本年は、本制度を活用した過去2回の振り返りから、企業用のプレゼンシート作成や、社員研修をセットにした寄付プランの提案を行い、関係性のある企業や、関係者の伝手で連絡を取り合うことができる企業に焦点を当て、営業活動を行った(計20社)。
しかし、承諾を得ていた企業から「やはり難しい」と連絡がはいることも少なくなかった。このコロナ禍で経済的打撃を受けている人が多いことで、芸術活動への援助よりは、経済的に困難な方への支援や、宮崎の台風被害へのサポート等を優先する状況下で、スポンサー企業を募るのは大変難を極めた。
その中でも、本事業に賛同した宮崎県内の企業8社(物品協賛企業2社含む)から支援いただくことができた。本制度の認定を受けている法人ということで信頼度が高まり支援につながった企業もあったのではと推測している。しかし、今回支援いただいた企業は、「スポンサー支援が会社の経費として計上できる」等の理由から、「かるふぁん!」を通じた寄付は0件となった。
営業活動をする中で、年度の予算が決まっているため今回は難しいという回答や「金銭的なサポートは難しいが応援しています!」などという声もいただき、企業へ芸術文化支援(メセナ)を呼びかけることで起きる広がりを当法人としてポジティブに捉えている。
今後も助成認定制度を活用させていただきながら、関心を寄せてくれる方々(企業、団体、個人等)を開拓したり、宮崎県の企業の芸術文化支援(メセナ)への理解を深めるための広報活動を行ったりしながら、それを子どもたちを含め地域に還元したいと考えている。
特筆すべき積極的な活動は以下の通りである。
①“人類の次の時代の当たり前”と言われるようになった「メタバース」を活用した。
②地域の大学の研究室(複数)と連携・協力した。
③オンデマンド配信を前提に音楽家の大野氏が初日から加わり、公演の音楽を作曲・演奏した。
④「メタバース」に興味・関心を示しそうな企業に的を絞り、協力・応援をお願いした。
⑤2021年度に引き続き「かるふぁん!」(企業メセナ協議会)に応募し、広く企業からの寄付を募った。なお、物品で応援しますという企業もあり、円安が文化芸術に及ぼす影響力を感じた。
本事業で達成した目的(1,2)及び成果(3~5)は以下の通りである。
①「ダンスをテクノロジーで語る」を市民に目撃してもらうことができた。
② ダンスとメタバースとで拓く表現の世界の可能性を市民と共有することができた。
③ アーティストが作品を発表する環境(メタバース)をつくる先駆けとなった。
④ 最先端機器を導入したクリエーションを通して、パフォーミングアーツ関係者が切望する3D動画を撮影するノウハウを構築することができた。
⑤ 地域に、舞台芸術に興味・関心を示すエンジニアや理系の生徒・学生が現れた。
MMCJは今回で通算22回目、2001年創設以来19年間開催続けた事業ですが、2020年の世界的新型コロナウイルス感染症の影響によりこの年はやむなく中止となりました。
翌2021年には海外からの招聘は断念し、日本在住の弦楽四重奏団4組を対象に開催致しました。2022年も感染症の影響により、昨年同様日本在住の弦楽四重奏団を招き開催致しました。また今回の講師は昨年のクァルテット・エクセルシオに加え、チェロの山崎伸子氏を迎えて更に充実したセミナーとなりました。
受講生は講師の熱い指導に熱心に答えるそのセミナー内容の充実度は参加者から評価されています。なお一層今後も考えうる限りの充実度のある事業活動を続けていきたいと考えています。
活動の主眼はセミナーではありますが、演奏家にとっては演奏会を行うことは必然で当然学びの一つになるので、いかに演奏会への来場者を増やすか、についても引き続き試行錯誤していく必要性を感じているところ。HPやSNSの活用を開始していますが充分とは言えず、さらに効果的な利用法を模索していきたいと思います。
またセミナー運営については、音楽を学ぶ若者に等しくチャンスを与えたい、との創設者たちの思いから、受講生からの受講料は一切とらず「フルスカラシップ」を掲げています。活動資金はすべて自治体からの補助金や民間の助成金、協賛金で賄っているため、常に資金的な綱渡り状態が続いています。
今後もこれまでと変わらずにMMCJの活動をみなさまに広く理解していただけるよう、一層努力することが必要であると感じています。
当音楽祭を開催し実際に運営するなかでクラシックに馴染みのない土地での集客は大変むずかしいものがあった。
また、県内企業、行政の更なる一体となった援助が必要であると考える。
メディア露出を単に増やせばいいというものではなく、県内全田への人伝いでの宣伝を行っていくべきだと考える。
基本理念のもと、少しずつでも県民に馴染みのある、そして日本を大代表しうる音楽祭となるべく課題をこなして邁進していきたい。
2022年9月17日の「ファンタスティック・アコーディオン2023」が当財団の名を冠するホール「Halle Runde」での初めてのコンサートでした。
多くの人達が、こういう活動を続けていく後押しをしていただけると深く感じた4公演でした。
目標の集客数には徐々に近づいていますが、まだまだ周知がたらないと感じました。広報に莫大な金額をかける余裕もなく、公演を重ねることが一番の広報だと感じております。
また、年末にかかると「ふるさと納税」の方を優先されるかたも多く(制度上仕方のないことですが)寄付の集め方もまだまだ改善の余地があると考えております。
活動をしてみて
西陣織で故平山郁夫先生のシルクロード作品を美術織としたことで初めて工芸品から文化・芸術への参入を果たすことができた。しかし、認定を頂いた当初は認知度が低く、作品数が限られているため展示会の開催にはとても苦労した。さらに、2020年にはコロナとなり、展示会場を手配したもののキャンセルが相次ぎ、開催できないこともあった。
こうした背景の下、関連する企業にご協力いただき、少しずつであるが展示会会場のご予約や開催できそうな場所を教えていただき展示会を開催することができた。一方、公益社団法人企業メセナ協議会を通じてご支援をいただき、活動が遂行できたことに心から感謝をしている。
このプロジェクト、展示会が端緒となり、国会から肖像画の注文をいただいている。さらに、制作に携わった西陣織の織元はデジタルを高度化した技術として11,000社が応募した経済産業省の「2022年 次代を担う繊維産業企業100選」に選ばれた。当社団も「2019年京都女性起業家大賞」で京都府知事奨励賞を受賞している。
2023年からは新たに文化、経済の両輪を目指し、作品の創出や、他分野の芸術家、アーティストと連携した活動を行っていき、伝統文化の啓蒙活動に寄与していきたいと考えている。