4月23日及び5月29日に当企画のコンサートが行われましたので、簡単ですがここに報告いたします。
4月23日、大阪市天満橋にあるエルおおさかB1プチ・エルで開催いたしました。
Cl.南方美穂さん、Pf.戸田優佳 のデュオコンサートでした。
CLの南方さんも、Pfの戸田さんも関西において実力のある若手の演奏家です。確かな演奏技術と表現力そしてクラリネット特有の優しい響きと、スタンウェイD-274の凛とした響きが織りなすハーモニーが会場を包みました。
前日、同じ会場でピアノ、チェロ、オーボエのトリオコンサートがあり私もそのコンサートを拝聴いたしまして偶然にも同じシューマンの3つのロマンがありました。 もともとはオーボエが正しい編成ですが、クラリネットの音色がもつ温かみと優しさがよく合い、室内楽の面白さと可能性を感じました。
またお客様からは、座席が演奏家が見やすいように配置されていたと好評いただきました。
5月29日は学生も含めた若手演奏家によるヴァイオリン、チェロ、ピアノによるトリオコンサートでした。当初依頼したときはまだ学生だったVn.梶原さんも京都市立芸術大学を首席で卒業され、着実にキャリアを重ねていっております。この規模での室内楽での演奏は将来的に貴重になるかもしれません。
松蔭さんも現在学生ではトップのチェリストです。尾上さんはソリストの経験も豊かな素晴らしいピアニストです。
プログロムもオールピアノトリオで、特にスメタナとメンデルスゾーンは演奏家にとってはハードなプログラムです。3人の織りなす音は公演名である千以上の音数で聴くものを圧倒しました。若いながらも確かな技術に裏付けされた素晴らしい演奏でした。
梶原さん主賓の"千の音"と銘打ったシリーズですが、#02は11月下旬を予定しております。
プチ・エル、今福音楽堂、両会場とも責任者の方が大変親切に対応してくれたおかげで、公演は無事に進行できました。
今回寄付は目標金額には届きませんでしたが、企業メセナ協議会様の採択をいただく事の社会的および文化的重要性は存じ上げておりますので、継続して助成認定制度に申請させていただく所存です。
オーケストラとは違い、一人一人の演奏家の音が直接聞こえる室内楽の素晴らしさをもっと多くの方達に知っていただきたく、またお客様がより快適にコンサートにお越し下さるよう、これからも精進を忘れず活動してまいります。
普段は地元の高知で演奏会を行っているが、今回初めて東京での演奏会を実施することができた。コロナ禍の中で十分練習ができない中で臨んだものであったが、高知で育んできたバッハの音楽を、音楽に精通した方も多い東京の皆さまに聴いていただけたことは感謝であった。来てくれたお客様(304名)からは、演奏に対する高い評価をいただくことができた。共演していただいた器楽の客演の方々からの感想も含め、今後の活動の糧としていきたい。
今回、初めて企業メセナの助成認定制度に申請し、採択されたことは、コロナ禍で重大な問題となっていた資金面に、新たな道を拓き、今後の活動への大いなる希望となった。
当公演では、学術的内容でも、より多くの人に、わかりやすく楽しめるように、「演奏会に演劇を取り入れる手法」を用いた。これは、ここ数年当会で模索しつつも積極的に行って来た、独自のイベント形式である。
第一部では演劇を主軸に置き、オリジナル脚本を書き下ろし、劇中で難解なバロック初期作品を受け入れ易い形にして聴き、バロック音楽の成り立ちを知り、第二部からは、そこでの理解を基に、オーソドックスな演奏会形式で、ゲストと当会の演奏家たちでチェンバロ独奏、バロック声楽独唱と二重唱を行った。それにより、発信側と聴衆が共にステップアップしていく事ができたと考える。
寄付活動も含め、今まで以上に様々な人々が公演に関わったことで、より充実した公演に向け、イベントそのもの、加えて運営面での課題も見えてきた。会の発信側の活動者が1つにまとまるきっかけの公演ともなったので、今後に活かして更に精進していきたい。
多くの方々の支えによって公演を終えることができたことを心から感謝いたします。市民ミュージカルでありながら、随所にプロの皆様の仕事があったことで、寄付者の方々にも満足していただける作品として、オリジナルミュージカルを生み出すことができました。
テーマとした「天からのサイン」や「人間の創造性とAIの関係」についても、物語を通じて観客の皆さまに問いを投げかけ、一人一人が見守られているというゴスペルメッセージを作品の世界観で伝えることができたと感じています。
何よりも、新型コロナ感染症の広がる中、まん延防止措置が石川県内に発令されている中での公演であったにも関わらず、キャスト・スタッフが一丸となって本番を迎えることができたことに安堵しております。
また、今回、助成認定制度を活用したことによって、作品や作品づくりの意義を言語化することができたことは内部的にも良い効果がありました。
活動をしてみて
2020年の「月1コンテンポラリーダンス公演プロジェクト」に引き続き、2021年も助成認定制度の承認を得られたことで、地域の方々や参加者等に本活動をPRすることができた。寄付金こそ集まらなかったが、当法人並びに「国際こども・せいねん劇場みやざき」の視察やメディアへの露出が増えたことは、大きな成果であったと捉えている。特に、雑誌「地域創造」第47号に取り上げられたことは、文化芸術の関係者へ大きなPRになった。
活動者を2年続けて、寄付金をいただくことは簡単ではないと再認識している。しかし、芸術団体が自走するためには、資金の捻出が大前提となる。当法人としては、今後も助成認定制度を活用させていただきながら、関心を寄せてくれる方々(企業、団体、個人等)を増やし、それを地域に還元していきたい。
本事業の成果については、以下に示す。
【CandYアート塾】においては、募集人数に占める参加者数は88%。参加者数に占めるリピーター数は46%。コロナ禍の影響下、計画段階の目標値にほぼ達していた。参加者とその保護者を対象に実施したアンケート調査から、定期が不定期になったことや参加できる回数が減ったこと、内容の変更(美的創造的体験→メタバース体験)について、コロナ禍で継続するための臨機応変な対応だったと高く評価していたことがわかった。また、回答した保護者の全員が、子供の参加を、塾や習いごとに優先させていたことがわかった。「いろいろな体験ができた」「どれも自由感がある」 「よいきっかけになった」とポジティブな感想を多く得ることができた。
【CandYアートoffice】においては、オンラインのアート会議及び講義(計13回)の参加者(1〜10名/回)を対象にしたふりかえりのインタビューでは、活動の前後に何かしらの意識変容が起きたと回答した参加者の割合は70%。参加者のインタビューからは、先の見えないコロナ禍で、参加者主導で本事業を実施する難しさがわかった。その一方で、「国文祭みやざき2020分野別フェスティバル」の制作に係わった参加者は、「アーティストへの意識」や「接客意識」が変化したと回答。「学校ではやれない体験ができた」「それなりにいい写真が撮れた」という感想からも、本事業に参加したことをプラスに捉えていた。