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活動者の声

アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)日米芸術交流プログラム2018年度助成事業

活動期間2018年 5月 15日 ~ 2020年 3月 31日

活動をしてみて

2018年度は日本から5名、また、米国から2名のフェローシップ助成、また、米国から日本への渡航を実施した団体1件を支援いたしました。
ACCは、「人生を変えうる異文化体験の提供」を支援目的の一つの柱として掲げています。渡航先の文化コミュニティに入り、時間をかけて、人々と交流を重ねることによって「人生を変えうる異文化体験」が可能となります。また、その経験が、一人の人間としての成長もさることながら、滞在先のコミュニティにとっても大きな影響を与えます。つまり、支援におけるインパクトと質量が圧倒的に高まるのです。
2018年度の事業にあっては、日本からの渡航者5名はすべてACCのフェローシップ最長期間である6ヶ月、また、米国から日本への滞在者2名も3ヶ月と、長期にわたる調査を支援することができました。例年に比べ、助成人数は多少しぼられましたが、執行予算規模としては例年通り、そしてACCが提供できうる支援とその影響力を最大限に活用することができました。

また、今年のグラント受給者として、演劇研究者であるエグリントンみか氏、インディペンデントキュレーターである大坂紘一郎氏と、研究、伝達、批評の専門家を支援することができたのも、大きな成果でした。 エグリントン氏はシェークスピア演劇の専門家であり、これまでイギリスをはじめとするヨーロッパを軸にした研究をしておられました。今回、ACCのプログラムを経て、アメリカと台湾という、まったく違う土壌を持った国と地域を、シェークスピア演劇研究者としての彼女の目線で調査することで、新たな演劇のあり方を発見し、彼女自身がアジア出身の女性の演劇研究者として、現代の社会における演劇研究につながる種を得てくださいました。それぞれの地の演劇における先端的な大学研究機関に所属できたことも、渡航先のコミュニティや人々との交流を活発化させ、多角的な国際交流の実践になりました。
また、大坂氏も、これまでヨーロッパと東京での活動を主にしておりましたが、移民や他国からの専門家が多く生活するニューヨークでの経験を経て、アジアとの繋がりの道を見出しています。氏は、帰国後まもなくして、アジア諸国へのリサーチを開始。各地でACCのグランティとの交流を重ねながら、調査を継続してくださっています。
グローバルな社会への転換が進み、また、社会とともに日々刻々変化していく芸術が生み出されている今日、この芸術のありかたを人々に伝え、記録し、歴史の中に紡いでいく役割を担うプロフェッショナルの存在が社会から希求されています。特に日本において、グローバルな視点と言語を持って発信・吸収できる人材は大変貴重であり、彼らがグローバルに活躍できるプラットフォームや環境の整備が求められております。その意味では、2018年のこれら二人の専門家を支援できたことは大変に幸運であったと思いますし、また、これからも、その時代に社会がもとめる人材や才能への投資が必要であるとの思いをもって、いかにその影響を最大化できるかを探りながら支援を続けてまいります。

そのほか、米国から二人の若い世代のアーティストを招聘し、舞踏、サウンドアート/環境音楽といった、日本において独自の発展を遂げ、世界でもその評価が高い芸術分野を調査する機会を支援しました。世代をつなぎ、新しい表現へと果敢に挑戦するアーティストたちは、時代を革新していくエネルギーをもち、既存の枠を超えた交流を作り出す橋渡しとして大きな役割を果たしてくださっています。

図らずも、2020年は新型コロナウィルスの影響を受け、社会が大きな変革の時期にあることを一人一人が感じざるを得ない状況です。また、社会における不安は、人々を分断し、差別や排他主義を生む要因となってしまうことも、私たちは過去の経験から理解しています。このような時代にこそ、芸術文化や異文化交流は、わからないこと、ちがうこと、みえないものに対し、どのように私たち人類が向き合えば良いのかを指し示す大きな役割をあたえられているのでしょう。
芸術文化を担うプロフェッショナル一人一人の行動は、ともすれば小さな活動に思えるかもしれませんが、しかしそれらは、社会全体に真正面から対峙する一人の人間の覚悟と確信をもってなされているものであり、次の時代を切り開いていく力や思い、意味を持っていることを、今一 度、認識する必要があるように思います。
この変革の時代にこそ、芸術文化発展と異文化交流への支援が求められているとの思いを胸に、ACCは今後も末永く活動を続けてまいります。

気仙沼演劇塾うを座2017年度公演「(仮)虎斑猫のあしあと」

活動期間2017年 7月 16日 ~ 2017年 12月 31日

活動をしてみて

設立当時より、うを座を指導してくださっている俳優で演出家でもある壌晴彦氏(演劇倶楽部【座】主宰)に、昨年春、忙しいスケジュールの合間をぬって書き下ろして頂いた「虎斑猫の譜」。これは地元の民話を題材に、自然豊かな海と、そこに生きる人々との絶望と希望を猫の目線から語らう物語。そこに、何かもう1話を加えて、2話構成で、一つの公演にしたいと、再度壌氏に執筆を依頼。仕上げて頂いたのが「スノーグース」。原作はイギリスの作家ポール・ギャリコの「白鴈物語」。第二次世帯大戦のさなか、イギリスの片田舎で傷ついた白鴈を助けた少女と、肉体にハンディキャップを背負った心優しい青年の淡い恋と哀しい別れ。この2話を、塾生5名と、一般公募で参加する大人7名の計12名で演じることに決定。

