芸術・文化支援サイト かるふぁん! -Fund for Culture-

企業メセナ協議会の
芸術・文化への寄付に関するポータルサイト

活動者の声

都民交響楽団新島演奏会

活動期間2019年 10月 2日 ~ 2019年 10月 27日

活動をしてみて

離島には、なかなか本格的なオーケストラが訪問することはない。そのため、学生から高齢者まで多くの島民の方が自主的に聴きにきてくれた様子が感じ取れた。とくに高齢者の方は涙を流しながら「よく来てくれました!」と声を掛けてくれたのが印象的だった。

ブレヒト版『アンティゴネ』

活動期間2019年 10月 20日 ~ 2020年 3月 8日

活動をしてみて

2000年以上前に書かれたギリシャ悲劇を、ドイツ人劇作家ブレヒトが第二次大戦後に書き換えた戯曲『ブレヒト版アンティゴネ』を取り上げ、「日本の高級老人ホームの発表会において演じる」という設定で上演。現代日本と世界の政治状況を重ねることで、多くの観客の支持を得た。衣装デザイン・製作で、韓国の衣装作家イ・ジンヒさんに関わってもらうことで、作り手たちにとっても、権力、祭、神などのあり方について、アジアという一段広くより深い視点で考えるきっかけとなった。
「多様な人たちの交流の場」としての、劇場の存在意義も実感している。アフタートークは定番となり、翻訳者谷川道子氏を招いてのトークも大変好評であった。また、戯曲講座はこれまでで最も参加者数が多かった。地方都市では、演劇上演の機会が限られているため、有名な戯曲について「知りたい」「楽しみたい」というニーズは確実にあり、その思いに応えるために、本講座実施の意味は大きい。また「演劇は難しい、敷居が高い」という観客予備軍(観客の一歩手前で、きっかけさえあれば劇場に来てくれそうな人たち)の背中を押すための、いわば「予習」的なものとして、本講座実施の意味が大きい。ブレヒト版「アンティゴネ 」の上演前の講座では、来場者にこの思いが強く、実際にほとんどの受講者が観劇に来場した。戯曲文学を通じて、年齢も職業なども全く異なる初対面の人たち(高校生から老人まで)が、人間観や人生観を語り合う場が生まれる。戯曲を現在の社会状況とつなぐことを考えている演出家が、ファシリテータをつとめていることが、このコミュニケーションを活性化している。
観客数を増やすべく広報に力を入れ、テレビCMや新聞折り込み広告を行ったが、残念ながら、新型コロナ感染症の恐怖が広がる中、劇場へ運ぶ人の数か押さえられてしまったことは否めない。しかし、どれだけ打撃を受けるのか想像もつかない状況で、動員数の落ち込みはあったものの、積極的な広報のおかげか、当時の社会的状況を考えると、来場者数もそこそこ保つことができたのではないかと考える。鳥取駅からの直行バスも少しずつ知られるようになり、利用者数が伸びている。免許を返上された方や、小中高生だけの利用なども増えてきた。

ニッポンの戯曲シリーズ2『戦争で死ねなかったお父さんのために』

活動期間2020年 10月 1日 ~ 2021年 3月 31日

活動をしてみて

作家つかこうへいは故人であるが、映画「蒲田行進曲」などを通じてまだまだ知名度のある作家である。その興味で来場してくれた観客もあったし、1980年台の演劇界での活躍に同時代的に立ち会った人たちの来場もあった。一方で、名前だけは知っているという若い世代の来場も多かった。不条理的劇的な飛躍やありえないような設定に戸惑いを感じた観客も少なくなかったようだが、上演の狙いをしっかり捉えてくれた感想も多かった。今回はプレトークを実施し(初実施。ネットでも配信)、作品の背景や上演の狙いを観客に丁寧に届けることを心がけたが、それが奏功した部分も大きいと推測する。毎上演後実施したアフタートークでも、参加者それぞれが、感じたことや考えたことを丁寧に語ってくれ、濃密な時間となった。コロナ対応の一環としてウェブでのアンケートを実施しているが、ここに非常に長文の感想が寄せられた。作品に非常に心を動かされたという内容だが、手で書くよりもキーボードで書く方が書きやすい人が増える中で、ウェブアンケートの意義や可能性を改めて感じた。

