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活動者の声

第10回東アジア音楽祭2021inヒロシマ<ヒロシマからのメッセージ”日韓台中の友好と創造の祭典”>

活動期間2020年 1月 8日 ~ 2021年 12月 20日

活動をしてみて

[第10回記念公演]として、「第10回東アジア音楽祭2021inヒロシマ<ヒロシマからのメッセージ“日台中韓の友好と創造の祭典“>」を開催した。企画意図は下記の通りである。
1)原爆と朝鮮戦争を生き延びた原爆孤児の壮絶な体験と証言。
2)儀式舞を中心とした神楽公演による“鎮魂と再生”。
3)基調講演+韓国伝統歌舞楽「クッ」と比婆荒神神楽<儀式舞>では、“鎮魂と再生”を原意とし<白い布>を象徴として、古来より伝承されてきた韓国伝統歌舞楽と比婆荒神神楽を紹介し、現代に生きる民俗文化・芸能の東アジアの潮流を模索しプログラムの豊富化。
4)東アジアの潮流として、韓国の伝統音楽と日本の伝統音楽の共通性と相違性、および伝統楽器をもとに作曲された現代作品にみられる<伝統と現代の響奏>の検証等。
 このように、ヒロシマの証言や比婆荒神神楽“儀式舞”と韓国伝統歌舞楽“クッ”、および韓国と日本の伝統音楽展等の企画内容には、東アジアの潮流を通し、亡くなった方々への“鎮魂と再生”の祈りと願いが基調となっており、多くの来場者に共有の理解が生まれた。今後さらに、「東アジア音楽祭inヒロシマ<ヒロシマからのメッセージ“日韓台中の友好と創造の祭典”>」を通し、世代越えて、核兵器廃絶と平和への希求がヒロシマから東アジア、さらに全世界に広がりを見せることができればと願う。
今回の開催に際し、新型コロナウィルス感染症拡大防止の影響の上に、第2日は衆議院選挙の投票日も重なり、集客が心配された。
当初、韓国から12名(演奏者9名、作曲家3名)、台湾から2名(作曲家)、香港から1名(作曲家)を招聘し、開催の予定であったが、10月初旬に入っても水際対策の緩和もみられず、やむなく韓国伝統歌舞楽テハンサラム(5名)と韓国伝統音楽演奏家(4名;カヤグム、へグム、テグム、チャンゴ)は<舞台公演>から<映像公演>に代替し、開催に臨んだ。また韓国の作曲家の作品等は事前にソウルで映像収録・編集を行い、また台湾・香港の作曲家の作品は日本人の演奏家により初演および再演が可能となった。
以上のような対応が開催日の1か月を切って求められ、急遽在日の韓国伝統音楽の演奏家(4名;カヤグム、へグム、テグム、チャンゴ)を東京から招聘し、<賛助出演公演>として企画内容の充足とプログラムの豊富化を図った。このような状況ではあったが、出演演奏者や出品作曲家や関係スタッフの尽力により、招待者や関係者を含めて315名(2日間)の参加者を迎え、来場者から多々高評をいただくことができた。*Youtube無料配信2022年1月公開予定

東京タワー文化フェスティバルIV

活動期間2019年 4月 1日 ~ 2020年 3月 31日

活動をしてみて

■メイン企画成果
Part 1
地下ホールのコンサートは、次世代の子供達に、箏という日本の伝統楽器を軸にした国際交流コンサートをおこないました。
昨年は当日だけでしたが、本年度は、11月にキックオフとなるMinato Meet the World のパーティを開催し留学生やインターナショナルスクールの子供達が先に箏の指導者となって日本人の子供達に箏を指導しました。この際は、箏だけでなくクイズやウクライナ文化体験など一緒に楽しめるプログラムとしました、そして、12月-1月に13回箏のワークショップを行いここで港区の子供達とインターナショナルスクールで再会しました。そして、1月18日にそれぞれの曲を演奏したり、一緒に合奏したりしました。お昼にスモール交流パーティも行いました。
ビギナーの演奏から高校総合文化祭で県の代表となる程のハイレベルの箏曲部学生まで参加し、さらにプロの演奏やウズベキスタン・ウクライナの文化紹介もありました。これらにより、子供達は自分の演奏だけでなく、広く文化を鑑賞・体験でき箏が海外の人に大変魅力的な楽器であることを日本人も改めて実感できたと思われます。


