・今回は、海外から(韓国・香港)5名のエントリーがあり、より国際的なコンクールになりました(コロナ禍以来) また、海外勢のレベルの高さに大変刺激を受け、素晴らしいコンクールになったと思います。
・今回、初めて一般部門にのみセミファイナル(課題曲設定)を設けました。音楽史上、より多くの曲を学ぶコンクールにしたいという考えからです。エントリー者に負担が大きいかと心配しましたが大変好評でしたので、次回は、Jr.Ⅲ(高校生)にもセミファイナルを設ける予定です。
・今年ポーランドで開催される「第19回ショパン国際ピアノコンクール」の予備予選通過者が発表になりました。日本人24名の中に、このIIPC いしかわ国際ピアノコンクール過去の入賞者6名のお名前がありました。喜び、驚きとともに、このIIPC のレベルの高さを物語っていると自負しております。
・セミファイナル・ファイナルの来場者数が少ないことを次回への反省点として、対策を考えたいと思っております。
今回初の試みとして、約1ヶ月間の長期にわたっての会期となった。また、今年度初めて、アートを通して地域課題に取り組むソーシャリーエンゲージドアートを公募し、うち1名がアートプロジェクトを実施した。取り扱う課題としては、地域のお地蔵さん周辺を盛り上げる、というテーマで、選出アーティストは地域の方の家族写真や地元の祭りの写真を掘り起こし、屋外に展示を行った。展示もさることながら、作品に至るまでの過程として、地元の人々との交流を通じて、協力を仰ぎ、一つのプロジェクトとしてアウトプットできたことは当初の狙い通りで、非常に意義深いものだった。また、地元商店とのコラボ企画としては、もののけアーティストとのコラボ企画にグルメ商店14店舗が参加し、旅館だけではなく、より多くの商店にも広がりを持つことができた。
運営面に関しては、リラてぃぶの存在が大きく、24名のボランティアの応募があり、延べ46名がボランティア業務に参加した。ボランティア参加者の中には、こちらからのお願いした業務内容以上のことを自ら率先して行ってくれることもあり、非常に高い意欲があり、また機会があれば、やりたいという意向もいただくなど、次につながる繋がりが生まれたことは非常に意義深い。一方で、業務内容として、もう少しお願いすることを増やしても良かったという反省もあり、加えて、もっと早くから関われる仕組みを構築することで、よりボランティア参加者の満足度が高まると考えられるため、次年度以降ではリラてぃぶの仕組みづくりを再考したい。
三陸ブルーラインプロジェクトでは、今期も地域のあちこちで、多世代が出会い、つながり、笑い合う光景が生まれました。
防潮堤をキャンバスに、地域の人々が自ら手を動かして作り上げるタイルアートは、単なる装飾にとどまらず、人と人との交流や、震災の記憶を次世代に伝える大切なきっかけとなっています。
今回は、高校生からの参加も多数あり、「震災の記憶がほとんどない世代だからこそ、この活動を通じて学べたことが大きかった」との声をいただきました。
また、コロナ禍で近隣のこども園との交流が途絶えていた福祉施設では、子どもたちとお年寄りが一緒に作品を制作する場が実現し、参加者の笑顔がとても印象的でした。
地域住民の参画も広がりをみせ、作品展示の際には、住民の皆さんが作品のレイアウトデザインにも積極的に関わってくださいました。プロのアーティストと並んで地域スタッフがエリアを仕上げていく様子からは、「このまちに市民アートが根づいている」という手応えを感じました。
若い世代の参画も着実に進んでいます。イベント運営や制作の現場を支える20代のスタッフが徐々に増えていることや、より多くの子どもたちと作品制作に取り組めたことは、今後の持続的な展開に向けた心強い変化です。
「自分の手で作った」と誇らしげに語る子どもたちの姿や、「子どもの創作意欲が刺激された」と語る保護者の声も、活動の意義を改めて実感させてくれました。
こうした場づくりが可能になっているのは、ご支援くださっている皆さまのおかげです。
企業メセナ協議会を通じてご寄付くださった皆さまには、心より感謝申し上げます。
みなさまのご支援は、単に「イベントを支える」だけではなく、地域の中で世代を越えたつながりを生み出し、震災の教訓や海と共にある暮らしの知恵を、未来へとつないでいく力になっています。
今後は、廃棄予定の海洋プラスチックを再利用したアップサイクル・アートにも挑戦するなど、環境面での社会課題にも取り組んでいく予定です。
「アート×防災×環境」の交差点で、三陸の未来に彩りと持続可能性をもたらすこのプロジェクトを、これからも地域の皆さま、ご支援くださる皆さまとともに育ててまいります。
2020年の初開催から5年目という小さな節目を迎えた2024芸術祭では、大切に守りたい定番企画に加え、福祉施設や地元の方々、支援をしてくださる企業の皆様との交流を通じて、新企画も実現することができました。
全国公募展での入賞者を迎えての授賞式ではアーティスト同士の出会いの場となったり、入選したことがきっかけとなり、これまで障がいがあることから外出が困難だったアーティストが自身の作品展示を見るために、生まれて初めて東京まで来たという方や、初対面のアートクルー(ボランティア)が活動が終わる頃には旧知の間柄のように楽しく会話をしていたり、また昨年の来場者がアートクルーとして今回は参加されたりといった事もあり、本芸術祭を通して、人と人とのつながりや関係性を深めることでお互いを認め合うという意識の高まりの場面や、外に一歩出てみようというきっかけの場に立ち会えたことに無上の喜びを感じます。
また協賛企業からアートクルーとして芸術祭に関わってくださる方たちも増え、中にはアートクルーとして参加する事を企業内の人材育成の場や勉強会として位置づけるというケースも出てきました。
私共はこれからも協賛協力企業の方々、地元やそのほか様々な形でサポートをしてくださっている方々に感謝を申し上げるとともに、これからも様々な企画を通じて本活動を継続し、「共に生きる」ことができる社会の実現に向けて取り組んで参りたいと思います。
活動をしてみて
一年がかりでこのコンサートを企画、実現でき、特別な環境(お寺の本堂)でのコンサートということが、成功の大きな要因だと思いました。お線香の香りが満ち、しつらえが美しく、響きが綺麗でお客様は身近に音、技術、声を体験し、別世界に誘導されたのではないかと思います。本堂を貸してくださった密蔵院様に感謝申し上げます。
若手の邦楽器演奏家達。このところの活躍は目覚ましく、その活動場所は世界に広がっています。この3名は古典もしっかり演奏でき、その上に新しい現代音楽のジャンルに挑戦し活動の幅を広げています。その片鱗を存分に披露してくれて、お客様たちに大きな刺激を与えてくれたのでないかと思います。本プログラムに加えてもっと身近に楽しんでいただくため30名限定「学和座」を開催しました。みなさまからの活発な質疑応答でうなづく事ばかり。非常に充実した時だったと思います。
質に拘り続けている音和座実行委員会の活動も、企業メセナ協議会のご協力などでなんとか保てており、今後も続けていきたいと思っております。