ウェスティミラクル2022『久遠の彩り』公演に於いて『堺かるた唄』を堺シティオペラ声楽アンサンブルによる演奏で初演し好評を得、『堺かるた唄』は、堺シティオペラから人気の作曲家次郎丸智希氏への委嘱作品で、子ども達と混声合唱による大作で今回ために作曲者が新たに筆を加えた楽譜で歌いあげた。
「道成寺」和歌山に伝わる安珍清姫伝説が題材のオペラで、両作品とも地元・近隣の題材であるため、お客様になじみやすい公演になった。
この公演は音楽大学、大学院等を卒業、修了後間もない新進歌手たちを起用し、若手オペラ歌手を育成する事を主軸に捉えた公演です。
オペラ《偽の女庭師》の舞台にのるここで、本番に向けての意気込み、体(声)の調整方法等、本番だからこそ体験できることなど、オペラ歌手としての大きな成長へと繋がったと確信いたしました。
若手出演の公演でしたので、入場料金は抑えねばならず、企業メセナ協議会を通してご寄付を得られることは公演を運営する上で大変有難く、励みとなっております。
2023年の音楽祭は、4年ぶりに本来の形で実施することができた。客席の制約がなくなった会場に来場客を迎え入れ、すべての有料公演を開催したほか、コロナにより2019年以来休止していた街角の無料公演「桜の街の音楽会」も50公演程度実施した。コロナ前と同等の来場者数というわけにはいかなかったが、国内外から多くの人が春の上野に訪れ、コンサートの当日券を求める姿が増えたことは、生の音楽を空間丸ごと体感していただきたい、という想いを持ち続けていた我々にとって、大変嬉しい光景だった。3年目となったライブ・ストリーミング配信も含め、音楽を東京―上野から世界に発信していく意義を改めて感じる春となった。
一方で、未だ収束しない感染症と、ウクライナ侵攻による影響は甚大で、国際色のある音楽祭を保つことに難しさも感じている。来年の20周年に向けて、さらなる飛躍ができるよう、準備を進めていきたい。
本回は、当楽団の新事業「東京オペラシティ定期演奏会」3回を提案したのですが、全体を通してイギリス音楽とドイツ・ロマン派初期のオーケストラ音楽の演奏内容が、どの回もお客様、評論家そして関係者の皆様の評判はすこぶる良く、質の高いオーケストラ音楽の提供と普及に貢献するという本事業の主旨に則したものになりました。
第1回の同時代の3人の作曲家によるイギリス音楽特集は、大御所尾高忠明氏の指揮により色鮮やかに描かれ、第2回の鈴木秀美氏のドイツ・ロマン派初期の作品も大変面白く再現されました。第3回は、飯森範親音楽監督指揮によるベートーヴェンと同時代のフェルディナント・リースの作品はさすがにその違いを端的に表現した内容が濃い演奏でした。また、ヴァイオリンソリストの佐藤俊介、三浦文彰の両氏の演奏も時代を的確に捉え、なおかつ音楽的に披露してくれました。
この当楽団の新事業に対して多くの法人、個人の皆様の寄付金が寄せられ、本事業の意義と成果は大きなものがあったと確信しました。そして、これからの演奏活動に大きな指針を示していただき、更なる飛躍の糧となりましたこと、ご寄付をいただきました皆様、企業メセナ協議会様に感謝申し上げます。
活動をしてみて
コロナ禍で受けていた「文化庁・AFF2文化芸術振興費補助金」がコロナ5類でなくなり、開催は寄附や協賛金が不足し大変でしたが、公益社団法人企業メセナ協議会を通じてのご支援は、大変ありがたいことです。費用が不足の分は、参加アーティストや製作会社様、多くの皆さまのご支援ご協力を得て費用の圧縮を計り、なんとか開催することができ感謝しています。協賛のヤンマーホールディングス様のご好意で、東京駅八重洲口地下街の80画面でのデジタルサイネージの放映など、新会場での告知を積極的に行うことができ、地下からアクセスできる会場で、雨風の影響もなく、分かりやすい立地で、暖かい会場なのでお客様の滞在時間も長く、作品やイベントをゆっくりご覧にいただくことができました。
また、後援の東京都から、入江都議会議員のご来臨をいただき、「東京には芸術文化が不可欠で重要なもの」とのお言葉もいただき、新会場で素晴らしい点灯式となりました。
各界で活躍のアーティスト、デザイナー、画家、写真家、俳優、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルの作品展示は、多くの来場者の集客につながり、アート作品を「観る」、そして、ワークショップ「光の箱」の楽しくアート作品をつくる喜びも芸術の普及啓蒙に多いに役立っているのを感じます。音楽イベントも今年は、10プログラムに増やし、多くの来場者の広がりに繋がりました。ますます「人と人とのコミュニケーションの大切さ」を感じる素晴らしい開催となりました。2024年は、東京駅八重洲側に屋外の作品も増やしたいものです。