Part 2, Part3
10月に紀尾井ホールで開催したワールドコラボレーションコンサートを展望台で再演し、世界に配信しました。コンサートホールでは演奏会という限られたスペースでの催事ですが、それを東京タワーの展望台で生配信することで世界に発信する事ができました。
さらに、新作初演は、再演される事が非常に少ないので、再演を行うことが作品の広がりや邦楽と世界の民族楽器のコラボレーションには重要であり、東京タワーでは、紀尾井ホールよりも質の高いコラボレーションができた。

ウズベキスタンやウクライナというコラボレーションをくり返している国では、東京タワー文化フェスティバルで両国の文化を融合した新しい作品が幾つか生まれたので、さらに二国間でのコンサートに繋げられるよう来年以降計画できるまでとなった。
また、オーストラリアやアルゼンチンのような、新し国とのコラボレーション始まり、特定の国だけでなく、それぞれの国と特徴のあるコラボレーションができるようになってきた。

一方、繰り返し作品を一緒にクリエイションする中でお互いの国の価値だけでなく、音楽を作り上げる手順の違いなど戸惑ったり学ぶ事も有りました。これらをいかに継続していく事ができるかが、今後も大切であり大きな課題だと思われます。


・東京タワーでの配信の前にサブ企画を行う事で、東京タワー文化フェスティバルの準備において演奏者・作曲家・スタッフともに様々が余裕が生まれ、内容がより充実することができた。今回の進行は特に大きな問題も無く集客もとても良く、音響等の整備も回を重ねてレベルが上がり、来聴者だけでなく東京タワーからも高い評価を得ました。


■サブ企画の成果
ワールドコラボレーションコンサート@紀尾井ホール
・音響の良いホールで行う事で、参加者自身のレベルが上がり、コラボレーションの質が向上した。東京タワーでは表現しきれない微妙な音やピアニシモもこのホールでは演奏可能で、作品の質も高まった。コンサートホールでは紀尾井だから聴きにくるというホールのファンもおり、東京タワー文化フェスティバルの広報宣伝となった。
ウズベキスタンから天皇陛下即位の礼のために国賓として来日したウズベキスタン上院議長タイジェール氏も来場下さり、絶賛され、「ウズベキスタンのあらゆるフェスティバルでこのコンサートの再演を希望します」と言われた。

minato Meet the World
・日本の伝統楽器の裾野を広げるこの企画は、参加者が多く大成功であった。
箏の練習は初回は、外国人が先生、日本人が生徒として開催した。これにより、日本の伝統楽器が大好きな外国人を日本人の子供達が目の当たりして、日本の楽器にとてお興味をもってくれた。
東京タワー文化フェスティバルでの子供の演奏参加がワークショップを複数回開催する事で広がった。保護者へのアンケートでは、次年度の継続の声が多く寄せられた。

■その他の成果
・東京タワー文化フェスティバルはインターネットで現在も継続配信中であり、コラボレーションの再演をいつでも世界中で鑑賞する事ができる。
・東京タワー文化フェスティバル新作初演のいくつかは、出版し、各国の演奏家や音楽大学図書館に寄贈され、再演の素地を構築している。

東京タワー文化フェスティバルV

活動期間2020年 4月 1日 ~ 2022年 3月 31日

活動をしてみて

1)コラボレーションコンサートを展望台で実施し、世界に配信しました。
どちらも新型コロナウイルス対策を実施しながらのため、来場者数は規制があったものの、その中で満席であり、東京タワーも毎年のこのコラボレーションが質が上がっていると大変好評であった。さらに本年度はリトアニア大使閣下も来場とスピーチをしてくださり、新たなコラボレーション国であるリトアニアと作品の創作を実施することができた。また、イランも新しい国であり、中央アジアは日本の音楽の源流でもあるため、音楽の歴史の話と楽器のレクチャーなどこれまでにない紹介をすることができた。
2)東京タワー文化フェスティバルV@紀尾井ホールでは、ウズベキスタン、リトアニア、イラン、アルゼンチン、ルーマニアの大使館や音楽大学と協力し、海外作曲家と日本在住の各国絵演奏家と日本の伝統楽器のコラボレーション新作曲を作ることができた。その創作や練習はSNSを駆使し、コロナ禍であっても国際交流を実施し、新しい音楽が作れた。コンサートは配信となってしまいましたが、2023年紀尾井ホールでの初演を迎えるためにも逆に作品の練り直しになり、良い結果となった。ユーチューブでの動画配信の長編のほうは、コンサートに行った気分に十分なるような見応えのある映像となっている。

