当団体に従来より寄付を下さっている方々以上の層に当団体の活動を知っていただきたい、そして願わくば活動を応援いただきたい、という思いで申請いたしました。このような支援の形があるということを多少なりとも知っていただけたことは、大変良かったと思います。一方で、長いお付き合いのある方々やご年配の方々は従来と同じように直接団体にお金が渡ることを好み、このプラットフォームを使っていただくことは難しかったというのが実情です。当団体に人員の余裕があれば対面で説明にうかがって使っていただくこともできたかもしれませんが、そこに人手を割く余裕がなかったのが痛手となりました。また、国際共同制作という性質上、海外からご支援を申し出て下さった方々もおられましたが、日本語のプラットフォームを使っていただくことは難しく、海外の共催者に寄付をしていただいて間接的にご支援いただく形となりました。団体の従来の支援者にプラットフォームがマッチするか、マッチしない場合にはどのようにマッチする層を拡大していけるか、そのために動く人員を含めたチーム編成やプランニングができるか、といった点が今後の課題として残りました。
「古典音楽から現代音楽まで」の当楽団2024年度定期演奏会(全10回)コンセプトを現在までに広げた第170回定期演奏会を提案し、アメリカのキャロライン・ショウの日本初演作品、フランスの作曲家プーランクの2人のピアニストによる作品、旧ソ連のショスタコーヴィチの交響曲と、近現代2人、現在1人の作曲家の作品をお聴きいただきました。
ブラームスやチャイコフスキーなどのロマン派音楽と違って耳にする機会の少ない近現代・現在曲のすばらしさを聴衆の皆様に堪能していただき、少しでも支持者が増えること、社会的にも広まることに貢献することが活動の主旨であり目的、目標でしたが、ご来場の聴衆の皆様からの高支持と評論家の皆様からの好評価を頂き、また何よりも、この当楽団の意欲的な事業に対して多くの法人、個人の皆様から寄付金が寄せられ、本事業の意義と成果は大きなものがあったと確信しました。そして、更なる飛躍の糧となりましたこと、ご寄付をいただきました皆様、企業メセナ協議会様に感謝を申し上げます。
行政の助成金事業をメインとしていますが、公的にどこまで意味を持たせることができるのかというPRに苦心し、想定していた寄付金は集めることができませんでしたが、今回の経験を踏まえ、関心のある方々からの資金援助に向けてのマネジメント体制を再構築していきます。
また、実施したイベント自体は好意的に受け入れていただいており、今後も継続的な実施を目指していきたいと思います。
能登の祭りや文化、歴史を次世代へつなぐことを復興の足掛かりとし、文化、芸能、音楽などのイベントを企画実施していくことで、次世代を担うこどもたちが故郷に誇りを持ち、能登の未来を切り開く一助となることを目的として、音楽家・映像作家などと協力して実施した。
全国的なネットワークを構築し、ファシリテーターを募り、募金箱を全国各地に設置するとともに、ご寄付を募り資金を調達し、七尾市教育委員会と連携して市内2中学校にてトーク&コンサートを開催し、うち一校に情操教育に活用してもらうための募金を贈呈した。
ビデオメッセージから、演者と能登とのかかわり・印象、そして能登半島地震により被災後の遺産(文化・伝統)を伺い、自分達の生活している場を見直し、受け継いでほしいとの応援メッセージがあり、支えられていることを実感できた。
基調講演では、音楽が持つ力を借りれば、①音楽で気分を盛り上げることができ、②音楽で体を癒し、③音楽で気持ちを落ち着かすことができ、身近な音楽の力を知ることができた。
コンサートでは、能登のふるさと・祭りの映像(歌詞付)を制作して大型スクリーンをバックに、能登の自然や人柄を歌い、演奏とのコラボレーションが実現させ、能登の自然を生かし、人々のやさしさと支えあうことの大切さを伝える機会を設けることができた。
能登半島地震で被災した人々の気持ちに寄り添う思いで制作した復興支援ソング「能登の翼」で、被災者の気持ちに寄り添い励ます活動を今後も広めていきたい。
活動をしてみて
2024年、第33回国際音楽祭ヤング・プラハは全てのプログラムを無事成功裏に終えることができ、関係者一同、喜びに堪えません。
オープ二ング・コンサートはチェコ上院のあるワルトシュタイン宮殿ホールで上院議長がパトロンになって下さり、華々しく開催されました。作曲家ドヴォジャーク直系曾孫にあたるペトル・ドヴォジャーク様が今年から名誉代表に就任され、特別なオープニングとなりました。
プログラムはユニークで、スメタナの「ヴルタヴァ(モルダウ)をハープによる独奏で幕を開け、国際コンクールに入賞したばかりのヴァイオリニスト木村和奏さんが駆けつけ、まず「花は咲く」を弾いていただき、ショーソンのポエムなど、感性豊かな深みのある演奏に興奮しました。人気の高いポーランド大使館ホールでは今年は日本人ピアニスト谷さんが奏でる心に沁みるショパンのワルツに魅了され、コロブラット宮殿最上階ホールではピアノとチューバの近代音楽も楽しみました。
合間に、リラックス気分でプラハのホテルでジャズサロンコンサートも行われ、チェコ人のサクソフォーンとピアノで軽快なリズムの演奏が続き、ジャズの魅力に酔わされました。
10月1日は、ヴルタヴァ川岸に位置するドヴォジャークホールでのファイナルコンサート。
建物の正面にはドヴォジャークの銅像が立っていて、それだけでここは彼の祖国であることを実感します。
ファイナルは、オーケストラとの共演で、指揮者も含め、若くしてすでに素晴らしい活躍をされている選り抜きのソリスト達の饗宴です。英国人のオーボエの演奏で始まりました。ことに二楽章の絹糸の艶のような音色に会場は息を呑み、静かな感動に包まれました。チェコ人ヴァイオリニストのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲もフレッシュでしかもセンスの良い演奏で好感が持たれ、大喝采でした。最後はこのホールで、しかもドヴォジャーク曾孫ご一家が聴き入る空間で、北村陽さんのドヴォジャークのチェロ協奏曲で会場が興奮の渦となりました。お人柄におおらかなオーラを放っていられましたが、この若さで?と演奏にも仰天しました。作曲家が自らの言葉で語っているような錯覚に陥ったほどです。 最後はスタンディング オーヴェイション。
プラハは音楽の都です。チェコで活動する多くの日系企業の皆様の支援をいただき、駐チェコ日本大使館が心強い支援を下さり、チェコ文化省、チェコ上院、ポーランド大使館、ハンガリー大使館、プラハ市の皆様が毎年、応援をして下さり、結果、33年もの間、一年も途切れることなく国際音楽祭ヤング・プラハを開催出来ました。
これまでの諸先輩のご苦労に想いを馳せ、今後もさらに続けてゆくことを誓いました。