2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、日常生活が一変し、それまでの常識が覆された一年だったかと思います。2013年から毎年10月に開催していますあいづまちなかアートプロジェクトも、中止か開催かで紆余曲折の議論がありました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、会津若松で予定されていたイベントの多くが中止となり、様々な社会活動が自粛され、多くの方々が日常生活を制限されるなど、見通しの立たない不安な日々を送っていました。そうした時期だからこそ、アートの持つ力が私たちの心を癒し、豊かな想像力を育み、希望や夢を描く力を与えてくれることを信じて、アートプロジェクトを開催することとしました。
来場者への検温、手指消毒、来場者名簿の作成等を行う他、展示会場の定期的な換気や受付にパーテーションを設置するなどの感染対策を講じ、それらの対策が取れる会場に限定したため、結果として例年よりも規模が縮小することになりました。
そんな中、SOMPOアート・ファンドの助成を受けられたことで、展示会場に来場できない方にもアートに親しんでもらう取り組みを行い、コロナ禍の中でも、事業内容を充実させることができました。
例えば、国内屈指のバンドネオン奏者である北村聡氏と地元芸術家の髙橋克幸氏によるライブペインティングの様子を、シネマトグラファーであるリン・シン氏に映像作品として制作いただいたことや、会津大学短期大学部の協力を得て、漆のアート作品を展示している会場の様子を360度カメラで動画撮影し、ホームページ等を通して展示会場の雰囲気を追体験できる仕組みを構築することができました。
このように新しい生活環境の中でもアートを楽しめるような取り組みを行えたこと、広報物等へのSOMPOアート・ファンドのロゴを掲出でき、社会的な信頼性を向上させることができたことは、我々にとって大きな励みと支援になったことを感謝申し上げます。
私たちの活動の特異性は、障害福祉施設でありながら文化事業を行っていることである。本事業はすべて2018年に完成した、障害福祉施設でありながら地域の文化創造発信拠点を目指すたけし文化センター連尺町で実施した。こうした試みは1年や2年で定着はしない。「表現未満、」プロジェクトも2016年から4年間続けている。未だに特異な、当法人でしかできない事業と思われている。しかし、その中から自分事として興味を持ち始めている方々もいる。そうした方たちが自分の事業所や、仲間とともに動き始めている。
本事業はすべて当法人のスタッフが福祉職員をしながら企画、実施するといった、福祉とアートが一体となった事業体である。そうした事業所がもう少し日本に、この福祉業界にあってもいいのではないかと感じている。
1. 活動の成果
来年度開催する芸術祭の会場である尾道市・福山市・三原市においてプレイベントを開催したことで,地元の芸術家や職人等が地域課題である空き家等を活用しアート作品として作り上げるノウハウを蓄積し,一般公開をする上での注意事項や課題を把握することができた。
また,様々なレクチャー・ワークショップを通じて,大学生には職人の技術を学ぶ場を,小学生にはアートに触れ合う場を設けること等に取り組み,次世代の文化活動を担う人材の育成やアートへの理解向上につなげることができた。
おもてなしの面においても,地元住民が地元の歴史や外国人観光客向けの英語を学ぶことで受け入れ体制の充実を図ることができ,事業全体を通して,芸術祭に向けた機運醸成を図ることができた。
2. 課題と今後の対応方針
県東部のアートサイト,人口減少が著しい離島,名所(城)に現代アートの魅力を付加することにより,多くの来場者(参加者)が訪れ,点としての魅力向上をある程度図ることができたが,エリアとしての魅力をさらに高めていくためには,これらの点をさらに増やし,面として展開していく必要がある。
このため,来年度は,尾道市・福山市・三原市(美術館,歴博,城,お寺,空き家,島等)を舞台に芸術祭「ひろしまトリエンナーレ2020inBINGO」を開催し,これまで滞在型創作活動により完成した現代アート作品を公開し,県民や国内外からの来訪者が多様な現代アート作品に触れ親しむ機会を創出する。
また,随時ワークショップやレクチャー等を実施し,参加者が作品をより深く理解出来るよう取り組む。
さらに,地域の課題や文化資源を,アートで再生・活用するとともに,地域住民等が主体的に取り組んできた文化芸術活動や観光事業とも連携し,更なる事業の充実と,交流人口拡大による地域活性化に繋げる。
1. 活動の成果
