確信することができた。
また、武蔵野大学、武蔵野美術大学、東京女子大学、青山学院大学などが授業の一環として参加、企画、制作、作品展示などが行われているが、今年度は早稲田大学の建築学科の授業テーマとして、当展会場を敷地とした新たな表現の提案などもあり、近隣の教育機関との連携も深めている。
私たちは、クラシック音楽を通じて、ロイヤルリゾート地「那須高原」をより多くの人たちが集う場にしていこうと、4年前に、小さな動きを起こしましたが、3回の開催で、この地に多少なりともその芽が育ってきていると感じることができるようになりました。併せて那須地方には多くのクラシック音楽ファンいることも分かり、心強く感じております。
那須高原で芽生えたクラシック音楽祭を、より太い幹にして、しっかり根が張ったものにするためには、多くの課題があることも分かってきました。一過性の実行委員会形式から、地域に根差した組織にして、財源確保することが喫緊の課題であるとの認識を持っております。先進のクラシック音楽祭の組織、取り組み事例を研究し、地元の皆さまの意見を伺い、「那須高原で本格的なクラシック音楽が気軽に楽しめるイベント」という、私どもが当初から目ざして来た目標に向かって、さらに努力していきたいと思っております。
皆さまには第4回についても、第3回同様、さらなるご支援、ご協力を賜りますよう、心からお願いいたします。
活動をしてみて
富士山のふもとは他の場所と違い天候が急変するため、気象予報が非常に気になりましたが、お陰で雨も風も無く、寒さも特に気にならず無事終演出来ました。
来場者の年代層も子供から大人まで幅広い方々で来場者数は759名でした。
今年から指揮者が変わり当楽団のシェフ高関健氏が務め、緊張感ある演奏で拍手が鳴りやまず大好評でした。