(1)達成できたこと
コロナ禍以降、2回目の大阪城ホール開催となり、前述のように学校単位での参加が増えたことが大きな点です。昨年の課題でも挙げていたように、コロナ禍で激減した学校単位での参加をどのようにして増やしていくのか、という点がありました。この点を、大阪府教育委員会の協力のもと、多くの小中学校に参加の案内をさせて頂き、今回の形となりました。参加された学校や子ども達からも、感動の声がたくさん聞かれました。
(2)現状の課題
学校単位の参加校をもう少し増加させたいという点です。「踊りが好きな子」「得意な子」ばかりが集まって踊るのと、学校単位で、上手も下手もなく、全員が力を合わせて取り組む、というのは大きく異なります。どちらも大切ではありますが、特に後者が私たちの大きな目的の一つにありますので、引き続き、教育委員会と連携をし、学校へのアプローチを実施してまいります。
(3)今後の改善点
昨年よりも、全体の参加チーム数は減少しました。コロナ禍の影響で学校単位での参加が途絶えたということも大きな原因としてありますが、昨年初めて参加された複数のチームが継続して参加されなかったことも挙げられます。目的や理念として、学校園の子ども達の参加を増やすことも大切ですが、祭りとして、華やかさ、賑やかさなども意識的に盛り上げ、参加するだけでなく、見ているだけでも楽しめるような祭りづくりを行っていくことも改善点だと感じています。
(4)自己評価
今年も、多くのご協力者の皆様より、資金面、ボランティア面のお力添えをいただきました。25年にわたって、私たちのような小さなNPOが大阪城ホールという大きなホールで活動を継続できたことは、やはり「踊りを通した青少年健全育成」という理念を大切にしてきたからだと強く感じています。次年度以降も、引き続き、理念を大切に活動してまいります。
(5)「社会創造アーツファンド」採択によるメリット
毎回書かせていただいておりますが、今回も、特に企業にとっては、損金扱いにできるこの仕組みを使わせて頂くことが多く、心から感謝しています。そして、採択を頂けていることによって、活動の「社会的信用」にも大きくつながっています。
「若く才能ある声楽家の方々に、名古屋から世界に羽ばたく機会を提供したい」という思いで開催したコンクールでしたが、第1回にも関わらず40名以上の応募があり、当コンクールの意義を理解いただけたと感じたと共に、参加者の方からの期待度の高さを感じました。
オペラの本場であるイタリアで活躍されている一流の審査員に講評をもらえるという点も、参加者から大変好評でした。
第1回ということもあり、本選の進行にあたって多くの改善点が見つかりました。控え室にもタイムテーブルを貼る、出場者入れ替えの時間も含めてタイムスケジュールを組む、自由に声出しできる場を設ける、公式ピアニストの導線に無理がないよう審査順を決めるなど、次回開催の際に活かしたいと思います。
ご協賛をいただきました企業様、個人様は税制上の優遇が得られるということで、全ての方が企業メセナ協議会様を通じてのご協賛となりました。ありがとうございました。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」では、サントゥッツァの心情を歌った場面や、サントゥッツァとトゥリッドゥとの激しい二重唱が皆様に感動を与え、最後の「トゥリッドゥが死んだ!」の叫び声で、ルチアとサントゥッツァの悲壮感が舞台にたちこめ、心に響く舞台となりました。またソリストと共に総勢60名の合唱が美しく清らかなメロディーを奏で、更に壮大かつ迫力をもって舞台に響きわたる音楽をお届け出来たと感じております。
「道化師」では幕前のトニオ役による口上に加え、悲劇とコメディの対比等興味深くご覧頂けたと思います。トニオが座長の妻をしつこく口説いたり、逢引きを見たカニオがネッダを激しく問い詰めたり、カニオが芝居と現実の区別がつかなくなり絶叫したり、最後はカニオがネッダの胸を刺し、客席から駆け寄ったシルヴィオも刺してしまうなど、感情が溢れる出る舞台となりました。
ご来場者の方々からは、「魂を揺さぶる歌声で感動しました。」「感動して涙が出ました。」「迫力満点。圧巻の演技。」「迫真の演技素晴らしかったです。」「愛憎劇、母への思慕が物語として極端に感じられ、イタリア人の気質を色々と想像しました。」「今まで見た中で一番泣いたパリアッチョ。ヴェリズモオペラは面白いと感じられた舞台でした。」「人間性溢れる物語で圧倒されました。」等々のお声を頂きました。
