これまでの活動経験を活かし、事業の質の向上を目指して準備していたところ、新型コロナウイルスのために予定変更を余儀なくされた。しかし、会場の延期や稽古場としての施設確保、広報宣伝などを、提携の公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団に尽力していただいた。そのおかげで、中止にすることなく、オンラインワークショップ、映像での表現へのチャレンジなど、より発展させた形で事業を行うことができて、中高生や市民の方にもコロナ禍だからこその表現を楽しんでもらえた。ただ、急遽の活動変更に対する団体としてのマンパワー不足も明らかになった。これを機に体制の見直しを図る良い機会となった。
障がいのある、ないに関わらず、「演劇」を通じて互いに信頼関係を築き、創作をすることのできる「ひろば」をつくる事業を中心に活動を行いました。2021年度は、広島県に発令された非常事態宣言や、まん延防止等重点措置の影響を受け、企画を中止・延期せざるを得ない場面も多い一年でした。けれども、皆さまからの温かいご支援209,950円をいただき、参加者が安心して、表現活動を行うことのできる場を確保することができました。
出演者、スタッフ一同の率直な思いは、やってよかった! いや、やり遂げた!という満足に尽きます。 演出ひとつ取り上げても、客席通路、花道いっぱいにダンスチームを配したええやないか騒動の場など感染症対策として縮小変更を余儀なくされて臨んだ公演です。しかし練習が始まると、充分に与えられた環境また材料ではなくても、今あるもので最高の舞台創りをする喜びの気運が高まりました。 たとえ素舞台であっても、役者次第で何とでもなる、上質なものに仕上げられるはずと皆の心が一つになりました。 それによって、ひとりひとりの歴史への造詣と登場人物としてのコミュニケーションが、いつもより深く繋がり、ご来場の皆様から感動のお声をいただく結果を生んだと思います。
感染症対策として、客席を半分とし、行政や支援者の皆様には午前中の本番さながらのゲネプロをご覧いただくことにご理解いただき、入場料収入の確保に努めました。 また、今回初めて頂いた助成認定制度において、広報に回る中、今までと違った感覚を覚えました。 企業メセナ協議会の助成認定制度を受けているという信用は大きなものでした。 寄付の声掛けに耳を傾けて下さる多くの方との出会い、加えて私たちの活動に理解をもってくださる方の広がりに繋がったと感じます。
採択に感謝申し上げます。 ありがとうございました。
今回で3回目の開催となる「もやい展」ですが、幅広い層に認知されてきていることを実感できました。それは、東日本大震災および福島原発事故に対し継続して思いを寄せている方々が潜在的に多数存在していることを意味し、あの災禍が発するメッセージを次世代に語り継いでいく重要性を改めて感じることになりました。
●今後の展望
「継承」をテーマに従来のもやい展のコンセプトを基軸に新たな展開を模索しようと思っています。
今回開催した実験的な企画「Next Generations !!」は発災時はまだ表現の手段を持たなかった世代が10年経った今何を考えて何を表現したいかに着目しました。今回はトーク形式でしたが、次回は実際にアート表現に取り組んでいる若年層を発掘し、「もやい.Next」として新たな表現の場を作り上げていきたいと思っています。
●今後の課題
・事務局の体制改革/サポートメンバーを幅広く募集して事務局負担を軽減する。
・持続可能な表現活動/寄付金やクラウドファンドで資金は調達できたが、今後は出展作家の活動継続を支えるための資金捻出を可能にするためより幅広い資金調達のプランを熟考したい。
・出展作家の作品をアーカイブできるような施設確保、またその資金調達についてリサーチを開始したい。
活動をしてみて
◎面識のない外国の人とオンラインでの交流で相互理解を深めるためには、時間がかなり必要で、映画祭を、72日間という長い期間行うことになりました。コロナ禍で1年延期した停滞感もあるので、プレ企画、開会式、学生交流会、授賞式、上映会などを一つ一つていねいに企画し、SNSで事前、本番、事後を配信するなど達成感のあるものにしました。
◎映画祭をどこで開催するかは、とても重要なことです。フィジカルで開催を予定していた池袋は、戦前、「池袋モンパルナス」として、周辺のアトリエ村の若き芸術家の夢の交差点であったことや、戦後、そのアトリエ村近くに若いマンガ家たちの夢が集まった「トキワ荘」があったことなど、昔から、夢を羽ばたかせる力を与えてくれる場所でした。オンライン開催となったため、若き才能のインキュベーションとしての池袋の歴史を紹介するビデオをつくり、第14回アジア国際青少年映画祭(AIYFF)参加監督全員に贈りました。
◎映画祭のハイライトともいうべき授賞式を理知的なメディア特性を持つZOOMなどオンライン会議システムで行うのはなかなか難しい。会場でフィジカルに行うように一期一会のお祭りとして感情の高まりに流してしまうことができないからだ。できるだけ参加監督たちや参加者が、リアルタイムでつながっていて、全員で祝っていることを実感できる授賞式づくりに腐心しました。また、今回参加の思い出になるように、名前と作品名入りのクリスタルトロフィーを全監督に贈りました。
◎今回ほど賞で序列をつけるべきでないと思ったことはない。それほど素晴らしい、未来の可能性を感じる作品が集まった。大成した多くのクリエイターたちの若い時に全力をあげて制作した作品に接すると、その後の作品のアイデアのほとんどが含まれていることに気がつきます。学生作品の魅力は、その無限に広がる可能性にあると言ってもよいと思います。AIYFFの価値は、どれだけ可能性のある才能同士を出合わせるかによって決まると思っています。賞や評価は、どうしても現状の完成度で決まってしまいますが、創造の刺激という意味では、そこに答えはない。第14回AIYFFは、お互いに最高の刺激を与える作品が結集したことだけはまちがいないと思います。