残念ながら、奄美文化センターでの恩返し公演は中止、延期となったが、まず朝崎郁恵の生まれ故郷の島である加計呂麻島で、規模は縮小したとはいえ公演をし、また、主要な奄美の協力依頼先候補の方々とお会いすることができ、これからの恩返し公演について説明することもできたので、長い目で見た「恩返しプロジェクト」は順風満帆とは言えないながらゆっくりと滑り出したと言えるだろう。現在は今後の恩返し公演のための準備中である。
小生が参加したのは2日のみであったが、着物ショーを福岡市と企画、学生の卒業休暇も重なり若々しいオープンアートになった。日本とペルーの物理的な位置が丁度スエーデンから等距離になり、伝統的な両国の異文化に対する関心も高まっていたように思われる。
作品に忠実に従った規則的なダンスは出演者各々が抱えている社会に対する疑問や不満を率直にぶつける姿として映り、やがて数を重ねるほどそれは膨大なエネルギーに変わり、自他共にそれを真髄に受け取ることが出来た。
どんな困難な状況でも真っ直ぐに立ち向かう。
そのようなダンサーの芯の強い姿勢は、観ていた同世代からの反響は大きかった。
今回この上演は、芸術文化と社会への意欲的なアプローチを仕掛けていく世代への架け橋となった。
今回が初めての三都市ツアーということもあり、一部を除き移動費や宿泊費はダンサー、スタッフが自費で負担するなど経費削減をしました。
ゴールデンウィークに金沢市を中心に開かれた「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」の来場者(4月28日~5月5日)が、11万1840人に上った。石川独自の音楽祭として第1回となる今回は、「ベートーヴェン」の楽曲を中心に、有料・無料あわせて178公演を行った。
オーケストラ・アンサンブル金沢に加え、ドイツや台湾の一流オーケストラなどによるベートーヴェンの全曲演奏、いわゆる「ベートーヴェン・チクルス」を行ったほか、
石川が誇る伝統芸能である素囃子の公演や雅楽とクラシックのコラボレーション、いしかわミュージックアカデミー出身者などの国内外で活躍する若手演奏家によるコンサートなど、石川の多彩な音楽文化を前面に打ち出したプログラムにより、これまで以上に多くの県民の方々に楽しんでいただくとともに、全国の音楽ファンに対して強くアピールできたものと考えている。
また、金沢駅周辺はもとより、しいのき迎賓館や赤羽ホールなど金沢市中心部での公演を実施したほか、能登や加賀でも公演を開催し、この結果、来場者数は111,840人と、目標としていた10万人を超え、昨年を上回る方々にご来場いただいたところであり、県民挙げて、この音楽祭を盛り上げていただいたと考えている。
また、国内外の一流の演奏や本県の伝統芸能である邦楽を気軽に鑑賞することができる音楽祭として、音楽愛好家の裾野の拡大を図るとともに、音楽を通じた交流人口の拡大と地域のにぎわいの創出にも繋がったのではないかと考えている。
活動をしてみて
パイロット企画の公開リハーサルでは、「普段のレッスン」であれば指導が集中するはずの弦楽器奏者への指導が少なく、ピアニストへの指導に熱を帯びる様子にお客様が驚いていた様子で、ピアノは伴奏ではなく「共演者」である、ということを再認識していただくきっかけとなったのではないかと実感した。
本公演では、リハーサルにもご参加いただいた方から「こんなに変わるなんて…!」という感想があり、リハーサルを通じて若手演奏家たちがよりその音楽性を高めた様子をお客様にも感じていただける場となった。
オーディション予選にはMusic Dialogueアーティストにも審査員として参加してもらうことにより、若手演奏家のアーティストにも審査経験を積んでもらう機会となっただけでなく、演奏を聴くことによって自身の演奏を振り返るきっかけや新たな気づきの場となった。
オーディション本選の授章式では、審査委員長を務めた大山平一郎の講評での「音楽演奏とは単に素晴らしい技術を披露するためのものではなく、作曲家が意図したことをくみ取ってそれを最大限に表現(再現)することで聴衆に感動を与えるものです。技術の習得は必須ですが、そこから先の長い道のりが重要なのです」という言葉に参加者が皆、真剣に頷きながら聴いている様子が印象的で、参加者にとって学びを深める機会となった。