則重・則秀の会

活動期間2019年 4月 1日 ~ 2019年 8月 28日

活動をしてみて

活動助成を受け、今回は狂言の親子連れの企画公演に、能楽お囃子方にご出演いただきました。
素囃子(笛・小鼓・大鼓・太鼓で構成されるお囃子の演奏)、狂言、ワークショップ、楽器体験と盛りだくさんの内容で、じっとしていることが難しい乳幼児も興味を惹かれ楽しんでいました。
何よりも保護者の方がお子様より本気で楽しんでいらっしゃる様子が見られ、親子共に充実した時間を過ごせたとの感想を多く頂きました。

素囃子
日頃聞きなれない和楽器の音色を楽しんでいただこうと、素囃子というお囃子だけの演奏をお願いしました。能や狂言の公演でも素囃子はあまりないので貴重な体験を提供できました。

狂言「蟹山伏」
お囃子が入りキャラクター(蟹)が登場するという子供にも楽しめる曲を選曲しました。
勧善懲悪の設定が分かりやすく、子供達も感情移入して見入っていたようです。
鑑賞後にも親子で話が膨らんだようです。

ワークショップ
お囃子方の指導のもと、手で楽器の拍子を取り、謡を一緒に唄ってもらいました。
楽器の素材や音を出すための特殊な方法など普段聞けないお話を披露していただきました。

楽器体験
笛・小鼓・大鼓・太鼓の4種の和楽器を実際に触れて音を出す体験コーナーを用意。
子供はもちろん、大人の方々も本気で夢中になっていました。

狂言のみで開催した前回に比較し、よりアトラクティブでより広く日本の伝統的なものに触れていただくことができたと感じています。
会の主旨である、子育て中の親子に伝統芸能を楽しんでいただくという目標を達成できたのではないかと思っています。

三陸国際芸術祭

活動期間2018年 10月 1日 ~ 2019年 3月 31日

活動をしてみて

 これまで三陸国際芸術祭は、NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク(JCDN)の主催で行ってきました。しかし5年目を迎えるにあたって、未来に向けて、三陸の各自治体と共に歩んでいけるような実行委員会を 組織したほうが良いのではというアドバイスをいただき、実行委員会を形つくるために、北は八戸市から南は陸前 高田市までの15市町村をスタッフと共に何度も回りました。結果7月に準備委員会の開催、11月5日に、無事に11市町 村、岩手県広域振興局および民間6団体、計18団体による『三陸国際芸術推進委員会』が発足しました。委員長を三陸 鉄道株式会社の中村社長に引き受けていただき、副委員長を、大船渡市長と宮古市長に担っていただくことになりました。

 この推進委員会の発足により、三陸全域での、三陸国際芸術祭の実施が現実化することになりました。今年度の開催地は、八戸市、階上市、久慈市、田野畑村、宮古市、大槌町、住田町、大船渡市、そして同時に開催されたアジアセンター主催の「三陸×アジア」にて気仙沼市、陸前高田市も加わり、三陸沿岸10市町村での開催となりました。
 
 これまで三陸国際芸術祭は、夏から秋に野外を中心に開催してきましたが、今年度はじめて2月・3月という冬開催への挑戦となりました。当初は、寒くてどうなるだろうと心配していましたが、屋内で行われた公演や交流、体験は、外が寒いだけにより屋内で熱く、深いプログラムになったように思います。

 今年度アジアからの芸能団体は、初来日のインドネシアの郷土芸能にあたる“ジャティラン”を2団体招聘しました。2団体とも、各地で大変評判がよく、かつ三陸各地の郷土芸能団体や子供たちととても良い交流の時間を持つことが出来ました。各地で、今度は自分たちがインドネシアに行って、芸能団体と交流したいという多くの声を聴きました。

 各地での出来事は、書き出すときりのないほど多くのエピソードがあります。それだけ各地で濃い時間を生み出せたのだと思います。これらのことが、三陸の復興において、未来に向けてのひとつの大きなステップになることと信じております。
 
 企業メセナ協議会のサポート、そしてトヨタ自動車株式会社からの支援を受けて実現できている芸術祭です。ありがとうございます。関係者を代表して、心より御礼申し上げます。

令和元年6月
三陸国際芸術推進委員会事務局
NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク理事長
三陸国際芸術祭プロデューサー
佐東範一

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