尾道市・福山市・三原市においてプレイベントを開催したことで,地元の芸術家や職人等が地域課題である空き家等を活用しアート作品として作り上げるノウハウを蓄積し,一般公開をする上での注意事項や課題を把握することができた。
また,様々なレクチャー・ワークショップを通じて,大学生には職人の技術を学ぶ場を,小学生にはアートに触れ合う場を設けること等に取り組み,次世代の文化活動を担う人材の育成やアートへの理解向上につなげることができた。
おもてなしの面においても,地元住民が地元の歴史や外国人観光客向けの英語を学ぶことで受け入れ体制の充実を図ることができ,事業全体を通して,芸術祭に向けた機運醸成を図ることができた。
ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGOは中止となったが,プレイベントの開催を通じて,「瀬戸内の十字路」に位置する広域的な交通・交流拠点としての優位性,現代アートにより創造された新たな広島県の魅力を活かした地域内外の交流拡大,地域の個性的な文化的基盤の醸成,文化の創造に寄与することができた。
2. 課題と今後の対応方針
県東部のアートサイト,人口減少が著しい離島,名所(城)に現代アートの魅力を付加することにより,多くの来場者(参加者)が訪れ,点としての魅力向上をある程度図ることができたが,エリアとしての魅力をさらに高めていくためには,これらの点をさらに増やし,面として展開していく必要がある。
ひろしまトリエンナーレ2020 in BINGOは中止となったが,今後も地域住民等が主体的に取り組んできた文化芸術活動や観光事業とも連携し,更なる事業の充実と,交流人口拡大による地域活性化に繋げる。
活動をしてみて
・現状の課題
IAFTコアメンバーの拡充、新たなキュレーター目線で運営を行っていける運営スタッフを強化していきたいです。東京でも旬の場作りを担っている影響力のある場所、複数箇所で行えることは、今後のIAFTの展開において大変良い機会であるため、新たな支持層を獲得するように努めて参ります。
・今後の改善点
IAFTにとって初めての試みである、障がいのある人たち向けのワークショップおよび作品展示をUKのアーティストと行い、健常者と障がい者のアート作品を並列に見せながら、東京が世界を牽引していけるようなユース・カルチャーを創出する実験的な試みを行いました。IAFTは、イベント以外でも人々が継続的に集まれるようなハブを設立する時期に差しかかっていると考えます。
・自己評価
ともすればイベントが飽和状態になる東京ですが、表参道・渋谷・日本橋・川崎市、それぞれが持つ地域の個性に依拠した現代アートの実験的な試みを実施することで、現代アートファン、または海外からの観光客に対しても東京および近郊に対するステレオタイプ的なイメージを覆したいと考えます。同時多発的に、自由度が高いパフォーマンス作品、デザインやアパレルのジャンルを横断する作品、メディアアート作品や現在的なヴィデオアートの作品を展示しました。日本橋兜町はエリア再活性化がまさに始まった地域であり、金融街にフレッシュなアート作品を持ち込めることは、これから発展する上で価値あることになるかと思います。フェスティバルの広がりを日本国内だけで考えるのではなく、海外への発信を強化することが総じて地域経済・文化の発展に不可欠なため、これからも継続的に進めていきます。
・SOMPOアート・ファンドの助成を受けたことによるメリット
海外アーティストの招聘、リサーチ、国内外への発信や多種多様な現代アートの試みを行う上で、入場料等による収益だけでは本事業を賄うことは、非常に難しく、SOMPOアート・ファンドの助成のような金銭的サポートなくしてなかなか成立しません。当団体が中堅として成熟していく途上で、今回の助成を受けたことは、展示設営の充実、マンパワーの面、国際交流の点でも、フェスティバルを運営するにあたり大変大きな原動力となりました。
・活動実施における協力機関や他の協働団体の関与について団体名およびその内容
助成: グレイトブリテン・ササカワ財団、IDA Awards、University of Atypical、WALLONIA – BRUSSELS INTERNATIONAL
後援: デンマーク王国大使館、国際交流基金、ブリティッシュ・カウンシル
協力: Turf Projects、Makers Of Stuff Squad (MOSS)、Performance Køkkenet、NPO法人studio FLAT
・媒体への露出(記事タイトル/媒体名/掲載年月日)
30m、artgene、artrabbit、nettam、tokyoartbeat、British Council、東洋経済日報2020年3月13日