今回のSOMPOアートファンドの助成によって、海外から作家を招へいするだけではなく、自らが、ヨーロッパのストーンサークルのフィールドワークを行い、その経験をもとに、SU-EN舞踏カンパニーの20周年記念イベントへの作品制作を行い、外に開かれた活動に結実できたことが、とても新しい可能性を開くことになりました。
その活動によって、今年は、SU-ENさんを原始感覚美術祭に招くことになり、台湾の花蓮のレジデンスプロジェクトのディレクターのSsu-Minさんがスウェーデン育ちであったこともあり、今年度、原始感覚美術祭との交換レジデンスプログラムを行うことになった。今年も招くだけではなく、訪れることで、相互の交流が生まれるきっかけが生まれている。
これはSOMPOアートファンドというネットワークを重視した助成活動だからこそ、生まれた展開であり、これを機により広い世界に開かれ、世界を招き、世界へと招かれるというマレビトの祭りのネットワークを築いていきたいと思います。助成いただきありがとうございました。
今回の工芸サミットの開催を通じ、シンポジウムなどでは、今後の取り組むべき視点として、「工芸作家がもっと市場を意識し、作品の創造性を高めること」、「工芸が好きな人を増やすこと」「デザインと匠の技のコラボレーションを創出すること」といった3つの視点についてディスカッションがあった。これらを踏まえ、国際的な工芸アワードの継続的な実施に向けた取組みを検討するなど、引き続き、国内外に向け工芸の魅力を発信し、「工芸分野の先進的文化芸術創造拠点」の形成を目指したい。
公募展では、約4か月の募集期間に、62の国・地域から709件の応募があった。平成29年度の「U-50国際北陸工芸アワード」と比較して大幅に増加しており、世界の工芸関係者の注目を集め、関心が高まっているものと考えている。特にアジアや欧米などの海外からの応募が全体の約6割を占めており、海外に向けて情報発信することができた。
テーブルウェア・フェスティバルでは、多くの方に工芸の制作体験をしていただき、産地の職人(講師)との交流創出のきっかけとなった。来年度以降は、首都圏の来場者が関心をもつような要素(観光、食など)も交えながらPRする必要があると考えている。
今後も工芸アワードの開催準備等を通じ、引き続き、国内外に向け工芸の魅力を発信していく。
「島と星座とガラパゴス」のタイトルのもと、私たちを取り巻く社会や人間のあり方を反映した密度の濃い展示をし、多くの方々から強い共感を得るとともに高い評価をいただくことができました。
展覧会開催における会場費や設営費等の固定費がかかるなか、貴団体の助成をいただいたことにより、質の高い作品を展示できただけでなく、誰もが現代アートを楽しめるよう鑑賞サポートの取組を充実させることができました。今後もひらかれた現代アートの祭典として文化芸術の発展に寄与してまいります。
活動をしてみて
今回開催した「港都KOBE芸術祭」は、神戸開港150年を記念する芸術祭として、現在も各地とつながる神戸港、そして神戸空港を舞台に、アートを通して人と港、人と人のつながりとともに、多様な市民参加により創造的市民を育み、港から各地へと芸術文化の交流の輪を広げることで、神戸の魅力発信と賑わいの創出を目指しました。
結果として、来場者数は目標の15万人には届かなかったものの約11万3千人にのぼり、アート鑑賞船にも1万5千人以上の方にご乗船いただくなど、多くの方々に芸術祭をお楽しみいただくことができました。そして“神戸港”という神戸の地域特性を生かした作品の力を評価いただくとともに、「神戸アートクルー」をはじめとした様々な方々に参画いただくことでつながりと交流の輪を広げることができました。
この芸術祭を通じ、神戸港”という資源に新たな魅力を感じていただくとともに、再発見・再認識していただく機会をつくり、その魅力発信と賑わいを創出することができたと考えております。
開催にあたっては、財政状況が厳しく、寄附・協賛依頼に苦慮していたなかで、今回、SOMPOアート・ファンドの助成をいただけたことにより、芸術祭を円滑に運営することができ、様々な観点から好評を得るなど、芸術祭の成功につながりました。厚く御礼申し上げます。