2011年以来、防大島ふるさとづくり NPO法人周のん太の会との共催で、大島文化センターホールにて開催してまいりました。2020年~2024年はコロナ禍のため開催を見送りました。
地元のコーラス団体「やまびこコーラス」の皆さんは、NPO法人周のん太の会のメンバーの奥様方が主なメンバーで、毎年一度、ご主人方がスタッフとしてステージを支えています。
日本子守唄協会はやまびこコーラスの皆様と一緒に、子守唄・童謡・唱歌を中心とした演奏を地域の皆様に聴いていただいております。今回は高橋美清さん(天台宗僧侶)が会場の皆様と一緒に童謡・唱歌を歌っていただき、相川厚先生(東邦大学名誉教授)が「健康講座」、西舘好子(日本子守唄協会理事長)が「子守唄と子育て支援」についてお話しました。
終焉後、参加者の皆様から「とても楽しくて、為になりました」とのお言葉をいただきました。
この1年のプロジェクトを通してうまれた出会いやクリエイティブな時間は非常に刺激的で今後に繋がる大きな財産となりました。
参加者の方においては、遠方から参加してくださったり年齢や性別、障害といった枠を超え、クリエイションを通して繋がりあうことができました。毎回同じ場所でありながらその光景は一度も同じものはなくいつも新鮮なものでした。
講師として来てくださったクリエイターの方々も、有名無名に関わらずたくさんの方がお越しくださいました。
文化芸術の発展には市場で価値が高くつくアーティストだけでなく、無名のアーティストの存在が必要不可欠だと感じています。生活資金を稼ぎながらであっても各々のクリエイションに誇りを持ち発信し続ける方々の存在は強く輝くものがあり、その方々と間近で触れ合うことは個々のの思想を揺さぶる程の影響力があると改めて感じました。
可視化できる知識や技術が評価される一般社会のなかで、「表現」という可視化できないものの価値をこれからも引き続き訴え続けていきたいと思っております。
一方、毎月0ベースからの準備、宣伝、当日の運営などをすべて1人で行ったこともあり、月1回での定期開催とはいえ予想以上の労力が必要でした。その結果、自ら出向いての営業がほとんどできなかったことが大きな反省点となりました。結果自己資金を投入せざるを得ず、資金不足のため活動報告資料として作成を予定していた冊子制作は動画としてオンライン上での公開に変更するほか、HPの見せ方、運営方法などにも課題が多く残りました。
また、年度途中での急な自身の入院・手術などに加え11月に関しては自身の体調不良で開催がキャンセルとなったこともあり、長期的な運営方法についても今一度考え直す機会となりました。
1年間の活動を終えて、今回無名の個人の活動を社会の中の文化芸術活動として採択してくださったことに心より感謝しております。どんな立場であってももし本人が望むのであれば社会に出て道を切り開くことができる、それを身を以て示したいという想いがより一層高まりましたのでこれからも形を探りながら活動を続けて参ります。
2024年、第33回国際音楽祭ヤング・プラハは全てのプログラムを無事成功裏に終えることができ、関係者一同、喜びに堪えません。
オープ二ング・コンサートはチェコ上院のあるワルトシュタイン宮殿ホールで上院議長がパトロンになって下さり、華々しく開催されました。作曲家ドヴォジャーク直系曾孫にあたるペトル・ドヴォジャーク様が今年から名誉代表に就任され、特別なオープニングとなりました。
プログラムはユニークで、スメタナの「ヴルタヴァ(モルダウ)をハープによる独奏で幕を開け、国際コンクールに入賞したばかりのヴァイオリニスト木村和奏さんが駆けつけ、まず「花は咲く」を弾いていただき、ショーソンのポエムなど、感性豊かな深みのある演奏に興奮しました。人気の高いポーランド大使館ホールでは今年は日本人ピアニスト谷さんが奏でる心に沁みるショパンのワルツに魅了され、コロブラット宮殿最上階ホールではピアノとチューバの近代音楽も楽しみました。
合間に、リラックス気分でプラハのホテルでジャズサロンコンサートも行われ、チェコ人のサクソフォーンとピアノで軽快なリズムの演奏が続き、ジャズの魅力に酔わされました。
10月1日は、ヴルタヴァ川岸に位置するドヴォジャークホールでのファイナルコンサート。
建物の正面にはドヴォジャークの銅像が立っていて、それだけでここは彼の祖国であることを実感します。
ファイナルは、オーケストラとの共演で、指揮者も含め、若くしてすでに素晴らしい活躍をされている選り抜きのソリスト達の饗宴です。英国人のオーボエの演奏で始まりました。ことに二楽章の絹糸の艶のような音色に会場は息を呑み、静かな感動に包まれました。チェコ人ヴァイオリニストのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲もフレッシュでしかもセンスの良い演奏で好感が持たれ、大喝采でした。最後はこのホールで、しかもドヴォジャーク曾孫ご一家が聴き入る空間で、北村陽さんのドヴォジャークのチェロ協奏曲で会場が興奮の渦となりました。お人柄におおらかなオーラを放っていられましたが、この若さで?と演奏にも仰天しました。作曲家が自らの言葉で語っているような錯覚に陥ったほどです。 最後はスタンディング オーヴェイション。
プラハは音楽の都です。チェコで活動する多くの日系企業の皆様の支援をいただき、駐チェコ日本大使館が心強い支援を下さり、チェコ文化省、チェコ上院、ポーランド大使館、ハンガリー大使館、プラハ市の皆様が毎年、応援をして下さり、結果、33年もの間、一年も途切れることなく国際音楽祭ヤング・プラハを開催出来ました。
これまでの諸先輩のご苦労に想いを馳せ、今後もさらに続けてゆくことを誓いました。
当団体に従来より寄付を下さっている方々以上の層に当団体の活動を知っていただきたい、そして願わくば活動を応援いただきたい、という思いで申請いたしました。このような支援の形があるということを多少なりとも知っていただけたことは、大変良かったと思います。一方で、長いお付き合いのある方々やご年配の方々は従来と同じように直接団体にお金が渡ることを好み、このプラットフォームを使っていただくことは難しかったというのが実情です。当団体に人員の余裕があれば対面で説明にうかがって使っていただくこともできたかもしれませんが、そこに人手を割く余裕がなかったのが痛手となりました。また、国際共同制作という性質上、海外からご支援を申し出て下さった方々もおられましたが、日本語のプラットフォームを使っていただくことは難しく、海外の共催者に寄付をしていただいて間接的にご支援いただく形となりました。団体の従来の支援者にプラットフォームがマッチするか、マッチしない場合にはどのようにマッチする層を拡大していけるか、そのために動く人員を含めたチーム編成やプランニングができるか、といった点が今後の課題として残りました。
活動をしてみて
少しずつ団員が増え、活気に満ち、各々チケット販売等の呼びかけが功を奏し、客員数に繋がった思います。今回オーケストラ用に編曲したシューベルトの歌曲とメイン曲のフォーレ、アンコール曲等全てのプログラムは客様より大変好評でした。また一歩前へ進めたと思います。これからも一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。