今回は舞台装置のみの公演で、悲劇(カヴァレリア・ルスティカーナ)とコメディ(道化師)という変化をつけたことで写実オペラをよりお楽しみ頂けた思います。
児童合唱・児童助演の子供達は今回の経験を通し音楽の楽しさをより一層感じた様で、公演が終わるのを残念がってました。
今回、若い世代にオペラに興味を持って頂きたいと考え、大阪・兵庫・奈良で音楽を学んでいる高校生を招きました。今後も引き続き範囲も広げて高校生を招待して行くことで、オペラや他の音楽に興味を持って頂き、文化芸術の普及に繋げて参りたいと考えます。
「第一回平和の舞<神楽の学校2020inさくらぴあ>」、「第二回平和の舞<神楽の学校2022inアステールプラザ>」に続いて「第三回平和の舞<神楽の学校2024inアステールプラザ>」は、現代によみがえる儀式舞“奉納神楽”を主眼とし広島県内の奉納神楽を取り上げてきた。その結果、県民・市民に徐々に定着し538名の来場者から、演目や舞台制作、舞と楽等、様々な観点から高評を得、企画内容の上でも拡充してきたことが窺えた。神楽は地域の共同体における亡くなった方々への“鎮魂と再生”を原意としており、主催である(一社)ヒロシマ・ミュージック・プロジェクトの理念に沿って、<多文化社会と共生><核兵器廃絶と平和への希求>を根底に神楽を通して伝えてきたことが、参加する神楽団と来場者の間で共有できつつあることを実感した。その意味で事業の目的は達成されたと思われる。今後、神楽団が主体となって企画運営を担う際、後継者育成やこれまでの研究者によるレクチャー(神楽の歴史)やワークショップ(神楽の体験:楽や舞や神楽衣装の着衣体験)や神楽公演(神楽の鑑賞)等の立体的な構成を理解し、単に神楽鑑賞ではない神楽文化の継承を県民・市民に継承していけるような体制づくりを行政と民間(県民・市民)と協働して実施してほしい。その意味で、企業メセナ協議会の助成認定制度の活用は企画内容の拡充の上で大変貴重であり、感謝に堪えない。
☆来場者の反応・反響、批評家等の評価など
来場者の反応は、神楽舞台、演出、演舞、楽他、会場ロビーでの比婆荒神神楽と尾道市神楽の展示(八岐大蛇や神楽の歴史や活動地域他)大変高評であった。また共催の(公財)広島市文化財団広報誌「to you10月号」(比婆荒神神楽社副社長 横山英史の巻頭ページ)やマスコミ等(朝日新聞広島版、中国新聞、広島エフエム放送、広島ホームテレビweb等)の広報協力により、2カ月にわたり県民・市民の事前の周知が行われたことは、今回の良い成果につながったものと思われる。
近未来、神楽文化の継承と人材育成等のために、「平和の舞<神楽の学校>」が行政と民間(県民・市民)との協働で開催されるよう組織づくりと運営のために尽力したい。今後とも、ご支援・ご協力をお願いいたします。
活動をしてみて
長年の開催により、地域にアート圏を構築してきている。子ども世代に関しては、乳幼児の施設にて0歳から3歳児向けのワークショップを開催し、保護者とともに乳幼児の人型トロールの作品を制作した。小学校では数年授業の一環としてのワークショップ、鑑賞授業を実施している。学校が制作現場として開放されており、小学生がアーティストの制作過程を日常生活の中で見ることができ、また、アーティストとの交流が可能となっている。アートの考え方による物事の捉え方を学び、ワークショップでは実作を通した自己表現の場を提供することができた。ここ数年は、これらを体験して育ち、建築系や美術系の大学に進学した子供たちが、戻ってきて参加するケースが多く見受けられる。今年も大学院生(夜明けのトリ)がずっとトロールに出るために頑張ってきたとトロールに参加、見事なコンテンポラリーダンスを披露した。また地域の町内会の回覧板で企画案内を回すといった協力を得られ、普段アートに関心がなかった高齢者も多く来場し、週末の音楽の芸術性や楽しさを感じてもらうことができた。
国際的な面としては、今年は、メキシコからのロックバンドが参加した。西荻のライブハウスでの参加を希望し、自らの応募で参加につながった。SNS等で国際的な参加者が増える可能性も感じられた。
また、風や周辺の空気の変化に応じてAI生成が風の詩を作り出す作品「KARRAGE INC」、東京の自然に住まう動物のシルエットを模した「動物の扉」、西荻ことビルにてフェイク映画祭など、現代アートとしても質の高い企画が並び、アートファンの要望にも応えた形となった。