芸術・文化支援サイト かるふぁん! -Fund for Culture-

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活動者の声

日本工芸週間2024

活動期間2023年 9月 17日 ~ 2025年 3月 31日

活動をしてみて

「日本工芸週間」の必要性については、2017年の300人の工芸有識者を集めた会議で発案・提言があり、2021年に文化庁主催のオンラインシンポジウムでその必要性が再確認され、漆芸家で重要無形文化財保持者の室瀬和美氏が呼びかけ人となり、2022年に有志団体とはじまった「日本工芸週間」。
2022年は、「日本博」の助成により、まずは情報連携を可能にするため、工芸とその周辺の専門的情報を網羅可能なリンク集生成サイトwatoji.jpのシステム開発の初動コストを得つつ、国際シンポジウムをオンラインにて行ったが、助成要件を満たすため、開催費用がかえって必要以上に高くなってしまった。
本申請は、その経験を踏まえ、民間の有志の支援を得て、助成がなくとも発展可能な体制づくりを目指したもので、このおかげにて2023年と2024年の実施が可能となり大変感謝している。求める費用確保までは遠く届かず、小規模な実施に留まりはしたが、行政自治体・産業界大手の共感や、強力なプロボノ支援を多く得ることができ、継続・発展可能性を育むことはできた。
今後も、この事業が民間に浸透し開催目的を果たすため「世界から日本の隅々で行われている素晴らしいイベントを探せる・工芸の欲しい情報が見つかる・魅力が伝わる情報集約」と「共通課題解決に向けた、行動変容を促す中核イベントの実施」を継続しながら、毎秋を「共通課題解決の契機」としてゆく。
なお、2024年の計画については、能登の震災発災により、大きく変更した。漆芸の専門技術者が重層的に産地を構成する輪島塗が破壊的な被害を受けたことで高まった(かつての自然災害では無かった)文化復興支援の手立てについて、発災後、各々が行った手探りのアクションや、被災経験からの学びについての情報共有ができた。
「今後自然災害が起きたときに、人・もの・カネを投じて復興支援を行う産官学民が情報集約・連携することでスピード良くアクションできる可能性」と、「有事の際、伝統産業従事者の実態が自治体でも把握できないため、自宅電話以外の連絡網づくりと実態把握が常時から重要であること」「倒壊した木造民家群には文化財的&観光的な価値があり、再活用の可能性をさぐる意味が高い」等の重要な意見が交わされた。

「PEACE DAY 2024」

活動期間2024年 2月 1日 ~ 2024年 10月 31日

活動をしてみて

一般財団法人PEACE DAYからNPO法人PEACE DAYと名称は変更しましたが、従来通りに、世界平和デーである9月21日に、多くの参加者や協力者のおかげで無事にPEACE DAYイベントを開催&終了することができました。企業メセナ協議会を通しての寄附はありませんでしたが、今後も活動を継続していきます。

第17回大分アジア彫刻展

活動期間2023年 6月 28日 ~ 2025年 3月 31日

活動をしてみて

大分アジア彫刻展は、大分県豊後大野市出身の超楚家 朝倉文夫を顕彰して大分県と豊後大野市が開催する、アジアの新進彫刻家の登竜門と位置付けられる国際公募展です。
ビエンナーレ(2年に1度)形式で開催を続け、今回で17回目を迎えました。アジア11の国と1地域から209点の作品を応募いただき、令和6年10月6日から開催した本展は盛況のうちに会期を終えることができました。会期中には、本展会場と朝倉文夫記念館への市内の小中学生招待や、UBEビエンナーレとの相互情報発信も行うなど、幅広い世代の方や県外の方にも広く発信でき、注目いただけたと思います。企業メセナ協議会様をはじめ、多くの方のご支援のもと、開催できましたことを、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

医療センター Cue

活動期間2022年 2月 1日 ~ 2025年 3月 31日

活動をしてみて

通常の医療機関では対応が難しい、舞台公演の判断が求められる早朝や深夜の時間帯に対応していただくためには、医療側との調整に多くの時間と理解を必要としました。簡単なことではありませんでしたが、それでも「幕を開けるために必要な体制」をなんとか築こうと、試行錯誤を重ねてきました。
これまで、観客にとって当たり前であった「公演が予定通りに上演されること」は、コロナ禍においてはそうではなくなり、上演のたびに検査や健康管理の体制を整える必要が生まれました。その過程で、日々の調整や確認に疲弊する制作現場のスタッフの姿を目の当たりにし、医療センターがその負担を少しでも軽減する受け皿になれたことには、大きなやりがいと意義を感じました。今後は、コロナ対策に限らず、インフルエンザや免疫力、さらにはメンタルヘルスまでを含めた、包括的な健康サポートの仕組みを整え、安心して創作・上演ができる環境を業界全体で作っていきたいと考えています。
また、医療センターでは現在、舞台芸術が人の心や身体に与える影響を、実証的に見つめ直す取り組みも始めています。文化芸術が社会に果たす役割や、公共的価値を改めて問い直し、広く社会に伝えていくことも、私たちの使命の一つであると考えています。