2021年度鳥の劇場〈いっしょにやるプログラム〉「小鳥の学校」

活動期間2021年 5月 22日 ~ 2022年 3月 31日

活動をしてみて

リモートが続いた時に、受講生たちから焦りや不安の声も聞かれ、劇場で試すことが肝であることを改めて実感した。3月にやっと劇場で再開した際「途中まで上演、という選択肢もある」と投げかけると、「最後までやりたい!」という受講生たち。平日も可能な限り作業したり、学校に公欠交渉をしたり、リハーサルも例年以上に緊迫感があった。そのため達成感も大きかったようで、発表公演時のトーク部分では、どんな困難があり、どんなふうに乗り越えてきたか、実はやめたい時もあった、など、全員それぞれが自分に向き合って、言葉を探し、観客の前で伝えることができていた。
あらかじめ受講条件に「ネット環境があること」を入れており、google classroomを活用しているが、ネット利用に関しては各家庭でルールを定めてもらうため、どうしてもバラつきが生じた。今後もまだまだ、感染症状況によっては自宅からリモート授業もありうるため、対策を進めておきたい。

関西歌劇団 第98回定期公演 「皇帝ティートの慈悲」

活動期間2016年 11月 26日 ~ 2016年 11月 27日

活動をしてみて

全方向客席のアリーナスタイルの客席展開は非常に実験的な舞台設定ではあったが公演後回収したアンケートには「出演者やオーケストラと聴衆の位置、距離感が近いため臨場感あふれる舞台でした」「舞台裏の席で見るのは初めてでしたが楽しめました」「客席通路を使った演出で登場人物をより身近に感じられた」などの感想が多く、通常のプロセニアム形式では観ることが出来ない方向からの観劇など含め、アリーナ形式ならではの動きや表情などの臨場感を味わって頂けた。また上演機会があまりにも少ない演目のため、当初は来場者数が懸念されたが、逆に稀少性もあり、初日は満席に近い大変多くのお客様にご来場頂き、「思いがけず素敵なオペラとの出会いに感動いたしました」「生で観るのに25年待ちました。客席まで使った演出が非常に良く、いくら良い演奏のCDやDVDでもかないません」「再演を希望します」といった感想を頂いたことからも、本活動により上演稀少な作品への再評価と、全方向客席のアリーナ形式での上演というオペラの新しい楽しみ方の提供という点において、当初の企画意図を達成することが出来た。公演前の10月28日に府庁本館活用事業を利用し大阪府庁舎・正庁の間にて無料の宣伝コンサートを実施。90席程度設置のところ76名来場があり、ご来場頂いたお客様へのアンケート(有効回答数30)では、本活動の公演への「興味の有無」、「観劇への動機」の問いに対し、「大変興味を持った・興味がある」への回答が86%、「観に行く・観にいってみたい」への回答が63%も得られた。また本活動の公演時のアンケートにも無料宣伝コンサートで興味を持った旨の回答も僅かながらあり、実際にプレ公演で興味を引き、公演へ足を運んで頂く事に繋がった。また、中ホールでの公演ということで公演経費を抑えられたため、昨年度の公演より入場料の低廉な価格と学生席を設定したことにより、お客様への訴求効果を高め、公演直前のゲネプロではメイシアターの利用者を中心としたリハーサル公開と演出家によるレクチャーを実施し、吹田の市民へもオペラ公演への理解とアピール度を高められた。
改善すべき点としては、公演日が近付くにつれ、記者発表やSNSの利用などから出演者側のアプローチも強化されたが、演目自体のネームバリューが薄く、入場券発売当初はお客様の反応が芳しくなく、一定の来場者数を確保するのに時間を要した点。今後は、新聞広告より無料のコンサートの実施などで出演者の露出を高めることにより、お客様の反応をダイレクトに感じられるので、費用対効果を図りながら実施していきたい。そのほか、既に昨秋よりコンサート毎にアンケートを実施し、お客様が「観たい・聴きたい演目」の調査を行うなど、お客様の生の声からニーズを探り、今後の演目の選定に繋げていきたい。

Page Top
PAGE TOP