●入場者数に関して
総入場者数2309人。総回答数153件のアンケート結果の内訳によると、埼玉県内からの来館者は約87%(入間市内からは約51%)であった。最も、アンケート回答率が約6.6%と低く実態を明確にしづらいものの、当団体がこれまで実施してきたなかで会期や分野が一番近い催事(※1)と比較すると概ね大差ない結果であった。
アンケート回答から得られる常態的課題として、いくつか再認識させられるものがあった。
目まぐるしく変わる社会状況の最中ではあるが、なかでも広報面では、基本的に市内・県内においては相互協力による低予算な宣伝手段を優先的に選択しつつ、やはり既存の広報ターゲット外にもより効果を狙う広報となると経費増強をせざるを得なかった。
ただし、純粋に入場者の”数”の面では、先述の事業(※1)が26日間で1190人であったのに対し、本事業は41日間で2309人と、1日あたりの平均入場者数が約2割増であった結果を踏まえると、評価の基準設定条件により異なることが前提である。
(※1:14名の作家による絵画展。会期2020年9月19日~10月18日)
●来館者からの意見に関して
「入場者数に関して」に前述の通り、母数として少ないながら、アンケートでは『埼玉県・入間市、ということで親近感をもてた』『地元でこれほどの作品を見られて感動した』『期待していた以上で驚いた』等、好感触の意見が多数寄せられた。半面、記述式アンケートでは意見を聴取しづらい入場者、特に子どもを含めた若年層においては、「人間国宝」「伝統工芸」「茶道具」などのキャッチコピーを列挙しても自発的な来館を促す動機になることは難しかったのではないかと感じた。また、公共交通面に関するネガティブな意見が多く、市外および遠方からの来館動機を実数的に得る為に常態として不利である点は、不変の窮境である。
●作家・関係者からの意見に関して
本展において物故作家の作品所蔵先、現役活動中の人間国宝、及びその後継作家から得た意見は概ね以下の通りである。
『工芸という狭分野、かつ地域に特化しつつ、規模(会場・出展作家の選出等)において格式ある展覧会が入間市で開催されるのは記憶に新しい。県内には数多の工芸作家がいるが、出展者の範囲を工芸の最高峰「人間国宝」及びその技術の直接的継承作家に徹底することで、埼玉県下において美術工芸の制作活動に携わるあらゆる人々の意識向上に寄与するものだった。逆に、工芸という括りにおいては作家活動を通して多分に評価されてきたが、地域的な括りで評価される機会は少なかった。今後発展を望むならば、埼玉県・入間市に関連する作家のみならず、地域住民や関係者において総合的に文化レベルが成熟していくことを期待する。』
また、茶会については、『作家人生の中で、自身の作品を茶会の道具として実際に参加者が使用するという機会は過去例がなく、このような新しい機会を設けるチャレンジは大いに評価に値する』『今回の展覧会関連事業のような機会がなければ、入間市博物館に本格的な茶会開催可能な施設設備があることを知ることがなかった。今後さらに有意に活用されることが望まれる。』という具体的な意見も得た。
このように、直接的な関係者からは高評価を得ることができたが、その声が波及し難い対象のボトムアップは当面の課題であると感じた。
●活動者(主催者)統括
地方都市の博物館(当団体においては「入間市博物館」)において、これまで行ってきたような、地域の歴史・地理・文化的な背景に依拠した調査研究を基盤とした展覧会にとどまらず、対外的に、よりアピール力の高いコンテンツをとりあげ、その魅力や普遍的価値を発信する必要性に応じて導入されてきたのが、当団体のような指定管理者団体である。
これに関して、来館者数や収益面のみの増強を基準とするならば、予算面的に大幅な好況となることを望むほか、博学連携・地域連携などを活用した来館促進や短期集中的なイベントなど、これまで同様「草の根活動」を継続していくだけで精一杯という運営状況のなかで、恒常的来館者数の決定的な好転要素は認め難い。
だが、本事業の活動者としては、決して当初の期待を超える結果ではなかったものの、文化芸術振興に携わる機関が本来求めるところの長期的な意に沿うものであったのではないかと自負し得る事業であったと感じた。
本事業の開催を通じて、改めて、埼玉県・入間市における文化芸術振興は、不断の努力なくして成し得ないと実感した。
まず、この活動を気にかけて応援くださった皆様に感謝申し上げます。
おかげさまで、今年のタップ&アートライブ実現に向けた取り組みが無事に終了し、障害ある若者たちの才能が勢いよく開花しました!
