2015年に開催した前回を超える、260ものプログラムとなり、多くの皆様にフェスティバルをお楽しみいただきました。
姉妹都市・リヨンのダンス・ビエンナーレとの連携により、日仏共同制作による「トリプルビル」など、普段観ることのできない、国際性豊かなプログラムも実現しました。
また、毎週末、市内各所で展開し、約4,500人の市民ダンサーにご出演いただいた「横浜ダンスパラダイス」では市内全域をダンスで盛り上げることができました。
次世代育成事業では、満3歳から高校生までのダンス初心者を対象に、プロダンサーによるワークショップを全26クラス開催した「18区ダンスワークショップ」をはじめ、各年代に応じたプログラムを展開し、参加した子供たちだけでなく、保護者、学校関係者からも満足されたとの声をいただきました。
さらに、義足のダンサー・大前光市さんをはじめ、障害のあるダンサーにご出演いただくなど、国籍・人種・世代・性別、障害の有無等を超えて誰もが楽しめ、参加できるフェスティバルとなりました。
今後も横浜らしい、横浜でしかできないダンスフェスティバルとして、一層の充実を目指します。
松戸市や地域団体、地元のお店や住民の方々の協力に加え、市外から何度もイベントに足を運んで興味深い考察を続けてくれた方がいたり、常連さんも増えているなど、活動の場としての磁力は強まっていることを実感している。
法人の活動全体で見ると、昨年来同様、市や地域団体、民間企業から事業を受託することで収益につながるケースが増えており、場としてのPARADISE AIRやそれを支える個々のスタッフ陣に対して国内外から声をかけてもらえるようになっているが、寄附金や協賛金を出してもらえるような関係性のプロセスは見いだせていない。現状は助成金や委託料、また家賃収入等によって団体を運営できているが、
金銭的な応援をしてもらうための回路づくり(そのための運営基盤)については模索の必要性を感じている。
・今回は「身体を透してみえてくるもの」をキーワードにメインプログラムをラインアップした。各作品の内容に一貫性があり、来場者にも伝わりやすく、また東京オリンピック・パラリンピックを2年後に控えた今だからこそ、より強くアートとスポーツを客観的に捉えることができたという意見が多かった。
・新たな拠点となった会場(草月会館、ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター、ワールド北青山ビル、THREE AOYAMA)は民間企業がほとんどで、ダンス事業を行うことは初めてのところも多かったが、実施後の手応えを感じてくださり、今後フェスティバルを継続していく上でも、新たな企画を行う上でも、大切なパートナーとなるだろう。
・子供たちが楽しむ姿を感じられる「ダンス保育園!!」の実施会場を、青山通りに面したワールド北青山ビルのエントランスを提供してもらえたことで、オープンスペースで、たまたま通りかかった人々も巻き込み、老若男女が楽しむ光景を創出できた。
・今回のメインプログラムはどの作品も、それぞれ違うバックグラウンド(国籍、ダンス歴、表現手法)を持つダンサー・振付家で構成されていた。裸と着衣のダンサー2名が同じ動きを続けることで見えてくる差異や、義手のダンサーの活躍、様々なスタイルの7名のダンサーが踊るエアロビクスの作品など、自分たちを取り巻く多くの問題と紐づけて作品を感じた来場者が多く、多様性を認め合う姿の未来の一面を、ダンスを通して提示できたのでは、と感じている。
本事業は日本写真家協会が創立以来、写真家の地位向上と写真文化の発展を広く公衆に知ってもらうための事業として、1968年の「写真100年展」から戦後カメラ光学工業の発達とマスメディアの発展に呼応して成長した、写真文化と写真人口の増大による表現の変遷を纏める事業の4回目の展示と出版を2021年3月、東京都写真美術館で催した。
本展は1985年から2015年の30年間の写真表現の歴史を纏めたものであるが、この時期は写真発明以来の銀塩をベースとするカメラ機器や感光材料がデジタル電子技術にとって代わるという時期に当たり、写真を取り巻く環境の大変革を記録することになった。
そのうえコロナ感染症蔓延の防止によるあらゆる事業の自粛や休止といった事態に遭遇し、本展も会期を縮小したり、広報活動、入場者の動員自粛といった状況下での写真展の開催で、当初予定した事業成果を満たすことができなかった。しかし、280頁のボリュームある写真集(写真152点、年譜100頁ほか)を発行し、全国の主要な美術館、図書館、文化団体等に寄贈するなど、写真文化の継承を行うことができた。
活動をしてみて
プログラムに対する松戸市や地域団体、地元のお店や住民の方々の協力が様々な形で得られ、活動に広がりが生まれている一方、地元の方々にとって金銭的な支援はハードルが高いということを実感した。
市や地域団体からは様々な事業を受託することで収益をあげるケースは増えているが、協賛金の獲得には至らなかった。
活動に参加してくれる方・活動に協力してくれる方など、PARADISE AIRを知り、また興味を持ってくれる方々が、金銭的な支援をするに至るような道筋の想定を具体的に検討する必要を感じている。