壌氏はどうしても日程の調整がつかず、指導のために気仙沼にお出でになることができなかったが、代わりにお弟子さんでもある森氏を指名。森氏には、一昨年から度々稽古をつけて頂いており、塾生やスタッフにとっては絶大な信頼をおける指導者である。しかし、その森氏も、ご自身の出演舞台を抱えているため、直接指導できる日時が限られていた。9月に3週連続で稽古に来ていただいたかと思えば、10月は1日も足を運べず、公演の4日前に入られるという厳しいスケジュール。9月に詰め込み式で稽古していただいたことを、いかに忘れずに11月まで繋げていくかが課題であった。大きく貢献したのが、うを座の卒業生でもあるOB・OGメンバー。芝居全般、歌、ダンスと、それぞれの得意分野を受け持ち、お互いが毎週末の稽古に入れる日時を調整し合ってローテーションを組んだ。こまめにスタッフミーティングを持ち、稽古の進捗状況を伝え合い、モチベーションを下げずに取り組めるよう努力していた。過去に塾生として舞台に立っていた子供たちが、一旦は進学や就職で地元を離れながらも、今度はスタッフや指導者としてと戻ってきてくれた。「大人と子供とが文化を通じて共に成長し合う」という、うを座の立ち上げ当時の想いがを若手スタッフが実現させてくれたわけである。

今回の公演において、反省すべき点は「時間が足りなかった」の一言に尽きる。特に、舞台を作るうえで非常に重要になる音響・照明の打ち合わせが圧倒的に足りなかった。通常、公演を行う際は遅くとも1~2日前には会場に入り、セッティング作業を行うが、今回は前日から会場(ホテル)を借り切ることができず、公演当日の朝、会場に入ってからのセッティング。10時半開場予定だったが、照明の色作りや場面転換のタイミング、マイクの調整などが間に合わず、会場の外でお客様を待たせてしまった。本番同様の稽古(ゲネ)が全くできないまま、不安を抱えて本番に臨むという状況を作ってしまったことが悔やまれる。当然「完璧」という結果にはならず「もっとああしていたら」「あの時にこうしていたら」という後悔が多く残る。また、お客様からの感想として「虎斑猫の譜は難しくて内容がわからなかった」との声が寄せられている。脚本で昔の口語調や難解な単語が使われているのに対し、適切な声量と発声で客席まで台詞を届けることができたかったことが原因と捉えており、今回の公演に関する演技に限らず、役者の地力を含めた指導の不足を実感した。

公演後のスタッフミーティングでは、各セッションから数々の反省点が報告された。森氏からは「自分が深く稽古に入れなかったことが申し訳ない。しかし、今後も舞台を続けていくのであれば、それなりの環境を整えてから臨むべき」とプロの立場からのアドバイス。本番当日に音響・照明を仕上げるということが如何に無謀であったか、改めて自分たちの見込みの甘さを猛省した。今回は、公演日のみに重きを置いてしまい、その前日、あるいは前々日から会場を押さえることができなかったことが最大の反省すべき点であると思う。勿論、出演した塾生の芝居における課題点や、慢性的なスタッフ不足など、他にも改善していくべき点はあるが、厳しいスケジュールの中、少ないスタッフで成し遂げられたことは反省と同時に自信も湧いてきた。一つの舞台を終えて「よかった、よかった」とやり終えたことでの自己満足で終わるのではなく、失敗から目を逸らすことなく、次の舞台のためにどう行動すべきかと考える塾生とスタッフの意識の高さが最大の収穫かもしれない。

水と土の芸術祭2018

活動期間2017年 1月 26日 ~ 2019年 3月 31日

活動をしてみて

開催にあたっては財政状況が厳しく、新潟市からの負担金以外の財源確保に苦慮していたところ、企業メセナ協議会からのご支援を受けることで、協賛いただく企業に対するメリットを生み出すことができ、多くの企業・団体等からご協力いただくことが出来ました。また、企業メセナ文化の周知にも繋がり、新潟市の文化創造都市の取り組みの推進にも繋がりました。

水と土の芸術祭2018

活動期間2018年 4月 1日 ~ 2019年 3月 31日

活動をしてみて

 開催にあたっては財政状況が厳しく、新潟市からの負担金以外の財源確保に苦慮していたところ、SOMPOアート・ファンドからの助成をいただけたことで、国際芸術祭として、海外作家の招聘やアート作品を充実することができました。
 また、イベント保険やセレモニーへのご出席等、助成以外の部分でもご協力をいただき、来場者の皆さまに安心して芸術祭を楽しんでいただく事ができました。厚く御礼申し上げます。

世界会議

活動期間2016年 10月 20日 ~ 2017年 2月 5日

活動をしてみて

本活動は非常に社会的なテーマを芸術作品に昇華させることで“現代”がいかに危機的な時代であるかを、広く社会へ訴えかけることを目的としている。今回活動者として寄付を募り我々の表現したいことに賛同いただける企業様からご寄付をいただくことができた。今後本公演は国内外での再演を目指しており、活動目的に賛同していただける企業様がいることは我々にとっても非常に有益なことであり活動者として取り組んだ価値があったと感じている。

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