しゃべれません、と言われていた方がMCを務め、言葉の出にくかった方がスマホでSNSにコメントを入れはじめ、タップダンス活動から生まれたピアニストは企業主催ライブのお誘いを受けました。このイベントにまつわる年間活動から生まれた主な成果は以下になります。
1.メッセンジャーのモチベーションアップ---やる気に満ちた主体的な体験から、こだわり行動の軽減や語彙力増加などが起き、就労支援の場でも急成長の報告。
2.新たな才能の発掘---ピアノ・絵画・MCほかタップダンス以外の可能性が花開き始めた
3.ご家族の理解が進んだ---障害当事者である子への理解・あしプロ活動理念への理解⇄ご家族理解など相互理解
4.スタッフの成長---障害認識の変化及び、連絡メールの視覚・構造化
5.参加者の増加
主催・協力・協賛:3企業 寄付:1社・41名
参加:約900名/会場380名・映像470名(3団体 3法人 4地域)
プログラム委託:4件(福祉施設・文化施設)
YouTube登録:+72名/206登録数 視聴7,000回/年
「障害とは一方ではなく二者の間にあるバリア。それを取り除けるのは”障害のない”マジョリティの方である。」
という認識で活動を進めることで、障害の有無や世代差など多様な人の間での情報共有方法の開発にも取り組みました。「タップダンス活動から展開したアートによる共通言語化」として文書様式など確立でき、その資料はすでにSNSで社会に共有しております。
反面、コロナによる社会変化の中にあって、企業様にご寄付いただくことは非常に難しかったです。
何社かの方とは面談させていただきましたが、ご寄付の実現に至ったのは1社のみで、こちらの枠を使えない企業内グループ様でした。
しかしカード決済があることでは、気にかけてくださっている個人の方が度々ご入金くださり嬉しかったです。
時代変化の中で、自らのことに精一杯な方が多い中で、「多様性の尊重から豊かで楽しい未来」をという言葉が響くにはもう少し工夫が必要であることは承知しつつも、コロナ禍の活動制限の中で、公開できる形のインクルーシブアートコンテンツを積み上げていけたことは大きな実りとなりました。
また、自主開催イベントにこちらの寄付認定がついていることが後ろ盾になることを、実際の活動の中で度々感じました。
大阪・山形など広域で、福祉に関わる人々の参加が増えたのも、最後のオンライン交流会参加者の職業が多様だったのも、しっかりと認められている事業という安心感から広がりが生まれたように感じております。
今年度もコロナ禍での実施でリアル参加者を広げていくのが難しい状況であった。特に感染状況が酷い2月には完全オンラインで行ったが完全オンラインはご高齢の家庭ではかなりストレスとなるようであった。これからは高齢者にも優しいインターネット環境が必要と感じた。
オンラインの良さとしては、日本だけでなく海外からの参加者も受け入れることができた。(ブラジル・タイから参加共に日本人)また、参加年齢層も20代の学生から60代の方まで幅広い年齢層の参加を得ることができ認知症当事者を中心とした緩やかなつながりができた。
このプログラムを進める中で認知症当事者の方のコミュニケーション能力が高まった(ご家族・ケアマネージャーから言葉での会話が多くなったとのお話し)だけでなく介護をされているご家族も変化が見られた。具体的には、当初はセッションの輪の中に入ってこなかったご家族であったが今ではセッションの輪にはいり自然と歌ったりしてセッションを楽しみ介護のストレスを発散されている。
このようなパーソナルな視点での支援ではあるが、超高齢者社会を生きていく高齢者にとって認知症になっても自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指す取り組みの一環として、また、高齢者の今QOLの向上につながると考え今後も活動を継続していきたい。
・本制度を活用した寄付集めに苦戦し、うまく活用することができなかった。
・地元の幅広い年齢層の支持を得られたという実感から、この作品をプロジェクト化し、新たな資金調達の中から必要機材を購入し、小中学校や公共の体育館などを巡回するアリーナツアーのパッケージを作り上げ事業化する事を第一の目的に、法人を設立したいと思うに到りリサーチを開始した。
ご来場者様アンケート→https://youtu.be/AEZaLY4KwnI
活動をしてみて
2年連続「県民参加による歓喜の歌」第九コンサートがコロナ感染で出来ず、急遽「プロムナード・コンサート」に変更。
1曲目にふさわしい名曲、交響詩「禿山の一夜」は意外と演奏の機会が少なく、東京から聞きに来られた方がいました。
2曲目は超一流ソリスト清水和音氏(ピアノ)をお招きし、チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番を演奏、ベテランの迸る情熱に観客は感動の嵐でした。
(残念ながらブラボーが出来ず・・・・・)
3曲目はチャイコフスキーが生きていた不透明な時代でも、悲しみの中から生きる喜びを爆発した(現代に通ずる)交響曲第4番を演奏、更なる感動で総立ちの嵐が続きました。