国分寺・ジュニア・ミュージック・シアター 20周年記念事業(第20回定期公演)

活動期間2024年 11月 1日 ~ 2025年 4月 12日

活動をしてみて

本委嘱作品は、当市の学芸員との史跡巡りを起点とし、実に3年の準備期間を経て、無事に初演を迎えた。その間、当市の学芸員に併走してもらい、史実確認から庁内の調整に至るまで尽力いただいた。また、脚本家、作曲家には、史跡巡りから参加いただき、当音楽監督との打ち合わせをかさね、また、全7回のワークショップにも企画段階から携わってもらい、団員はじめ参加した市民と共に、当作品をつくりあげていった。

オーダーメイドのオペレッタ作品は、3歳から中学生の団員の声域に合わせた無理せずに歌える素晴らしい作品に仕上がった。また、日本の子どもたちが親しむ童謡や歌曲の特徴を捉え、何度でも口ずさめる歌いやすい楽曲から成った作品となった。また、観客の日本人のDNAに響くメロディーであり、観客もすぐに舞台に惹きこまれる仕掛けが多用された楽曲で、演者と観客の双方にとって満足できる作品が完成した。

各専門家に寄り添ってもらい、団員と共に舞台を完成させた結果、団員は自分たちで作り上げた作品という認識が芽生え、我が事として作品に果敢に向き合って取り組むことができた。市民も、地元の武蔵国分寺がモチーフになった作品ということで、事前から初演を楽しみにされている様子が、協賛・寄付を募る段階でも手にとるようにわかった。今回、企業メセナ協議会の助成認定制度も活用して、市民の寄付を醸成する一助になる機会ができたと考えている。昨今は、ふるさと納税などの影響もあり、以前よりも、個人寄付に関して理解があり、2つ返事で「寄付しますよ」と言ってもらえる確率も増えたと感じた。一方、企業寄付は困難を極め、広告協賛でならというところも多く、実際、そのようにして寄付を頂戴した。そして、専属のファンドレーザーを配置できず(日中勤務する保護者のみで、日中に企業へ寄付を募れる人材が不在のため)、大手企業への寄付を募ることが皆無だった。一方、団員の親の会も20年前のメンバーに遡り、当初から応援してくれる方々の寄付も事前に頂戴し、20周年記念にふさわしい応援体制を整える事ができたと考える。

当日は、オペレッタの冒頭から楽劇に入り込める新曲で、1300年前の飢餓を演じる子役が「おなかが空いた」と歌いはじめ、現代の飢餓や戦火、被災地を思うと涙が止まらなかった。中盤の子どもたちが助け合う演技に涙し、エンディングを盛り上げる曲で涙がとまらずという感動したという感想が多く寄せられた。終演後のロビーには、客席から涙して出てこられる観客も多く、20年の全公演を観たお客様たちからは、本公演が別格に良かったという声があった。公演後、団員とともに成功の喜びを噛みしめることができた。おかげで、公演後にも、本作品に対して寄付が多数寄せられ、深く感謝するとともに、収支差額も無くなり運営側としては安堵した。

指導者からは、「子どもたちの歌声、演奏は素晴らしく、その努力と集中力を、当日の舞台にすべて注ぎこんでくれました。今回の定期公演を経て、各団員の音楽的な成長は著しく、これからがますます楽しみです。」とのコメントがあり、担当した学芸員からは、「当市の学芸員で本当に良かった、感慨無量です。」との感想が寄せられた。そして、公演前後に、実際に史跡めぐりをしたという感想も多く寄せられて、市の史跡を盛り上げる一助を担えたという自負もある。

このように、多くの方からの尽力により、盛会のうちに終えることができた。同月、4月末には、この作品の舞台である史跡公園に野外舞台ができ、そこで演奏を披露する機会にも恵まれて、本公演の大きな影響も実感している。

唯一の反省点としては、例年の「不思議の国のアリス」、「シンデレラ」、「ヘンゼルとグレーテル」などの往年のミュージカル作品とは異なり、幼児、未就学児が親しみのもてる演目ではなく、小さな子の手をひく親子連れの入場が減った。今回は、史実にもとづく演目ゆえに、小さな子のいる毎年楽しみにされている家庭が来場を遠慮したと聞き、大変に恐縮した。代わりに、中高年の歴史好きのお客様が目立ったのが特徴だった。

それでも、今回の舞台を観て見学した、新しい団員が数名が加わり、第21回目の定期公演に向けて、すでに練習が開始されている。この委嘱作品が、今後とも繰り返し演じられる演目となるように、親の会としても、継続性のある作品として引き継がれるように努めていきたい。

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